メゾン 道の果て

6月25日

 スカイツリー開業を機に、東武100系「スペーシア」のリニューアルが進められています。
 リニューアルで登場した3種類の新色は、「今日は何色が来るか?」というわくわく感とともに新しい電車ウオッチングの楽しみ方を提供してくれます。
 本日現在、全9編成のうち5編成の改装工事が完了して運用に入っており、全体の過半数まで勢力が拡大しました。
 ということは言い換えると、未施工編成を見かける機会がぐんと少なくなってきた、ということです。
 沿線住民でありながら今までスペーシアに乗ったことは独身時代のスキー帰りに1回しかありません。それだけ実は縁の遠い車輌でしたが、リニューアル後の車輌にはこれから何度かお世話になることはあっても、オリジナルの姿を見られるのは今のうち。まして乗車とあらば、今こそ乗っておかないと後々後悔することになるだろう。
 そこで思い立って、未改装の車輌運用を探し出し、北千住から春日部まで1区間を乗ってみました。

 運用をネットで調べてみると、浅草発着の系統では閑散期は6編成、繁忙期は7編成が使用されていて、それぞれ6日間,7日間で一巡するスケジュールを組んでいるようです。他に新宿発着に1編成が毎日固定で運用、残りは検査休み。夏休み期間までは閑散期なので2編成がお休み、ということが分かってきました。
 次に時刻表から自宅最寄り駅の通過時刻を割り出し、何時何分に通過する編成が何色かを調べます。自宅の部屋から一瞬だけ電車が通過するのが見える区間があり、時々首を出して調べた結果、本日の運用は青色が1本、紫色が2本、新オレンジ色が1本、オリジナルが2本ということが分かりました。オリジナル車が次に浅草にやってくる時刻を調べ、これに合わせて北千住まで出向きます。

 夕方、北千住駅の1番線特急ホームに入って待ちます。果たして予定通り、未改装の編成がやって来ました。106-1編成。前頭部にはスカイツリー開業を記念した丸いステッカーが付けられています。これもまた残しておくべき姿。
 オリジナルの内装は青みがかったグレー基調で、大理石をイメージした白い壁、金の縁取りと相まって落ち着いた大人の空間を演出しています。リニューアル後は座席の色がコバルトブルーに変わりこちらも個人的に好みですが、オリジナルの方は確実に姿を消すので、座席に腰掛けてインテリアの色彩をこの目に焼き付けておきます。
 夕方の下りは浅草見物帰りか結構利用客がいるようで座席はほぼ埋まっていました。最後部車の個室も6室あるうち半分が使われていました。4両目にあるカウンターは営業休止中のようでカーテンが閉められているのは残念。
 自宅最寄り駅をあっという間に通過し、下車駅の春日部はもうすぐ。わずか20分ほどのショートトリップを、500円の特急料金で楽しみました。


6月20日

 他の合唱団の演奏会をお手伝いに行った話。

 親愛なる大学時代の後輩から、自分の所属する合唱団が6月に定期演奏会を開催するという案内がありました。
 その会場は川口市内。自宅から一応自転車でも行ける絶好のロケーションです。
 ぜひ見に行きたいと返事をしたところ、これに加えて、
 「演奏会のビデオ撮影をお願いできないか」との依頼も舞い込んできました。
 僕自身、所属していた大学合唱団の定演ビデオ撮影を毎年続けており、その実績があっての起用となったのでしょうが、他の団体の演奏会を担当するのは大学のギターアンサンブル団体のとき以来10年ぶりくらいのこと。どんな曲を演奏するのか、ステージ進行は..などと軽い不安がありましたが、そこに後輩から「ゲネプロ(通しリハーサル)に顔を出してみませんか」とのお誘いがありました。
 ゲネプロは本番1週間前に、東京都内の地区集会所で行なわれました。団の規模は約40人ほど。練習の雰囲気も明るく楽しく進められていました。ステージは4つに分かれ、混声合唱団でありながら男声曲、女声曲で各1ステージを設けているのがユニークです。アンコールを含めて全19曲をビデオ撮影。一旦自宅に持ち帰って再生し、各曲のどの部分でどこにズームを合わせるかを考えてカメラワークシートを作成します。この辺りは大学合唱団のときとおなじノリで進めました。

