メゾン 道の果て

週観 道の果てから

2月28日

 生け花で季節を感じる話。

 会社のフロアの一角、休憩スペースのテーブルに時折生け花が飾られています。
 社内有志によるクラブ活動、華道部の人達が生けてくれるのですが、
 その季節に合った木や花がデザインされて飾られ、社員の目を楽しませてくれます。
 今は猫柳と梅が生けてあります。
 どちらも早春の花、室温26℃の常夏フロアの一角でも、だんだん暖かくなるこの季節を感じるのに十分です。

 小休憩のたびに、猫柳を観察していました。
 細くゆったりと、しなやかに曲がった枝からいくつも垂れ下がっている銀色の小さな尻尾。
 この尻尾の1つ1つが花ですが、本当に猫の尻尾のようで触り心地が良く、何度も指でつまんで楽しみます。
 ただ、花が本格的に開いてしまうと、今度は毛虫のように見えて気持ち悪いです。
 いや本当に動かない毛虫が枝にたかっているみたいです。
 役目を終えた花がテーブルに落ちたら、大騒ぎする輩がいるかもしれません。

 花が落ちた後からは、黄緑色の芽が吹き出します。
 芽のところどころに黒いアブラムシがたくさん付いていました。
 ほとんど動かないのは、一心不乱に芽の汁を吸っているからなのでしょう。
 テントウムシの2〜3匹を這わせたら、大御馳走になるかもしれません。
 でもそうなる前に枝が枯れて、可燃ゴミとして一緒に出されるのがオチですが....残念。

 ここ1週間で気温が上がってきました。
 前の晩によく寝たつもりでも昼間にどうしようもないくらいの睡魔が続いたり。
 春の足音は着実に近づいているのですね。
 次はどんな花木を生けてくれるのでしょうか。ひそかに楽しみにしています。


2月21日

 1月からマクドナルドの新メニュー「メガマック」が登場しています。
 結構大人気なようで、毎日個数を限定して発売するも、昼前には売り切れていました。
 それでも最近は1日当たりの発売個数も増えてきたようで、会社近くの店舗では最初1日30個だったのが70個に増え、昼休みでも手に入るようになりました。
 先日初めてこれを食べてみました。
 2枚重ね×2の4枚肉の感触、ジューシーさが実にたまりません。
 従来のビッグマックに比べて肉の枚数2倍なのに、「ハンバーガーを食べているぞ!!」感が従来比3倍。
 人気の高いのもうなずけます。

 そういえばハンバーガーパティを希望に応じて何枚でもオーダーできるチェーン店が以前ありましたね。
 お店の名前、何でしたっけ....
 そうです、「バーガーキング」でした。
 勤務先が東京駅日本橋口近くにあった頃、神田まで歩いてよくそこのバーガーキングに通っていました。
 パティのサイズそのものが大きく、これだけでも食べ応え十分でしたが、
 さらに別料金でパティを希望する枚数だけ挟めるというサービスがありました。
 お値段は忘れましたが、確か1枚100円くらいだったと思います。
 でも小心者の僕は結局実行できず、普通の2枚重ねのダブルバーガーで満足していました。

 先日気になって久しぶりに神田に立ち寄ってみました。
 その店は全く別の業態の店に変わっていました。
 あのバーガーキングはどこに行ったのだろう。
 ネットで調べてみたら、バーガーキングというチェーン自体、どうやら日本から撤退してしまったようです。至極残念。
 しかし、別の企業グループによって近く日本に再上陸するとのことです。
 大いに期待しています。今度こそ、メガマック以上のパティ6枚重ねをオーダーしてみたいです。
 それより、新バーガーキングが会社の近くにできるかがまず問題ではありますが。


