メゾン 道の果て

えんぷつ 週観 道の果てから

11月29日 昔いた会社の話。

 今回は、普段はあまりしない、会社の話を。

 僕は現在、とある大手コンピューターメーカーに勤務しているのですが、
 ここに来る前は、その子会社に籍を置いていました。

 子会社に在籍していたのは、新卒入社以来5年間のこと。
 就職活動はちょうどバブルが弾けた時期で、
 内定が決まるまで大手から中小まで数多くの会社を回り、
 ようやく最初に内定をもらったのがこの会社でした。

 システム部門の志望で入社したのですが、人数の都合により最初は営業部門に配属されました。
 営業時代は先輩に付いて行き、先輩がどのように商談をコーディネートしてくるのかをこの目で見て勉強しました。
 その後2年目で管理部門に配転となり、今度は一変して総務の仕事を担当することになりました。
 会社規模は従業員数200名弱と小さいので、会社がどのようにして動いているのかがよく分かりました。
 経理部門のお手伝いをすることも時々あり、会社内でのお金の流れを見ながら、会社とはこのように運営して行くのか、ということをいつしか学んでいました。
 総務を4年に渡って担当し、すっかりその道のエキスパートになったところで、突如親会社への転勤を命じられました。そして現在に至っています。

 今、なぜこの話をしたかというと、僕が5年間勤めていたこの会社が、別の関連会社に吸収合併されることになったからです。
 そして、この会社の社名も消滅することになります。
 僕にとっては社会人の第一歩を歩み出した記念すべき会社であり、数々の思い出があります。
 組織は新会社の一部門として今後も存続してゆくのですが、
 どこか自分の故郷が失われるような、そんな気持ちがします。

 この会社は、担当者を担当業種のエキスパートとして育てることを売りとしており、
 実際に当社の担当営業を先導して大活躍しています。
 社名が変わっても、彼らのさらなる活躍と発展を願うとともに、
 僕もこの会社の出身として、その精神を忘れずにがんばって行きたいと思います。

  先週のできごと。
 20日(月)ペルーのフジモリ大統領が辞表提出。翌21日、ペルー国会は罷免決議。
 21日(火)森内閣不信任案が与党の反対多数で否決。水かけ騒動も発生。
 26日(土)第6回温暖化防止会議(ハーグ)が決裂。日米加とEUで二酸化炭素森林吸収量を巡り対立。


11月21日 続・バリアフリー論。

 15日から、地元の駅にエスカレーターが設置されました。

 先日も書きましたが、最近のバリアフリーの流れに乗って、エスカレーターやエレベーターを設置する駅が増えてきています。
 郊外の新しい駅ではエスカレーターが、大きな駅や地下鉄ではエスカレーターだけでなくエレベーターも設置されています。身障者に限らず、僕のように自転車を持ち込んだり、大きな荷物を転がしたりする人々にとってはありがたい存在です。

 でもって、地元の駅に設置されたのはエスカレーターでした。
 本当は車椅子にとって便利なのは、エスカレーターよりもエレベーターだと思うのですが。

 単純に考えれば、自分が車椅子に乗った身になって考えれば、
 エレベーターの方が便利に思えるのですが。
 エスカレーターでは、駅員さんの助けを借りないと階の移動ができないし、
 エレベーターなら一人でも乗れると思うのですが。
 そもそもエレベーターは簡易型とか、工事用とかも存在するし、
 実際にどのくらい費用がかかるか知りませんが、
 エスカレーターを設置するより安上がりに思えるのですが。

 でも、地元の駅に設置されたのはエスカレーターでした。
 一人でも多くの人を効率的に運べる、車椅子1台程度なら駅員が来れば良い、
 大荷物と車椅子とでは大荷物のほうが圧倒的に多いし、
 ホームに一人で来れたとしても、電車に乗るには段差があっていずれ手助けが必要だし。
 そんな判断が働いたのでしょうか。

 それから、ホームと橋上駅舎とを結ぶエスカレーターは通じましたが、
 駅舎と駅前広場の間はいまだに階段を昇り降り。
 これでは、エスカレーターを作った意味が半減するというものです。 

 我々健常者にとって、短い距離のエスカレーターはあってもなくても変わらない存在です。
 もちろんあった方が楽なのは言うまでもないですが。
 でも、バリアフリーという見地に立って、
 予算の使い方をもう少し慎重に考えても良かったのでは、と思いました。

  先週のできごと。
 11日(土)オーストリア、キッツシュタインホルンでケーブルカー火災。日本人10人を含む155人が死亡。


11月13日 弐千円札と新五百円玉の旅がらす。

 この7月と8月に2000円札,新500円硬貨がそれぞれ発行されました。あれから早くも3ヶ月が経過しようとしています。

 先日、初めて2000円札を手にすることができました。
 いつものようにコンビニで昼食のカップラーメンを買ったとき、1万円からのおつりに1枚だけ見慣れない札が混ざっていました。
 外国のお札か、と一瞬びっくりしてその札をのぞき込んだら、それが、あの弐千円札だったわけです。

