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えんぷつ 週観 道の果てから

10月28日 自転車で廃線巡り。

先週のできごと。
 15日(日)長野県知事選で作家の田中康夫氏が当選。
 18日(水)シドニーパラリンピック開幕。
 20日(金)協栄生命経営破綻。東京地裁に更生特例法適用を申請。9日の千代田生命に続く。
 21日(土)プロ野球日本シリーズ(巨人−ダイエー)が開幕。始球式に女子マラソンの高橋尚子選手。

 前回の話の続きです。

 実は九州までわざわざ飛行機に乗って出かけたのは、
 以前からの夢だった、九州地方の廃線跡巡りをしたいと思ったからです。

 北九州、筑豊地域。
 かつてこの付近には数多くの炭鉱があり、そこで産出される石炭が貨車に積まれて次々と、若松港や北九州工業地帯へと運び出されていました。一大炭鉱地帯となったこの地域では、運炭目的で鉄道線が、それこそ網の目のように張り巡らされていました。その密度たるや、大都市東京や大阪とさして変わらないレベルです。
 だが昭和40年代以降のエネルギー政策の転換もあって、炭鉱は次々と閉山。炭鉱線も貨物列車が走らなくなって赤字路線となり、国鉄末期にその多くが廃止されてしまいました。
 高校生のとき、1度九州に行く機会があり、炭鉱線を訪問したことがあります。
 ところどころに見られるボタ山、使われなくなり、草が生い茂った広い入れ替えヤード。
 古き良き時代をそのまま残した、駅や周辺の建物達。
 その寂れた独特の雰囲気に、筆者はすぐにとりこになりました。
 しかし旅程の都合で訪問した時間は短く、非電化なのに複線、複々線があるメインルートの筑豊本線や、廃止予定の多くの支線を回ることまではできませんでした。

 その後訪問する機会のないまま時は流れ、ようやく再訪したのが7年前のこと。すでに不採算路線の廃止は一段落した後で、当時の魅力の半分は過去のものとなってしまいました。筑豊本線で堂々の非電化複々線区間だった折尾(おりお)〜中間(なかま)間も2線分の線路がはがされて複線になってしまっていました。
 あのとき、どうしてもう一度行かなかったのだろう。
 このときばかりは、国鉄末期のうちににもう一度訪問できなかったことを悔やみました。

勝田線 上亀山付近

 今回、折りたたみ自転車を持ってまで九州に乗り込んだのは、「廃止前に訪問できなかった炭鉱支線を自分の足で乗ってやる」という、15年目のリベンジであります。
 3日間かけて香月線3.5キロ、室木線11.2キロ、宮田線5.3キロ、福岡近郊の勝田線13.8キロ、旧筑肥線11.7キロ、総計45kmを、自らが列車となって、ペダルを漕いで踏破してきました。
 廃止されて15年余りの線路敷は、その大方が道路になり、または遊歩道になりました。自転車にとってはこの上なく好都合ですが、一方で現役時代の、鉄道があった面影がことごとく消えてしまったのは、時代の趨勢とはいえ、やはり寂しい気がします。
 スピード時代のこの世の中、もはや感傷的な気分に浸る時間も許されなくなってきたのでしょうか。
 室木線の終点、室木駅跡で空を見上げていると、目の前の高架を新幹線<のぞみ>号が、一陣の風を巻き起こしながらすさまじいスピードで駆け抜けて行きました....。


10月21日 飛行機童貞を捨てた日。

 自宅に新型パソコンが入った次の週、今度は会社のパソコンまでが新型機にリプレースされました。
 こちらはA4ノートタイプ。高速CPUと大容量ハードディスクが入って、実に使いやすいです。

