メゾン 道の果て

週観 道の果てから

5月31日

 会社で一緒に働いていた同僚(60歳)が、先週突然亡くなりました。

 休日に自転車で外出中に気を失って倒れた、という話で、脳溢血とか心臓発作とからしいです(詳しい話は聞けていませんが)。
 いつもは決まって時間通りに出社してくる彼が、始業時刻を1時間過ぎても会社に何の連絡もよこして来ない。
うちの部門ではよくあることですが、少々心配になってきたところに代表電話からの転送が部長に来て、常に冷静沈着な部長が、えっ!!と大きな声を挙げたので、何が起こったのか、緊急入院か何かか、と思っていたら、「突然の訃報」だったと。

 約1年前に、すぐ隣の担当グループから転入してきました。
 3月に当部門の老人達が仕事をしないか、覚えなくて困っている話を書いたことがあります。死者に鞭打つつもりではないのですが、彼もまた仕事を、それも単純作業を覚えられず、マニュアルに書かれていることを何度も繰り返したずねてきたり、作成した資料もところどころ間違っていたり。そんな彼を、紙に図を書いたり画面を指さしながら付きっきりで教えたり、時に叱ったりして指導しましたが、最後まで満足に覚えられないまま逝ってしまったのは残念でなりません。

 独身で既に両親もなく、葬式はお姉さん夫婦によって出されました。
 葬儀に参列し、会席で統括部の主力メンバーが揃って献杯。こんな場とはいえ、統括部のメンバーで酒を酌み交わすのは本当に久しぶりのことで、業務多忙にもかかわらず全員が仕切り直しの2次会に向かいました。盛り上がった2次会の席。亡くなった同僚の話題もなく、すっかり忘れられてしまっているのを、彼は天国でどう見てくれているのでしょうか。


5月27日

 3週間前に、東京駅八重洲口にある全国の土産物を並べている店について書いたばかりですが、
 全国の名品がワンストップで手に入る、と喜んでいたところに、とんでもない新情報が。
 僕もいつも見ている日本テレビ系列の「秘密のケンミンSHOW」が、期間限定で上野駅構内に店を出している、というのです。
 放送翌日の金曜夜、会社帰りに早速出かけてきました。
 販売されているのは、「秘密のごちそう」コーナーなどで取り上げられたご当地食品十数種。
 その気になるラインナップは..
 北海道北見市の「ハッカ樹氷」、青森県のいちご煮缶詰、富山県の昆布巻きかまぼこ、静岡県のカレー味ラムネ、広島県の激辛つけ麺、香川県のしょうゆ豆など。普通の土産物とは一風も二風も変わった、土着の食品達です。
 さらに調子に乗ってか、番組でも紹介されていない「わさびラムネ」「お茶ラムネ」(静岡県)なども並べられています。
 うわー食べてみたい!!と思わせるに十分なほど、どれも魅惑の品物。お金があったら際限なく買い込んでしまうのを必死にこらえ、セレクトしてみたのが下の品々です。

 写真右上から、
 ・いか寿し(青森県,714円)。一見北海道の「いかめし」に見えますが、「寿し」を名乗っているくせに中身にご飯が入っておらず、キャベツなどの野菜が詰まっています。サラダ感覚、ご飯のおかずにはぴったり。
 ・めしどろぼ漬(岐阜県,368円)。高山市の食品会社が販売している、漬物のカテゴリーに属する商品ですが、その名の通り、ご飯がどんどん進みます。赤漬のように見えて酸っぱさやきつさがないせいでしょうか。
 ・吉田うどんロール(山梨県,735円)。富士吉田に「讃岐うどんの2倍のコシ」「歯でかみ切れない」と評判の強力なうどんがあると聞き、思わず買ってきました。写真の商品は平たく延ばされた生地を巻いてロール状にしてパックされています。これを約5mm間隔の太さで切って、15分ゆでます。お味はというと、讃岐よりもコシが強いというか、固いというか。甲府のほうとうにも通ずるものがあります。
 ・ふるさとレモン(広島県,194円)。地元特産のレモンを使って作られたレモネード粉末。6パック入りで、1杯当たり32円の計算です。レモンのきつさは全くなく、とっても素直に飲める清涼飲料水。ホットやアイスだけでなく、焼酎割りとかでもいけるかも。