2月16日

 前回の続きです。
 鹿島鉄道の終点、鉾田駅から徒歩にして15分離れた場所に、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の新鉾田駅があります。天気も良かったので歩いて移動しましたが、途中で2度3度交差点を曲がったり、曲がった先で道がカーブしたりして、地図がないと必ず道に迷います。新鉾田の高架駅が見えたときには、正直ほっとしました。
 大洗鹿島線は昭和60年に開業した比較的新しい路線です。それゆえに線形も良く、盛り土や高架・切り通しなどで線路はひたすらまっすぐ突き進みます。踏切は一か所もありません。
 次の停車駅は「北浦湖畔」。その名の通り、西日を浴びてきらきら輝く北浦が見えてきました。
 その先は一面のキャベツ畑、つい最近開拓されたような、一見別荘地のように見える小さな住宅街、そして松林。「荒野台」という駅名が示すように、かつては海岸に近い不毛地帯だったことがうかがえます。やがて広い貨物駅の構内に入ります。ここが鹿島サッカースタジアム臨時駅。本日は開催日ではないので列車は通過します。

鹿島神宮にて キハ6006

 鹿島神宮で鹿島線に乗り換えます。鹿島線は路線の大半が高架区間で、長い長い鉄橋を渡ったり、手前に水田地帯と彼方にコンビナート、後ろに碧く広がる霞ヶ浦の端と、他の路線にはない独特の風景が楽しめます。
 次の目的地、銚子に向かうには香取で成田線に乗り換えですが、接続が良くなかったので、1つ先の佐原まで行って下車しました。
 佐原駅から香取方向に歩いて数分のところに旧市街地があり、その真ん中を川が流れています。古い建物と柳並木のあるお堀、という取り合わせが風情いっぱい。いかにも水郷らしいシチュエーションです。お堀にかかる橋の欄干には飛び跳ねる鯉の像が飾ってあって、何ともユーモラスなこと。

 改めて成田線で銚子に向かいます。銚子では4分の接続で銚子電鉄の電車が待っています。そのまま銚子電鉄ホームに進むと、1両編成の車内は観光客でぎっしり。鉄道ファンばかりだった鹿島鉄道と客層が明らかに違います。立ち客多数の車内を、車掌がやや申し訳なさそうに進み、切符を売りに来ます。「弧廻手形」という1日乗車券を620円で買います。
 乗車した電車(1000形)は営団丸の内線方南町支線で走っていた元2000形ですが、変電所の能力が小さいのか思い切った加速ができず、非常にゆっくりとしたスピードで動き始めます。地下鉄時代のすばしっこい加速を期待しているとかなり拍子抜けさせられるのでご注意を。スピードも遅く、終点の外川まで6.4kmの距離を20分かけてのんびり走ります。途中駅の笠上黒生(かさがみくろはえ)で列車の行き違いがあります。本日のもう一方は801号、元伊予鉄100形でした。

外川にて  後方に貨車改造の展望車両、ユ101が見える。

 外川で下車後、歩いて1つ手前の犬吠まで戻ります。犬吠駅で「弧廻手形」を見せると、焼きたてのぬれ煎餅を1枚プレゼントされます。
 ご存知のように、銚子電鉄は前経営者の横領事件を発端として銀行の融資が停止され、電車の検査費用を捻出できなくなるほどの経営危機に直面しています。ホームページでぬれ煎餅購入を呼びかけ、ネットでの注文が殺到したおかげで初日の出のピーク輸送は何とか乗り切ることはできましたが、老朽設備の更新でまだお金が必要とのことで、犬吠駅の直営店でお土産をいくつか買い、微力ながらも経営を支援してみます。揚げせんべい1袋250円他を購入。
 さらに電車で観音まで移動。ここにも電鉄直営のたい焼き店があり、たい焼きを買い食いしながら、と思いきや何とまたしても売り切れ!!鉾田に続き、今日は何とたい焼き運の悪い日だったのでしょう(笑)。

 帰りは銚子駅前で海産物や名産ピーナッツなどのおつまみを買い込み、車内で小宴会に。こういうこともあろうと、宴会グッズ(紙コップ・紙皿・割り箸・コンビニでもらったお手拭き)を用意したのは正解でした。都内までの2時間、十分に酒盛りを楽しませていただきました。車だとそうは行かないですからね。また次回も列車で出かけましょう。


