メゾン 道の果て

9月29日

 今年の夏も暑かったですが、彼岸を境に、急に涼しくなりました。

 先週水曜日、台風15号が東海から関東にかけて上陸し、東京近辺も一時猛烈な嵐に見舞われました。
 この日は15:00過ぎに退社指示が出され、社員達はぞろぞろと仕事を切り上げて帰宅してゆきました。
 交通機関がこの先どうなるか分からないので、とにかく動ける場所まで地下鉄で移動しました。この時点ではいつも利用している日比谷線が動いていたので、まず北千住まで移動しました。
 北千住で降りると、ホームは電車を待つ乗客であふれ返っていました。この先東武線は運転を見合わせているとのこと。しかし理由が台風ではなく人身事故!こんな嵐の日にわざわざ飛び込んだりするか!?と思いつつ運転再開を待ちます。
 程なく運転が再開されました。しかしその後も回送、特急車両の回送、区間快速(春日部まで止まらない)と3本待たされ、15分後にようやく次の急行にありついたときにはすし詰めの大混雑。それでも夕方早い時間に帰宅できたのは幸いでした。自宅最寄り駅に着いてから横殴りの雨の洗礼を受けましたが。
 他のJR線や私鉄各線は強風で止められた路線が多く、帰宅難民になった社員も少なくなかったようです。常磐線も早い時間から運転見合わせとなり入場規制がかかって構内に震災以来の大行列ができていました。

 翌日は風も収まり、台風一過の秋晴れとなりました。会社業務も通常通りです。
 以前も書いた会社近くの庭園では、蝉をはじめとする昆虫の死骸が移動することなくたたずんでいました。
 地表の草むらでは風の影響をほとんど受けないようです。
 ただ雨水は容赦なく流れ込んでくるので、蟻達は巣穴周辺に砂粒を積み上げてガードしていました。
 蟻の小さな頭にも、生き延びる知恵と工夫が見られます。
 これから秋本番にかけて、昆虫の死骸がどのようになってゆくか、観察を続けてみます。
 蟻が持って帰るのか、それとも地表に残されたまま冬を越すのか..。


9月23日

 久しぶりに、仕事周りの話を書きます。
 前回この話題で書いたのは、もう2年も前のことだったと思います。
 あれから組織の改訂で人の出入りが何度かあり、生産平準化運動についても経験豊富な新担当者の転入でスムーズな引き継ぎが行なわれました。昨年4月には上司も交代しました。新しい上司は明るく楽しい人柄で、チームを雰囲気良く盛り上げてくれる存在です。
 しかし、その一方で頼りにしていた良き同僚が別の担当部門に移ったりし、そのたびに残った主力メンバーに仕事が集中します。一時期別の部門からリーダークラスの担当がもう1人転入して多忙な業務を処理していましたが、7月に元いた部署に出戻りとなってしまいました。以前は10人いた部門メンバーも、今や5人で回している状況です。別の言い回しをすればそれだけ効率化ができたともいえますが。

 人数が減ったとはいえ、以前も書いたいわゆる戦力外のシニアメンバーは転用がきかないからか、多くがそのまま残されています。それでも1人は他部門に転出し、1人は(やる気だけはあるので)転出したリーダークラスの仕事を依頼していますが、なかなか覚えられず毎日のように残業を繰り返しています。
 昨年秋から事務部門にもトヨタ流の自律改善活動が導入されることになり、担当者間で活発な意見が交わされるよう、本部方針により上司抜きでミーティングをするようにしました。ただ彼らは正直コミュニケーション能力もかなり難ありなので、まずは「全員参加」「明るく楽しく」という、レベルの低い目標を設定しつつこれを全員が達成することに主眼を置きました。そして時あるごとに内外のセミナーや自分の経験から学んだコミニュケーション術を彼らに話をして気付かせるように努めました。1年経過し、導入以前よりは担当者間での会話が交わされるようなり、それまで会話すらなかったりいがみ合っていた状態からは改善されました。ただし会話といっても井戸端会議の延長のような状態に過ぎず、「参加者の皆を盛り上げる」「仕事に結びつける」部分ではまだ不足が大きく、次の課題になっています。

 今週、その1人が定年退職しました。
 10年以上前にその人と一緒に仕事をしたことがありますが、各営業担当の席を歩いて回り、担当者と話をしながら数字の情報を集めていました。当時は責任を持って自分の仕事をこなす人という印象でしたが、それがいつから大きく変わってしまったのか。
 5年前に現在の組織になったとき彼が連れてこられました。最初は数字のご意見番という役割を期待されていましたが、当時の上司やチームリーダーと意見がすれ違うようになり、酒におぼれたせいかやがて会社を休みがちになってきました。3年前に健康状態不良で強制入院となり、数ヶ月後元気になって退院したと思ったら今度は部内ミーティングで大声を出して暴れたり、新しい仕事を任せようとしても拒否したり、統括部内で最も先輩格でありながら部門きっての問題社員になっていました。そのせいもあって最近では仕事も干されていて、他の部署に長電話しては年下の上司に注意されている状況でした。
 定年間際の定期健康診断で異常が見つかり細かい検査が必要ということで病院通いとなって、退職当日も朝早く出勤したあとすぐに病院へ直行しました。普通退職の前には慰労の宴とかも開かれるのですが、彼の場合はお酒を止められていることもあって、セレモニーも何もない寂しい定年退職となってしまいました。部門にとって悩みの種が1つ減ったことは確かなようですが。