 出店の名前は「秘密のケンミン館」。5月19日から31日まで、上野駅中央連絡通路(7〜8番ホームの上付近)で開催中です。
 興味のある方はぜひ行ってみてください。
 しかし出店の場所が新橋や新宿とかではなく、上野駅というのが渋い選択ですね。上野といえば、ふるさとの訛(以下略)


5月17日

 毎朝の通勤電車で通りがかる松原団地。
 造成から50年もの年月が流れ、外見からも老朽化が明らかに目に付くようになりましたが、
 その一角で建物解体作業が始まりました。

 今回解体の対象となった区画は、昨年秋までに住人がほぼ立ち退きました。
 人っ子一人いないゴーストタウンと化した一角は草木が伸び放題、4階建てのてっぺんの高さまでに成長したビワの木は実がびっしりと付きながら誰も取らないという様相で、不気味さを漂わせていました。
 冬を越し、春になって解体の準備が始まりました。
 まず周囲に高い防護壁が立てられ、次に各部屋の窓ガラスが外されました。窓ガラスが外されたことで、一層の悲壮感が肌で感じられます。
 そして連休の辺りから、解体作業が本格化しました。
 最近の解体のセオリー通り、重機を怪獣のように動かして派手に壊していきます。1棟が2〜3日のペースでしょう。
 写真を撮影した日は工事が休みでしたが、鉄筋の建物が見事に瓦礫となっています。
 その瓦礫の上を、猫が悠然と歩いていました。作業員のいない現場は、動物の遊び場には格好の場所のようです。

 解体された後の土地には、また新しく団地が建つ予定です。要するに古い建物の建て替え、ということですね。
 写真左後方にやや高い建物が写っていますが、この区画も古い建物を取り壊し、10階建ての新しいマンションを建てて昨年から入居が開始されました。今回のここにも同じような高層マンションが建てられます。
 半世紀の歴史を刻んできた団地も、建て替えで大きくイメージを一新して、また新しい時代を作っていくことでしょう。


5月10日

 今年も大型連休が過ぎましたが、どのように過ごしましたか。
 世界的な不況や新型豚インフルエンザ、そして高速道路週末1000円乗り放題の影響が出て、近場のスポットに人気が集まったようですが..。
 我が家でも遠出はせず、日帰りで回れる茨城・栃木県の観光地を車で回ります。

 草加市内にある自宅を出て、裏道を吉川市〜梅郷駅と経由して茨城県へ。水海道からは県道を北上します。
 最初に訪れたのは、筑波山の北、岩瀬の南5kmほどの場所にある雨引観音。
 うちの親が、子宝に恵まれる、と盛んにすすめていたので、まずここに立ち寄ります。
 しかし遠いこと。自宅からここまで来るのに90km、約2時間半の道のりです。
 最寄りに高速どころか国道もなく、鉄道も20年以上前に廃止された辺鄙な場所。静かな環境でお参りできるだろう、と思って参道を登ってみると、そこには思ったよりもたくさんの参拝客の姿が。ツアー客集団も見かけ、意外なにぎわいにびっくりします。

 境内にはクジャクが放し飼いにされ、時折、キーキーと大きな声をあげて存在を示しています。羽根を広げはしませんが、青い体が実に美しく見とれてしまいます。

 雨引観音からさらに20km余り北へ車を走らせると、焼き物で有名な益子町があります。
 連休中はちょうど陶器市の開催期間で、知らずに行ってみたら町内随所で渋滞発生。
 岩瀬から益子町の中心に入るまではほとんどノンストップで来れたのに..でもせっかくここまで来たので、車を止めて陶器市を見物しに行きました。
 窯元共販センターと、周辺の街道数百メートルに渡ってテントが並び、数多くの陶器が並べられていました。
 陶器のコップやジョッキなど、これでビールとか飲んだらおいしいだろうな、と思わせるものも多かったですが、自宅や実家に使っていない食器類がたくさんあることを思い出し、見るだけにしておきます。 