 2000円札が発行されたのはサミット直前の7月のこと。早速街の話題になっていましたが、新種の札だけに記念に保存しておくピープルが多かったようで、今まで3ヶ月間全く見かけることがありませんでした。
 一方新500円玉の方は流通が早かったようで、8月末には既にゲットしています。現在までに3〜4回は懐を出入りしています。旧500円玉とは主だった部分のデザインが共通ですから、見分けられなかった一般ピープルが早々に街に流通させたのでしょうか。

 これら新札,新硬貨も記念としての限定生産ではなく一般に流通させる目的で生産されているのですから、いずれは現在の夏目漱石や福沢諭吉などと同じようにごく普通に使われてゆくのでしょうが、絶対数がまだ少ないのか、手にする機会は少ないです。
 一説によると、街角の自動販売機の多くがこれらの新貨幣に対応しておらず、使い勝手が悪いゆえに出回っていないとか。
 そうは言っても街にはコンビニやスーパーなど、店員と対面販売をする場面も多いですし、特に2000円札などもっと回ってきてもよいと思うんですがね。金融機関が出し渋っているのかもしれませんが。。

 そういえば以前コンビニで買い物したときのおつりの中に、長野オリンピック記念の500円硬貨が混ざっていたことがありました。一体どこの誰が、どのようにして放出したのでしょうか。
 その記念硬貨は、今でも手元に取ってあったりなんかします。これってある意味で500円損しているのかも。

 先週のできごと。
 4日(土)ギリシャ南部で日本人観光客の乗ったツアーバスが乗っ取られる。犯人は投降後自殺。
 5日(日)宮城県,北海道の旧石器時代の遺跡で、石器発見がねつ造だったことが発覚。
 7日(火)アメリカ大統領選開票。ブッシュ,ゴア両候補が激しい接戦。決着は持ち越しに。
 8日(水)日本赤軍最高幹部、重信房子容疑者を大阪府内で逮捕。


11月8日 大型ショッピングセンター次々オープン。

 先月18日、地元に新しいショッピングセンターがオープンしました。

 この週末、そのショッピングセンターに初めて出かけてきました。
 オープンから既に半月が経ちますが、開業直後は見物客で混雑して、とても落ち着いて店内を回れそうになかったので、しばらくの間出控えていました。筆者が単純に忙しかったというのもありますが。
 駅から歩いて数分の立地に店開きしたこのショッピングセンター、かつてこの土地には電気部品メーカーの工場があり、周辺地域を含めて町工場然とした雰囲気が広がっていました。その工場が撤退することになり、代わりに新しくショッピングセンターが建設されることになった訳です。

 キーテナントは大型スーパー「長崎屋」。2階建ての1階が食料品、2階が衣料品売場となり、広いスペースにたくさんの商品が並べられています。
 そしてこれに彩りを添えるのが専門店街。
 2階にはあの上新電機がテナントで入ってきました。何といっても安いんですよ。デスクトップのパソコンが59,800円から。ビデオテープやMDも、新宿辺りのカメラ屋さんより安い。
 地元にも価格破壊をうたった電器屋はいくつか進出していますが、この上新電機には少々びびりました。やるなあ。
 1階の方では食が充実していまして、我が街2軒目のモスバーガー、それからケンタッキー、ミスド、その他パン屋やラーメン屋、アイスクリーム屋、コロッケ屋など。この中でもたこ焼専門「築地銀だこ」、シュークリームの「ビアード・パパ」は人気が高く、開店早々から長い行列ができています。こんな地元にも行列のできる店が来たもんだなあと感慨しきりです(田舎根性あり)。
 ということで、地元にやってきたスーパーの中でも、今回のコンテンツはかなり本格的かつ意欲的です。20年前の駅前スーパー開業並みの強いインパクトです。これは毎週末引き寄せられそうな雰囲気でなりません。

 地元に新ショッピングセンターがオープンして3日後の21日には、隣町、大宮市内にマイカルサティがオープンしました。こちらも寄ってみたのですが、大きな街だけに多くの客が来ることを見越して敷地面積が広く、専門店街の数も多いです。食関連も充実しているのは地元と一緒ですが、やはり店の種類が地元より多いです。ここにも「築地銀だこ」「ビアード・パパ」があって、やはり長蛇の列ができています。
 このマイカルサティの大きな特徴は、「8つの映画館」があるということ。4階フロアを映画館として、8本の洋邦画を同時に上映しています。中には入りませんでしたが、ロビーのつくりがまたしゃれていて、どこかのクラブにいるような雰囲気。数台のテレビモニターが並べられ、リアルサウンドとともに次回予告を流しているところは、ぐっと心をとらえます。