9月15日

 高校時代の仲間と3人で、この春開館したJR東海「リニア・鉄道館」を見に行ってきました。

 土曜日の朝7時台東京発の新幹線で名古屋へ。名古屋臨海高速鉄道あおなみ線に乗り換え、終点の金城ふ頭駅で下車します。
 時計はちょうど開場時刻の10:00となり、たくさんの来場者が次々館内に吸い込まれていきます。

 館内の展示については公式サイトが詳しいのでこちらをご覧いただくこととして、
 ここでは筆者的に気になったポイントとショットを。

エントランスはC62形蒸気機関車、新幹線955形試験車「300X」(写真)、リニア試験車MLX01-1が並べられ、黒い空間の中でスポットライトを浴びて象徴的な展示がなされています。バックにはテーマ映像が流され、ドラマチックな演出です。
最後方に並べられた収蔵車群を除き、展示車の車内にも入れます。座席に座らないよう指示されているのが残念ですが(「ドクターイエロー」は着席可)、それぞれの車輌が現役だった頃の良き時代をしのぶことができます。
 写真は2両ある300系新幹線のうち試作車、322-9001。量産車と比べて座席の形が角張っているのが相違点です。
展示車輌を後ろから見られるのも博物館ならでは。特にここでは新幹線車両の妻面を比較することができます。100系新幹線2階建て食堂車168形(右側)の背の高さ、0系や100系と比べて格段に低くなった300系の屋根高さを実感できます。

・館内随所に300系新幹線廃車発生品のグリーン車座席が休憩椅子として並べられ、至福のひとときを過ごすことができるのがうれしいです。
・HOゲージのジオラマは人気が高く、近くで見るのには常に20分待ちの盛況。
・新幹線/在来線運転シミュレーターの映像はともにCGで作成された架空の路線ですが、出来映えに思わず見入ってしまいます。映像を見るだけならば運転予約は必要ないので、繰り返し眺めていました。
・願わくば後方収蔵車群を、期間を限定して交代で引っぱり出して欲しい。個人的にはサロ165やキハ82、オロネ10の車内が見たいところ。

 13:00には退場して電車で名古屋駅に戻り、セントラルタワーズのお店で味噌煮込みうどんをいただきます。残暑の厳しい日に熱々味噌煮込みうどんというのも..ですが、ビールのジョッキ片手に汗をかきながら愉しみます。
 その後は一旦解散し、再集合時間までそれぞれ自由行動とします。地下鉄鶴舞線で(名古屋)赤池まで向かい、名古屋市交通局「レトロでんしゃ館」に行ってみました。レトロでんしゃ館は、昭和49年までに全線が廃止された名古屋市電の車輌3組(4車体)、そして地下鉄東山線最初の車輌100形2両が大切に保存されています。入場無料。車内にも入れ、運転台のマスコンを触れることもできるので、親子連れには格好の休憩スポットとなっています。

 16:00閉館と同時に辞して、残り時間は鶴舞線の全線踏破、さらに上小田井周辺で地下鉄や名鉄電車の乗り比べをしてみました。名鉄電車は以前からいた赤い電車に加わり、ステンレス通勤形車輌や「ミュースカイ」など白い特急形車輌が行き交い、新たな混沌の時代を迎えています。旧型車もパノラマカーも赤一色に塗って雑多に連結して走っていたかつての名鉄の印象は薄れつつあります。
 19:30、名古屋駅で3人が再び集まり、新幹線で帰途につきます。名物弁当を肴に、今日1日の収穫を振り返りました。


9月9日

 先週妻の車を運転した感想を書いた矢先ですが、その車も新車に取り替えることで検討を進めています。

 今までは普通車に乗っていましたが、今回は軽自動車を考えています。
 普通車よりも税金や維持費用が安く、車種にもよりますが燃費も普通車より良くなっています。
 遠出することも少なくなり、高速もたまに乗る程度。若い頃と違ってスピードや高性能も求めなくなってきました。
 妻は、狭い自宅の庭に止めるのには小回りの利く軽が使いやすいと云っています。 

 普通車よりも車体は小さくなりますが、その中でも車内が広くとれるワゴンタイプ、スズキパレットとダイハツタントを候補とし、先週末に販売店をいくつか回ってみました。
 どちらも販売価格は大差ないようですが、同じグレードではパレットの方が装備が充実しています。インテリアの配色もまたお気に入りです。一方のタントは横幅がパレットより広く、その分の室内空間のゆとりが感じられます。エントリーモデルでは本体価格が最も安いのもポイント。
 それぞれ立ち寄った店で、見積もりを出してもらいます。同じ系列の販社でも、店によって見積価格が違ってきます。あるスズキの店では上期末キャンペーンで15万円値引きの見積を提示してきました。新車はどこの系列店でも全国一律だと思っていた僕にとって、目からうろこの経験です。その店は10年前にも妻がエリオを購入したところで、車検などではいつもお世話になっていて、他店がよほどの値引きをしてこない限り、この店のパレットに行く流れです。が、少々高いとはいえタントも気になるし。

 新車が導入されると、エリオは引退となります。まだ10年しか乗っておらず、走行距離も相当短いですが、下取り価格もほとんど付かないとのこと。一応新車を購入した店で下取り扱いで引き取ってくれるそうですが、あまり活躍できぬままの引退は心残りでもあります。納車までの短い間に、またお別れ運転を企画することになるでしょう。今度はどこに出かけようか。

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