 先週のできごと。
 9日(月)千代田生命経営破綻。東京地裁に更生特例法適用を申請。
 10日(火)導電性高分子開発で筑波大の白川英樹名誉教授ら3名がノーベル化学賞を受賞。
 11日(水)茨城・東海村の臨界事故でJCO元所長ら6名を逮捕。
       若田光一さん、スペースシャトル「ディスカバリー」で2回目の宇宙飛行に出発。
 13日(金)今年のノーベル平和賞に韓国の金大中大統領が決定。
       ダイエーの中内功会長が代表権を返上。不明朗な株取引問題で。

 筆者は国内各地を旅行するのが好きですが、
 それにもかかわらず、まだ成し遂げていない重大な事柄が1つありました。

 それは、「空を飛ぶこと」です。

 別に飛行機が苦手な訳ではありません。
 たまたま飛行機を必要とするほどの遠くに行ったことがないだけの話です。
 それから飛行機に乗るのにお金がかかったからということもあります。
 たとえ列車が飛行機よりどんなに時間がかかろうと、
 運賃が安ければ、当然のごとく列車を選択していました。

 しかし、今や札幌や福岡方面は新幹線よりも飛行機の方が安い時代。
 社会人になって忙しい筆者にとって、時間の短縮効果は何物にも代えがたく、
 ここで思いきって、30年間守ってきた?飛行機童貞を捨てることにしました。

 10月13日朝に羽田を出発するANA 245便を特定便割引で予約。
 片道18,000円。以前は13,500円で乗れた時期もあったのですが、
 13,500円ではさすがに経営が苦しかったのか、最近は18,000円で推移しています。

 当日、羽田空港には出発30分前の8:00に到着。
 何分にも飛行機は初体験なので、チェックインや手荷物預かり、ゲートインなど、分からないことも多く、
 前にいた人の見まねをしたり、係員に聞いてみたりしています。

 10分前、いよいよ機内の人になります。
 座席は機体後部の中央付近。特定便割引では窓際を選択できないようです。
 それでも機内ビデオを見るには好都合な位置。

 8:35の出発時刻に機体は動き出しました。
 果たして無事に離陸できるかどうか。期待よりも不安の方が大きく、胸がどきどきします。

 その15分後、ついに飛行機は離陸しました。
 ジェットエンジンで一気に時速300km位まで急加速。そして、ふわりと宙を舞う感覚。
 羽田が、東京が、下へ離れてゆくのが見えます。
 ああ、これで僕もついに空を飛んでいる!!

 気づいたら機体は上空数千メートルの位置にあり、窓の外は一面の青空と、眼下に雲の世界。
 計算上は時速800km程度、新幹線の3倍もの超高速で進んでいることになりますが、
 風景の移り変わりが少ないからか、とてもそのようには感じられないのが不思議です。

 ベルト着用サインが出ると、目的地、福岡が間近です。
 離陸してまだ1時間も経過していません。アナウンスは、機体が既に玄界灘上空にあると告げています。
 ここは本当に福岡なのだろうか。新幹線感覚が残る体にはまだ名古屋か大阪辺りではないのかと思わせます。

 機体カメラの映像が真下の都会の映像を写しています。
 やがて左に大きく旋回したかと思うと、カメラが前方に切り替わり、その向こうに滑走路が。
 滑走路はだんだん大きくなり、筆者も思わず身構えます。
 どどーーーん。
 10:25、飛行機はほぼ定刻に福岡空港に着陸しました。
 逆噴射で一気に急減速。車に乗って急ブレーキをかけたような感覚。
 60km/h位にまで落ち、後は駐機位置までゆっくり誘導され、据え付けられます。

 飛行機から降りてもしばらくは、ここは福岡ではなく伊丹辺りだろうと勘ぐっていました。
 荷物を受け取り、以前も乗ったことのある市営地下鉄の車両に乗ってようやく、
 自分が本当に福岡にいることを認識できました。
 あっという間の1000km。時間と空間の超越。
 それを身を持って感じた、飛行機初体験でした。


