山手線の6ドア車ほどはかない命ではありませんが、こちらも早すぎる引退劇。
「N'EX」253系が後継の新型車輌に道を譲り、30日を最後に営業運転から撤退します。
デビューは19年前の平成3年春。成田空港新駅が開業するのを機に導入されました。
やや台形かかったボディに赤と白と黒の大胆な色使い。黒を基調とした内装は鉄道車輌というより若者向けのスポーツカーを連想させ、そのカッコ良さに、国鉄も民営化すればここまで変わるものなのか、とひたすら感嘆した覚えがあります。
大学に通っていた頃、新宿駅を通るたびにいつも「N'EX」がたたずんでいました。3両編成は特急としては短い編成でしたが、その短さがかえってスポーツカーらしく見えたものです。
しかし、成田空港に縁のない僕にとって、空港行きの特急電車にも当然縁がなく、結局最後まで1度も乗らずじまいになりそうです。
3年前、ただ1度の海外旅行に行ったときも、行きは<スカイライナー>帰りはバスでしたし。あのとき「N'EX」に乗っておかなかったことが、今になって悔やまれます。
先週、東京駅地下ホームに立ち寄り、<成田エクスプレス>の連結を見てきました。
まず横浜方面発の列車が先に到着し、地下4番ホームの前方に停車します。
約3〜4分後、今度は新宿方面発の編成が地下4番線に入り、2回に分けてゆっくり接近。衝撃もなくソフトに連結されます。
こうした連結、切り離しシーンがそれぞれ30分おき、1時間に4回繰り返し展開されます。今は新型車輌(E259系)への交代途上にあり、253系同士、E259系同士という2種類の連結、切り離しが楽しめます。
デビューから19年ともなるとさすがに疲れが見えてくるようで、車体外板が細かく波打っていたり、塗装が剥げ落ちていたりといった部分が目に付きます。連日130km/h運転を続ける過酷さが、少し寿命を縮めた感がします。しかし先輩格の国鉄形特急電車が製造から35年を経てまだ元気いっぱいに走っている車輌があるというのに、それを差し置いて先に落命した編成も出てしまっているのは残念なことです。
253系のデザインは、現在でも「最新鋭の車輌」として十分に通用すると思います。そんな斬新な、カッコ良い、253系N'EXが廃車になるなど信じたくないです。
運用撤退後の253系は、製造の新しい2編成が東武直通特急に転身見込み、また3連2本が長野県のローカル私鉄で特急列車として再活躍する約束になっていますが、それ以外の大多数の運命は..。団体用とか、どこかで再登板してくれることを祈りたいです。
今のうちに乗っておきたい、山手線の6扉車。
平成13年に登場し、山手線の新しい顔としてすっかりなじんできたE231系ですが、各編成とも6つドアの車輌(サハE230形)が7号車と10号車の位置に連結されています。
しかしこの6扉車が早々に、あと1年で姿を消そうとしています。
そのきっかけとなったのが、山手線全駅へのホームドアの導入。
6扉車用ホームドアは前例がなく、停車位置が少しずれた場合に対処がしにくいこと、「湘南新宿ライン」や副都心線などの並行快速路線が相次いで開業,開設され山手線の混雑が緩和されつつあることなどを理由に、ホームドアはすべて4扉タイプで統一し、6扉車の運用を廃止することになりました。
現在運用している6扉車の位置には4扉の車輌を新製導入し、6扉車は廃車、とするそうです。
既に一部の編成には新しい4扉車が入り、運行を開始しています。
それにしてもJR東日本は本当にもったいないことをしています。まだ新しい車輌を、たった7〜9年で惜しげもなく廃車にするのですから。
先日引退した京浜東北線の209系ですら10年以上は使っていました。
他の路線に目を向ければ、同型の4扉中間車が中央総武緩行線や常磐線、東海道線、東北・高崎線などにたくさん走っています。これらの路線の4扉車と山手線の6扉車を差し替える、という発想はできなかったのでしょうか。6扉にすることで混雑緩和になるでしょうし、座席定員が少なくなるというのであれば2枚を完全に締め切って座席を取り付けるというのもありだったと思います。まあ会社の決定事項なので、外部の者がとやかく言えるものではありませんが。
以前、山手線を通勤で利用していたときには、6扉車の位置でもよく乗り降りしていました。とにかく乗降がスムーズで、奥に押し込まれてもドアまでの距離が短かったので愛用していました。
今後来年夏までに、52編成すべての6扉車を、4扉車に取り替えていきます。単純計算で週1編成程度のペースです。来年になると乗車できる機会は相当減ってくるので、記録は今のうちに。
写真2枚は18日、大崎駅にて。平日は夕方15時台後半から16時台前半にかけて内外回り合計6本の始発電車があり、発車待ちの車内を撮影することもできます。
前回のカラスに続き、今回は鳩です。
鳩といっても、先日辞職した総理大臣とは何の関係もありませんが(笑)。
都心部から郊外に至るまで、鳩はどこでも見かけます。
新橋駅前とか、人があれだけ行き交っているのに恐れることなく飛んできますし、
ゆりかもめ線のコンコース内をうろうろしていることもしばしば。
銀座の裏通りとかでは、朝からゴミ収集しているところにやってきておこぼれを一所懸命拾っています。
夏場ではエアコン室外機から垂れてくる排水を、首を伸ばしておいしそうに飲んでいたり。
朝ラッシュの北千住駅の雑踏の中にも、鳩は平然とたたずんでいます。
そういえば地元の駅の改札内でもうろちょろしてましたな。
あるとき、御茶ノ水近辺の路地裏を歩いていると、
道路脇に4羽の鳩が何やら忙しそうに地面をつついている姿が。
よく見ると..何と、道端に撒かれた下呂を集団で漁っているではありませんか!!