 本番当日、開演2時間前の14:00に会場入りします。今回は打ち上げのお誘いも入ったので自転車ではなくバスで会場に向かいました。
 会場は前後に広く、会場全体を入れたダイナミックな引きも期待できます。
 セットアップと調整を終えると本番直前まで時間が空くのでロビー辺りをうろついていると、大学合唱団時代の先輩をお見かけしました。
 実は2年前、この合唱団の演奏会を見に行ったときに先輩と再会しました。当時お互いにまさかこの場で出会うとは思わなかったので超びっくり。先輩はここの合唱団員となっている会社仲間の応援で来られたそうですが、図らずも先輩と僕と、冒頭に出た後輩、さらにこの演奏会を見に来た大学合唱団の当時の現役生まで4世代が20年の時代をまたいで一気に結びつきました。今回も再会することができ、撮影席となる最後部列に座ってしばしの合唱談義。
 程なく演奏開始時間になりました。作成したワークシートを見ながらその手順通りにズームやパーンの操作をします。ある程度慣れてきたとはいえ秒単位の気を使う操作も多く、アンコール、ロビーコールまで無事撮影完了したときは、とにかく終わったという気持ちでいっぱいでした。今回はほぼ思い通りに仕上げることができたかな、と自分では思っていますが..。評価はこの合唱団にしていただくことにします。

 打ち上げ会にもお邪魔させていただきました。川口駅近くの、ジャズが似合いそうな雰囲気の居酒屋を借り切り開催されました。団員さんは皆明るく気さくで、とにかく積極的に動き盛り上げようとしているところに好感を持ちました。こちらも調子に乗って「一言インタビュー」と称してビデオカメラを回し続けます。大学合唱団時代の後輩がもう1人、昨年から新たにここの団員に加わりました。時間の都合で今回は4世代が一同に、とまではいきませんでしたが、お互いの世代の話をして触れ合うことができました。
 ともあれ、充実した1日となった演奏会当日でした。お酒が回って、頭の中に演奏曲がリフレインして少し夢見心地のような。


6月12日

 身の回りネタが尽きかけてきたところで、今回は久々に廃貨車レポートをお送りします。以前4〜5月にかけて集めておきながら紹介できていなかった実例をご開帳。

 草加市内。企業の所有するグラウンドの片隅に、ワム60000かワラ1と思われる貨車の車体が2両分あります。車体にはイラストも描かれ現役倉庫として使われている様子。隣にはかなり古い年式のバス廃車体も塗装されて置かれ、こちらも目を引きます。

 その奥の工場敷地内には別の貨車廃車体が、少なくとも1両確認することができました。
 越谷市内。4号バイパス蒲生付近にある「ステーキハウス ペコペコ」です。
 写真右側、看板下に見える蒸気機関車は台湾で活躍していた762mmゲージの「LDK56」で、その筋には知られている存在です。
 その店の裏側に、東武鉄道所有のワラ1形(東武ワラ24)が保管されています。黒かった車体はすっかり錆色に変化してしまいましたが、足回りもそのまま残されており、条件が整えば走らせることも夢ではない?

 この他、店舗本体の床下に、かつての東武電車の台枠と台車・機器1両分が残されており(車体は解体された)、多少の怪しさを感じます。

6月3日

 虎ノ門近辺の新しい事務所に移ってから3週間。
 昼休みごとに周辺の散策を繰り返し、街の事情も少しは分かってきました。

 さて乗り降りには霞ヶ関駅を使っていますが、霞ヶ関駅周辺は中央官庁の建物が整然と建ち並び、所々に警備員が立っていたりもして、虎ノ門駅周辺の雑然とした雰囲気とは一線を画しています。
 そのような中、交差点の1つに、明らかに場違いなものが存在します。

 「脱原発テント」

 昨年3月の震災以来、反原発を訴える団体がこのテントを立て、のぼりとスローガンを掲げて拠点としています。かつての左翼のアジトを連想させ、近寄りがたい雰囲気です。
 朝は実に静かで、テントの横を通勤客が黙々と歩いているのみですが、これが夜ともなると、

 どこから沸いてきたのか、反原発団体のメンバー十数人が、夜ごとにいろいろな官庁の建物に向かって、交代で演説しています。
 マイクと拡声器を使って、かなり大きな声を響かせて訴えています。
 時にはその十数人がリズムに合わせてシュプレヒコールを繰り返したり。
 それを夜遅い時間帯でも構わずやっています。最近は残業続きで会社を出るのが21時を過ぎることが多いですが、それでも演説やシュプレヒコールをしていたのには驚いています。夕方ならまだしも、官庁の役人達も多くが帰宅(or接待?)している時間帯に、演説とかしても効果は薄いと思いますが..。

 正直、かなりうざったいです。このご時世、原子力政策に物を言いたい気持ちは大変よく分かりますが、今の時代にふさわしい、もう少しスマートなやり方があるのでは?昔の左翼のスタイルでデモとかやっても、引いてしまいます。例えば脱原発を掲げている政党と手を組んで、新橋駅近くでチラシを配るとか。チラシを読んだ人が次の選挙でその政党に票を投じれば、きっと世の中を動かすことができると思います。少なくとも昔のスタイルのままよりは。

BACK道の果て バックナンバーへ
TOPトップへ戻る