10月9日 新型パソコンを買いました。

 先週のできごと。
 1日(日)シドニーオリンピック閉幕。日本のメダル数は金5、銀8、銅5。
 6日(金)鳥取県西部で強い地震。境港市と日野町で震度6強。
       ユーゴスラビアで民衆蜂起。ミロシェビッチ大統領退陣を表明。
 7日(土)プロ野球パ・リーグ、ダイエーが2年連続優勝。王・長島両監督による日本シリーズ実現。
 その他 ・パレスチナ騒乱、全土に拡大。

 自宅のデスクトップパソコンは買ってからもう5年。
 買ったばかりの頃は満足気に使っていたのですが、
 高速CPUを要求する最近のソフトについて行けなくなり、
 インターネットも、後から買ったノートパソコンと比べてモデムのスピードがほぼ同じなのに、
 CPUの処理能力が仇となってページを開くのにやたらと時間がかかる始末。
 最近はインターネットはもっぱらノートの方を使っていましたが、
 デスクトップの方でもいろいろ挑戦してみたいことがあり、
 思い切ってデスクトップを買い換えることにしました。

 9月22日のWindowsMe発売直後からパソコンのモデルチェンジが各社で始まりました。
 5月の発売当初10万円近くしたエントリーモデルも、時間の経過とともに少しずつ値段が下がり、
 8月末には79,800円まで下がっていました。
 9月になってもしばらくこの傾向が続き、このまま底値になるかと思いましたが、
 その最後の週に冬モデルが発表されると、
 待っていました。夏モデルの在庫処分がはじまり、さらに5,000円ダウンの74,800円。
 しかもWindowsMeの無償アップグレード付き。
 今こそ、とこの時点で購入を決意しました。

 10月に入り、立ち寄った新宿の某大手カメラ量販店。
 ここでは希望のエントリーモデルが74,600円で販売していました。かなり安いです。
 他の店ではどうなっているのか、とその店を出たところに
  「本日まで3日間限り 特別処分市」
 といった内容の掲示を発見しました。
 さっそくその開催フロアをのぞいてみると、
 いろいろな電化製品が並べられ、格安の値段で売られています。
 その中にパソコンを発見。
 そして、僕が求めていたエントリーモデルが何と、59,800円で売られているではありませんか。
 下の店頭では74,800円で売られていたのと同一の商品です。
 何でもここに並べられている商品はすべて店頭デモンストレーション品の現品限り処分ということで、大幅に安くなっているそうです。
 その隣にはスタンダードモデルが、これまた店頭より25,000円も安い69,800円で売られています。
 うーん、どっちにしよう。スタンダードの方がCPUも速いし、ハードディスクが30GBもあるし、
 MS-Office2000が付いているし。
 迷っていると、何と目の前で、59,800円のエントリーモデルを指名買いしている客がいるではありませんか。
 しまった、先を越された!!!
 その直後、僕は速攻で69,800円のスタンダードモデルを指名したのは言うまでもありません。
 1万円高いけれど、将来に渡って長く使うことを考えれば、決して高くはないと思いました。

 この土曜日に、そのパソコンが自宅に配送されてきました。
 店頭展示品だけあってソフトはセットアップ済。これだけでもずいぶん楽ちんでございます。
 早速インターネットにアクセス。速いの何のって、やはり高速CPUのおかげです。
 ちなみに在来機もスキャナーと画像処理ソフトを引き続き使いたいので、オフラインにして別の部屋に持ってきています。これで自宅のパソコンは新旧3台に増えました。
 これからは、この新型パソコンが大活躍します。その活躍に大いに期待をかけましょう。