2月10日

 日曜日に、友人と2人で鹿島鉄道&銚子電鉄ツアーを決行しました。
 行きは上野から415系の快速(取手から普通)に乗ります。15両の長い編成ですが、この日はボックスシート付きの車両は2両しか入っていませんでした。白い車体に青い帯の415系は新型車両に交代して3月17日を最後に引退、廃車となる予定であり、今が乗車を楽しめる最後のチャンスです。(ステンレス通勤車両の415-1500系も上野口から撤退)
 また今回のツアーでは乗らなかったのですが、新型のE531系は1月から2階建てのグリーン車が連結されてきています。そのグリーン車が、やはり3月17日まで無料で開放されています。乗車券のみで2階席のリクライニングシートをゆったり楽しめます。
 さあどちらを取りますか。どちらに乗っても、今限りの貴重な体験ができること受け合い。

 土浦で友人と合流し、さらに先の石岡を目指します。上野からの長い道のりの途中で特急に2度も抜かれ、土浦では4両を切り離して11両となり、1時間と40分もかけてようやく石岡に着きます。

石岡にて クハ411-611

 鹿島鉄道は石岡を起点とする全長27.2kmのローカル私鉄です。運転本数はおよそ1時間に1本、宅地化の進んだ常陸小川までは1時間に約2本とローカル線にしては多い方ですが、利用客の減少が続いた上、航空自衛隊百里基地への燃料輸送が廃止されて経営が維持できなくなり、ついに路線自体を廃止することになりました。廃止予定日は3月31日です。
 石岡駅の鹿島鉄道ホームは昔の関東鉄道鉾田線時代のままの雰囲気が色濃く残っています。本日乗車した車両、キハ602は、元国鉄のキハ07 32で昭和12年生まれ、戦中戦後を通して何と70年も走り続けてきた超古参車です。もちろん現役では日本で最も古い気動車。座席は通勤仕様のロングシートに改造されましたが、油のしみこんだ木張りの床に、懐かしい匂いを感じます。
 廃止まであと2ヶ月というのにお別れ乗車の鉄道ファンで車内はほぼ満員の盛況。特に土曜休日は1,100円で全線乗り放題の切符が発売されるので、なおさら多くのファンが集まってきています。

石岡駅に集う車両達。
左からキハ602,KR-503,KR-501。
KR-500形は平成元年から導入された軽快気動車。
これ以外にも鹿島鉄道には特徴深い旧型気動車が在籍している。

 石岡を出た列車は緑の中を、丘を上り下りしながらまっすぐ進みます。常陸小川までの区間は近年になって作られた駅もいくつかあり、駅周辺は一戸建て団地が展開されています。古いディーゼル機関車が休んでいる常陸小川を過ぎ、桃浦駅が近づくと、右手に霞ヶ浦が広がります。鹿島鉄道で一番の見どころです。浜で霞ヶ浦とお別れして玉造町(たまつくりまち)へ。進路を南東向きから北東向きに変えて終点の鉾田を目指します。
 沿線は車で訪れた多くのファンがカメラやビデオを構えていました。中には線路ぎりぎりのところで撮影していて運転士に警笛を鳴らされたりも。それでもこの日は事故もなく定刻に終点の鉾田に着くことができました。所要約50分余り。
 鉾田駅の駅舎内には立ち食いそばのお店があり、ここで昼食とします。たい焼きも1個100円で売られていましたが、筆者が買おうとしていた目の前で売り切れてしまいました。路線が廃止になったら、このお店もどうなってしまうのでしょう。

 ↑鉾田駅にたたずむキハ602と、その車内。

 これから鹿島鉄道を訪問される方、2月24日以降の土曜休日は茨城県内のJR線各駅(常磐線は取手以北)で発売される「ときわ路パス」が便利です。2,000円で茨城県内のJR線や私鉄(つくばエクスプレス線を除く)が乗り放題です。帰りがけに大洗鹿島線を回って水戸方面に抜けるといった行程も組めます。ぜひご検討を。

 (次週に続く)

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