 さらに国道を北に、烏山方面へと走らせます。烏山線をくぐる手前の交差点で左折し、西に1kmほどのところにあるのが「龍門の滝」。
 落差は10数メートルくらいですが、水が豪快に落ちていく様は圧巻です。滝壺は常に細かい水しぶきで湿っています。
 滝の後ろを烏山線が走っていて、1時間に2回、列車との絡みが楽しめます。もちろん鉄道でのアクセスも便利で、そのものずばり、(下野)滝駅から歩いてすぐです。

 国道294号に「芝桜イベント」と書かれた立て看板があり、気になって帰りがけに立ち寄りました。来た道を戻り、R294の向田丁字路から県道64号を西に走らせ約5kmの場所に、「市貝町芝ざくら公園」がありました。つい最近造成されたばかりの公園で、道理でロードマップにも載っていない訳です。
 「本州最大級 総面積2.2ヘクタール」の触れ込み通り、園内は大変広々としていました。
 標高が少し高いせいか、去年行った館林よりも花が元気に咲いていて、まさにピンクのじゅうたんでした。

益子陶器市の戦利品です。
卓上用花瓶(1,000円)
カエルとタヌキの置物(各840円→670円)

5月4日

 先日東京駅に用事があって立ち寄ったとき、八重洲口地下にある「東京駅名店街」に、全国のお土産を一同に並べて販売しているお店を見つけました。
 扱っている商品は食品中心ですが、今話題の北海道の生キャラメルとか、九州各県のラーメンとかはもちろんのこと、埼玉や神奈川といった隣接県のお菓子に至るまでもきちんと置いてあります。 ちなみに埼玉県は草加せんべい、熊谷の五家宝などを置いてありました。
 各地に旅行しなくとも、東京駅のこの店で全国の土産が手に入ってしまうのですから、便利になったものですね。
 また地方出身者にとっては自分の生まれ育った土地の食べ物が東京駅で手に入るということですから、まさに涙ものではありませんか。
 変わったところでは「おっぱいプリン」のコーナーがありました。
 パッケージこそ土地の名前を冠して「仙台おっぱいプリン」「横浜おっぱいプリン」「大阪..」などという名で売っていますが、実は販売メーカーは全国どのパッケージも一緒でした。同じ会社名で、住所だけそれぞれの県庁所在地にして売っているというやり方。
 このコーナーを見て「だまされた」と気付いた人も多いかもしれません。

 同じようにキャラメルも全国のご当地品を集め、1つのコーナーを作っていました。
 というものの実際は8割以上が北海道のお土産。
 今回はその中でも特に変わった4種類をセレクトしてみました。

 左から「まりもっこり」のメロンソーダ味、知床のしそ味、塩ラーメン味、スープカレー味。
 右に行くほどあり得ない組み合わせになっていくようで。
 まずメロンソーダ味は、炭酸が表現されているのかなと思いつつ口にすると、炭酸やサイダーの感覚はなく、夕張メロンと炭酸の抜けた清涼ラムネを足して2で割ったような味がしましたが、悪くはないと思います。
 次にしそ味。さすがに甘いキャラメルに少し酸っぱさのあるしそは向いてなく、ちょっと、という感じです。
 次はいよいよ塩ラーメン味です。これは強烈でした。昔食べてほき出した「ジンギスカンキャラメル」といい勝負。
 白いミルクキャラメルに袋入りラーメンの素を混ぜて作ったらこうなった、という代物。勇気のある方と罰ゲームのネタとしてのみおすすめします(笑)。
 さらに変わり者だったのがスープカレー味。これもキャラメルの甘みを残しながらスパイスとカレーの香りを乗せてしまったので、何だかなあという食物になってしまいました。
 キャラメルの甘みさえ消せれば、ジンギスカンでも塩ラーメンでもスープカレーでもありだと思うんです。しかしキャラメルそのものが糖類の固まりである以上、これらは永遠に人間にとって受け入れられない組み合わせになるでしょう。それでも強引に商品化しようとするメーカーの真意が知りたいですねえ。

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