メゾン 道の果て

えんぷつ 週観 道の果てから

6月27日

 今まで書こうと思っていて、なかなか書けないでいた話題。

 山手線に新型車両、E231系が4月から導入されています。
 4月21日のデビューから早や2ヶ月。
 でも走っている編成はまだ全52本のうち3本です。
 52分の3、6%に満たない確率では、なかなかE231系に当たりません。


205系と並ぶ、新型車E231-500系。
5月18日 上野にて

 そんなE231系に、先日ようやく乗ることができました。
 E231系といえば、我らが東北線でも同じE231系が走っています。
 しかし、山手線用と東北線用では、やはりどこかが違います。

 まず帯の色。当然、山手線はウグイス、東北線はオレンジと緑です。
 前面の基調色も、東北線の銀に対して山手線は白となり、軽快な感じです。
 それから山手線向けはボックスシート車やトイレがなく、代わりに6つドア車が2両入っています。
 あと印象深かったのが、とにかく加速が速いこと!!
 東北線と同じ車両なのに、京急電車もびっくりの加速力で飛び出して行きます。まさに脱兎の如し。
 山手線向けの方が編成中のモーター車の比率が多いからなのでしょうが、同じ系列と思えないです。

 それで車内に入ってみると、各ドアの上に液晶テレビ画面が2つずつ付いています。
 1つは「次は、神田」などと表示するのですが、カラー、図入りで乗り換え案内をしてくれます。
 東北線向けのLED文字表示と比べると大きな進化です。
 もう1つは文字放送やプロモーションビデオが流され、見ていて飽きないです。
 さすがは山手線。お金かけてます。
 同じ形式の電車なのだから、これは東北線向けにも入れて欲しいです。
 自慢の加速力ですが、実際に乗ってしまうといつもの205系とあまり変わらないように思えてきます。
 いろいろな電車を乗り歩いてきただけに、感覚が麻痺してしまったのかも(笑)。

 ということで、上野で東北線のE231系に乗り継ぎます。
 山手線と同じ車内なのに、車内がどこか間が抜けている。というかきれいな感じ。
 どうしてだろう。

 しばらく考えて気が付きました。
 そうだ。東北線は車内広告が少ない。
 戸袋の広告枠がない、それだけでも大きな違いとして映るようです。
 やはり東北線はあくまで郊外路線なんだなあと思いました。


6月20日

 この時期ですから、またもワールドカップネタで振ります。
 14日には1次リーグ第3戦、チュニジアを相手に戦いました。
 ただ、今まで2回と違うのは、平日昼間の開催となったこと。皆が、何でホスト国なのに平日の昼間に日本戦なんかやるんだよ、とぼやいていましたが、15:30になるとやはり?次々「打ち合わせ」名目で会議室へと消えて行きます。
 回りに誰もいなくなった席。気兼ねなく携帯テレビを付けて仕事しながら観戦します。試合は2-0で日本が勝ち、念願の決勝トーナメント進出を果たしました。

 日本が勝つと、盛り場でお祭りが始まる。今日も勝ったし、しかも初の決勝トーナメント。
 これはきっと何か起こるだろう。
 そう思い立つと、足は地下鉄へと向かっています。

 日比谷線を六本木で降りると、駅のあちこちに青いユニホームのサポーターがうろうろ。
 日の丸をしょっている兄ちゃんもいます。
 地下からの階段を登ると、そばで4〜5人が
 「日本!日本!」
 と叫んでいます。ただならぬ雰囲気。

 地上に出ました。
 すごい。おびただしい数のサポーターが行き交っています。
 横断歩道には数十人の警察官が警戒しています。傍らには機動隊のバスが数台。
 信号が変わりました。警察の笛と同時に、
 「おおおおおおおお!!!!」
 と歓声を上げ、見知らぬサポーター同士が高く上げた手をぶつけていきます。
 これがハイタッチというのでしょうか。

 アマンド前の坂道は、おびただしい数のサポーターで埋め尽くされました。身動きとれません。
 その中に入っていきます。
 「おお〜、おお〜、日本、日本、にっぽーん」
 「トルシエ日本!! トルシエ日本!!」
 「中田!!中田!!中田!!」
 とにかくものすごい盛り上がりです。興奮のるつぼと化しています。
 後ろからは島唄の大合唱が始まりました。
 もう、盛り上がれば何でもありの状態です。
 警察もただ見ているだけで、全く手出しができません。

 エネルギーを、十分に浴びることができました。
 花火や蝉男やヌードを見ることこそできませんでしたが(笑)、
 残業疲れも吹き飛び、少し幸せな気分です。

 18日の決勝トーナメント、ラウンド16ではトルコと対戦しましたが、残念ながら敗れてしまいました。
 でも、これだけいい夢を見させてくれた日本代表には、心の底からエールを送りたいと思います。
 ありがとう、日本代表!!