10月1日 東京の私鉄・地下鉄を自由に行き来するカード。

 先週のできごと。
 23日(土)熱海で日韓首脳会談。日朝関係改善へ向けて両国が連携することで一致。
 24日(日)プロ野球セ・リーグ、巨人が中日に奇跡の逆転勝利でリーグ優勝。4年ぶり29回目。
  シドニーオリンピック関連
 24日(日)女子マラソン、高橋尚子選手が金メダル。2時間23分14秒は五輪記録。
 26日(火)IOCは体操女子個人総合で優勝したアンドレーア・ラドゥカン選手(ルーマニア)の金剥奪を決定。
       ソフトボール決勝、日本はアメリカに延長8回サヨナラ負け(2-1)で銀メダル。
       シンクロ、立花美哉、武田美保両選手のデュエットが銀。
 27日(水)レスリング、グレコローマン69kg級で永田克彦選手が銀。
       野球、3位決定戦で韓国に敗れ、メダルを逃す。
 28日(木)パラリンピック公開競技、女子車いす800mで土田和歌子選手が銀。
 29日(金)シンクロ団体、日本が初の銀メダル。
       テコンドー女子67kg級、岡本依子選手が銅。
 30日(土)陸上男子400mリレー、日本は6位入賞。優勝はアメリカ。

 今度の10月14日から、東京の私鉄を自由に行き来できるプリペイドカードが発行されます。
 その名は「パスネット」。

 既にJRや営団・都営地下鉄を始めとする数社で実用化されているストアードフェアカードを首都圏の私鉄各社に拡大するもので、この日から京急を除く大手私鉄各社と、一部の中小私鉄の各駅相互間を、1枚のカードで自由に乗り降りできるようになります。
 東京に乗り入れている私鉄の路線は数多く、乗りかえるたびに切符を買いに行くというのは結構面倒な作業です。切符を買う手間がなくなるだけでも、これは相当便利になります。
 関西地区では私鉄共通カードが「スルッとKANSAI」という名前で先に実現していますが、遅ればせながら首都圏地区でも今回実現の運びとなった訳です。

 「パスネット」システム自体は営団・都営地下鉄の現行「SFメトロカード」「SF-Tカード」用のストアードフェアシステムを各社に適用するのですが、このシステムの基本を作ったのは、実はJR東日本なのであります。それを営団・都営が、将来の共通化を見越してそれぞれJRのシステムを導入、そして今回の私鉄共通化となっていきました。JRの「イオカード」と営団・都営のSFカードの裏の文字の記入様式が同じことから、これらは互換性があることが分かります。
 ところが、その開発当事者のJR東日本は、「次世代システムの開発」を理由にパスネットに加わらなかったとのこと。実に残念なことです。私鉄だけでなくJRが加わればどんなに便利になることか。ましては開発当事者が抜けてしまっては、あまりに意味がなさ過ぎるように思います。

 さて、本日10月1日から各社でパスネット対応カードの発売が始まりました。
 筆者は1日かけて東京の大手私鉄発行の記念カードを集めに走りました。
 まず大宮駅に行き、東武の記念カード2枚セットをゲット。東武は20枚入りのカードフォルダーを付けて販売していました。なかなか気前がよろしいです。
 次は新宿。ここには西武、小田急、京王の3社が乗り入れてきています。西武、京王は記念カードを各1枚購入。小田急は14日まで発売はなく、今回見送りです。
 山手線で渋谷に移動。東急は改札前にスタンドを出して派手に宣伝していました。何と発売記念カード3枚組みの他に、先月26日の目黒線・営団南北線・都営三田線直通運転開始の記念カード3枚組まで売っており、衝動買いで6枚一気に購入。計8,000円も消費してしまいました。やるなあ。
 銀座線で上野に移動して京成へ。構内にはパスネットカード発売の宣伝はひとつもありませんでした。でも沿線情報紙では確かに本日からの発売になっている。係員に聞いてみると、改札を通されて事務室に連れて行かれ、ここで1枚分けてもらうことができました。販売方法も各社各様です。

 ということでこの日1日で購入したパスネット対応カードは11枚、3,000円券が1枚入っているので投資金額は13,000円なり。これに先月27〜28日に購入した営団・都営の延伸開業記念カード各1を含めると、実に15,000円も記念カードを買っています。リッチですねー?
 これで当面は私鉄に気兼ねなく乗ることができそうです。なんちって。

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