 話を地元に戻します。
 ところで長崎屋といえば、僕の記憶に間違いがなければ、2年前くらいに不渡りを出して倒産した衣料品スーパーではありませんでしたか。
 隣町、大宮にもかなり昔から駅近くに長崎屋があって営業していましたが、倒産してから業態を変えて、地下に100円ショップを作ったりなどして営業を続けています。
 あれからまだ2年くらいしか経っていないのに、新店まで開業するとは。
 すごいぞ、長崎屋。
 思わず応援してしまいます。

 やおはんみたいに積極策が裏目に出て、ある日突然閉店したりしないことを祈ります(笑)。

 先週のできごと。
 29日(日)サッカーアジア杯、日本はサウジアラビアを1-0で破り、2回目の優勝。
      シドニーパラリンピック閉幕。日本は金13個を含む41個のメダルを獲得。
 31日(火)台北でシンガポール航空の旅客機が離陸に失敗、爆発。死者81名。
 


11月3日 バリアフリーの必要性を体感したこと。

 10月も末になると、冷え込みが始まりました。
 つい数日前まで夏気分だったのが、一気に冬が来たような感覚です。

 九州旅行のネタで、しつこくもう1回引っ張ります。

 前回も書いたように、九州には折りたたみ自転車を連れて出かけました。
 2年前社内販売で購入したもので、その重さは約15kg。
 15kgといえば、みかん箱1個分(中身入り)に相当する重さ。当然、重いです。
 購入した当初は、これだけの重量の自転車を担いで電車に乗っていたのですが、
 さすがに相当へこたれたので、その後はもっぱら車に乗せてお供させていました。
 だが九州みたいな遠距離になるとさすがに車というわけにもまいりません。
 そこで、荷物運搬用のキャリアを買って、これに乗せて運ぶことにしました。

 自転車の乗ったキャリアを転がしながら、駅へと急ぎます。
 キャリアは車輪が付いているとはいえ、いつも通勤しているときと同じようにスピードが出せるわけではありません。
 おまけにキャリアは自転車よりも小さく、体勢が不安定。気を付けて運ばないと自転車の入ったナイロン袋を引きずったり、袋を落としたりしかねません。
 既に駅に着くまでに神経がすり減りました。次に出くわすのが駅の階段。転がして登ることもできるのですが、袋を落としそうなので、キャリアごと担いで上がります。重量15kgが、体に相当こたえます。
 やっとの思いでホームにたどり着きました。電車で移動中は束の間の休息。近年に作られた車両は車椅子用のスペースを取ってあるものがあり、ここを利用すれば周囲に余計に気遣いする必要はありません。
 ターミナル駅ではエスカレーターやエレベーターもあります。今回の旅行では当然の事ながら、まずエスカレーターやエレベーターがあるかどうか見渡し、あるとなれば少々離れていてもそこまでキャリアを転がしました。

 運んだり、休んだりを繰り返しているうちに運び方のコツも体で覚えてきました。
 ナイロン袋はつかみ手を持ちながら運ぶと安定すること。またキャリアを低く傾けて転がすとさらに安定し、袋を落とすようなトラブルが少なくなるようです。

 旅行中の3日間、折りたたみ自転車とともに旅行することで、健常者でありながら障害者の視点で物事を見ることが、少しだけできたと思います。
 特に駅の階段や歩道の少しの段差が、障害者にとってどれだけ通行の障害になっているのかが良く分かりました。スーツケースより体積が大きく、持ち運びの不安定な自転車だったからこそ、一層強く感じられました。そして、普段は何気なく見過ごしていたバリアフリー設備のありがたみが、実に良く分かったのであります。

 バリアフリーでもう一言。小倉駅の券売機前で、80歳位の老夫婦に声をかけられました。何でも切符の買い方が分からないと。そばには最新型の自動券売機が並んでいます。僕はこの老夫婦に懇切丁寧に切符の買い方を教えました。
 恐らく彼らはここ数年列車を利用することがなかったのでしょう。昔は自動券売機というものがなく、窓口に行けばあらゆる切符を買うことができました。ところが現在では合理化、自動化が進み、機械も頻繁に新型に取り替えられています。こうした時代の流れについて行けず、彼らは文明の浦島太郎状態になってしまったのでしょう。
 初めて行った空港のターミナルでは、自動チェックイン機の前に係員が立って、自分を含めた不慣れな利用者に説明しており、親切に感じました。一方鉄道の駅は空港に比べて絶対数が多く、さすがにこれと同じことを求めるわけにはいかないでしょうが、自動券売機の使い方を大きく描いたパネルを置くなり、大きな駅では応対用に窓口を置くなりして、人対人のソフト面の充実も図ってほしいと思いました。人があって、人が利用してこその、公共交通機関なのですから。

 しかし、やっぱり自転車は重かった。でもまたチャレンジしたい。今度はどこの廃線を狙おうか<<懲りない奴。

先週のできごと。
 28日(土)日本シリーズ、長嶋巨人が4勝2敗で王ダイエーを破り日本一に。

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