6月11日

 W杯は9日には日本代表がロシアを破り初勝利しました。ちょうど友人の結婚式帰りの移動中で携帯テレビを付けて見守っていたのですが、乗り換えのときほんの20秒電源を切っている間に点が入ってしまった。再び付けたら何やら大騒ぎ。稲本のゴールの瞬間を見逃してしまったのでした。これは悔しい。
 埼玉県内はその夜はどこも静かでした。みんな店内にこもって観戦していたのでしょうか。

 スポーツ観戦といえばサッカーや野球ばかりではありません。
 先々週、5月30日にアメリカンフットボール「パールボウル」の決勝戦を見に行きました。
 対戦チームはリクルートと鹿島建設。同僚にリクルートクラブチームの選手がいまして、彼がフィールドに控えで出場するということで、チケットを持って会社の課を挙げて東京ドームに応援に行きました。
 アメリカンフットボールは一般のスポーツと比べてルールが複雑で、試合は動いたり止まったりの繰り返しなので素人には見ていてもさっぱりわからないものですが、それでも選手がパスをつないだり、相手のボールをタックルして奪取したりする場面は、我々観客の目を釘付けにします。
 一部の同僚は試合中に何度も繰り返されるチアリーダーのダンスに見入っていましたが(笑)。

 でも観戦の何より最大の魅力は、
 「観衆と一緒に騒いで盛り上がる」これに尽きるでしょう。
 試合は第3クォーターでリクルートが勝ち越しそのまま逃げ切る体勢でした。夢の優勝がもう目の前。観客席はウェーブが起こり、ビニール風船をたたいて大歓声で応援しています。
 しかし最後の1分で何と鹿島が同点に追い付き、延長戦に。今度は鹿島側スタンドがやんやの大歓声。
 そして最終的に延長戦を制したのは鹿島でした。優勝が決まった瞬間、鹿島側では赤いビニール風船がたくさん舞っていました。
 残念ながらリクルートの優勝はかなわなかったものの、観客が一体になって盛り上がる、その喜びを十二分にまでかみしめて、気分良く帰宅することができました。

 で、同僚の選手はというと、今回は監督の指示をフィールドに伝える伝令役としてチームを支えていました。次のシーズンで正式に選手として出場するのが楽しみです。


6月8日

 いよいよ、4年に1度のサッカーの祭典、ワールドカップが開催されました。
 今回は我が日本が開催国になっています。
 自国開催のワールドカップなど、これは一生に一度あるかないかの貴重な体験です。

 その貴重な体験はぜひ共有しなければ。
 4日の日本-ベルギー戦は会社を定時で切り上げ、浦和美園まで行ってきました。
 会社の同僚も、17:30になると一斉に退社。なかなか見られない光景です。
 18:00を過ぎると試合が始まります。携帯テレビを付けながら電車で移動。
 前半は双方の力が伯仲し、両者無得点のまま折り返します。
 その頃、赤羽で下車し、赤羽岩淵まで徒歩移動。この先の地下鉄は電波が届かないため、後半の最初の数分間はテレビを見ることができません。

 浦和美園で電車が地上に出たときには、すでにスコアは2-1になっていました。
 うわっ見逃してしもた。でも日本リードなのでごきげん。
 埼玉スタジアムへの道を歩きます。行き交うサポーターの数はさほど多くありません。
 移動中にベルギーが同点に追いつく。あああああ。テレビを片手にさらに北上。
 やがて明かりに照らされた埼玉スタジアムが見えてきました。
 今まさに、全世界中のテレビに映っている熱戦の舞台が目の前にあります。
 テレビの歓声と会場の実際の歓声がシンクロして聞こえます。
 残り3分のところで南ゲート前に到着。広場のあちこちにサポーターが群がっています。その群集の中には小型テレビが。入場券のないサポーター達が、スタジアムの実際の歓声を聞きながら食い入るように画面に見入っています。

 と、ここで試合終了。2-2の引き分けでした。
 その瞬間、サポーター達が歓喜の声をあげました。
 「トルシエ日本!! トルシエ日本」と掛け声を合わせ、テレビカメラに群がります。
 間もなくゲートからおびただしい数の応援団が出てきました。同じ背番号の選手、いやサポーターが何十人といます。見事なまでにブルーで統一されています。
 裏の通用門にはバスで出発する選手やVIPを見送ろうとする人々でごった返しています。
 近くを走る122号線では、ヒッチハイクをしようとしている人がたくさんいました。
 「危ないですから他でやってください」と警備員に止められています。
 表側、シャトルバス発着場は、100台くらいはあろうかというほどのすさまじい数の路線バスが発車待ちで並んでいます。その横にはあふれんばかりのサポーターの海。バスのドアが開くたびに少しずつ吸い込んでゆきます。
 接続する道路はバス専用道路と化し、「貸切」表示を出した国際興業や東武、西武の路線バスが20台くらいずつ束になってひっきりなしに行き交います。これは普段は決して見られない光景。その迫力には、ただ立ち尽くすしかありませんでした。

 やっぱり仕事を切り上げて浦和美園に来て良かった。それは一生に一度あるかないかの体験だから。

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