鳩にとって、下呂はこの上ないごちそうのようです。食生活に関しては、カラスとよく似て何でも食べるようで。
前の事務所があった大手町のビルには、ひさしに鳩が集団でたかって休憩している姿がよく見られました。
仕事の息抜きに鳩を観察するのが小さな日課になっていましたが、
ある日突然、鳩の姿を全く見かけなくなりました。
何でだろうと思っていたら、ひさしの上に何やら細い釣り糸様の線が張り巡らされている。
最初は電線か何か?にしては細い、と思っていましたが、これが鳩よけらしいです。
電線のような太いケーブルには鳩は止まれますが、細い線だと足下が不安定になるのでしょう。
鳩よけ線が張られる前は、ひさしの上は鳩の糞でかなり白くなっていましたが、張られてからは確かにきれいになっています。
鳩って独特の動きをしますよね。
一歩一歩歩むごとに常に首をとんとんと前に動かす。
止まっているときも、地面の食べ物を拾っているときも、常に頭を左右に動かしている。
カラスと比べると、やっぱりカラスの方が頭を動かす回数が少ない。だからカラスは頭が良いのでしょうか。
この独特の動きを人間がマスターできたら、恐らく強力な宴会芸ができると思います。
「一歩一歩歩むごとに常に首をとんとんと前に動かす」
簡単そうに見えるこの動作が、実はかなり難しいです。
足はひざを曲げずにまっすぐ伸ばす(鳩の足にひざはないから)。一歩一歩はかなり速いスピードで。
しかし一歩一歩速く歩けても、今度は首がついてゆけない。
鏡の前で演じてみても、鳩の姿には似てもいないし。
鳩マスターへの道のりはほど遠いです。かなり過激に体を動かすので、ダイエットにはなりますが..。
カラスの勝手でしょ、という歌がはやった時期もありましたが。
スズメや鳩と並んで、身近にいる鳥の代表格でもあるカラス。
今住んでいる町でももちろん、カラスは日常的に見かけます。
朝はカラスの鳴き声で起こされ、
出勤途中ではゴミ置き場でゴミ袋を破って中身をむさぼっているカラスの脇を通り、
(この前なんか酔っぱらいが撒き散らした下呂をついばんでいました..何でも喰うんですね)
そして電線の上からにらまれ、糞爆弾の恐怖におびえながら(?)飲み屋街を通過する毎日です。
カラスの鳴き声にも種類があるようで。
朝方うとうとしていると、外から甲高い声で
「アッアッアッアッアッアッアッアッアッ」
聞き慣れない鳴き声。一体何の鳥が鳴いているのだろう。そのときは不思議でした。
何回かその声を聞いているうち、ある法則に突き当たりました。
その鳴き声の直前に、必ずといっていいほど
「ア゛ー、 ア゛ー」
と低いカラスの鳴き声が聞こえるのです。
ネットで調べると、どちらも警戒状態で発する声らしいです。
カラスの敵などいなさそうなのに、早朝から何を警戒しているのでしょう。
新居が完成してからしばらくの間は、その屋根がカラスの寝床となっていました。
どうやら新居の3色混ぜ葺き瓦の色彩が、カラスの強い興味をひいたようで。
新居に自分よりも先に住み着き、我が物顔で屋根を占拠していました。
ある日の夜明け、
「ア゛ー、 ア゛ー」
ものすごく近い場所からカラスの叫び声が。
寝室すぐ脇の屋根の上にいたのでしょうか。
そして次の瞬間。
コン!!ドスッ、ゴスッ、ドスッ、ゴン、
何が起こったのだ。慌てて飛び起きると、
1羽のカラスが明かり取りの小窓に繰り返し体当たりしている。
巣箱のように出入りできる穴があると勘違いしたのでしょうか。
外に向かってにらみ付けると、カラスはこちらも慌てたかのように飛び去っていきました。
その後、カラスも学習したのか、幸いにもこのようなことは起きていません。
新居の屋根にも来ることがなくなって、ほんの少し寂しかったりもします。
産業廃棄物処理場の上空を何十羽という集団で飛び回っているのを見たときは恐怖心を感じましたが、
町にやってくるカラスを観察していると、どこか人間的な一面もあって面白いです。
カラス退治とか勝手とかいう前に、まずカラスの生態を知ることも大切なのでは、と思いました。