メゾン 道の果て

9月30日

 最近のお買い物から。

 

 MP3プレーヤー(メモリー8GB)です。秋葉原の某店で2,599円で買ってきました。
 現行のMP3プレーヤーは購入して6年余り、今も毎日の通勤のお供になっていますが、最近はFMラジオが接触不良で聞こえなくなったり(イヤホンジャックを強く押さえながら聴いている状況)、また手持ちの曲数も増えてメモリー容量が512MBでは追いつかなくなってきているので
大容量にして多くの曲を収納できるようにする必要が出てきました。
 今回選んだのは台湾のメモリーメーカー、トランセンドの製品です。MP3プレーヤー自体、もっと安い製品はたくさんありますが、中国辺りで製造された無名メーカーの製品だと後々の信頼性や保証といった方面で懸念があり(何か以前もこのセリフを言った気がする、DVDプレーヤーの時に)、知名度のあるメーカー品を機能比較しながら最終的に決めたのがこの製品でした。
 さすがは8GB、現行機の16倍の容量。手持ちの曲をありったけ詰め込んでなおかなりの余裕があります。例えば旅行とかに出かけるときに、今回はあの曲、このアルバム、とか気にしなくとも一通り入れておけば、現地で気分次第で曲やアルバムフォルダーを選んで聴けます。フォルダー内ランダムや全曲ランダムも選べ、能力約2000曲の中からどれが来るかの楽しみも。実際に2000曲入るのはしばらく先と思いますが。
 充電池も12時間連続運用対応で、通勤には十分です。ただUSB給電のみなので旅行には少し心許なくなるかもしれませんが、その際は乾電池式の現行機もサポートすることになるでしょう。これからは新旧2台で、互いの欠点を補い合いながらの活躍といったところです。

 自室のアナログテレビ用簡易チューナーと、専用リモコンです。こちらは中古の店で3,150円(当時の店頭価格の4割引)で販売されていました。
 テレビは2年ほど前、実家に液晶テレビを導入したときに引き取った14型です。同じく実家にあった簡易チューナーも後から取り寄せるつもりでしたが、兄が会社の事務所に持ち出してそのまま戻ってこなくなり、テレビは昨年7月のアナログ放送終了以降使っていませんでした。
 デスクトップパソコンを使いながらテレビが見たい。携帯のワンセグ放送は局によって電波が届かなくて不便で、かといってパソコンを移動させるのも面倒です。簡易チューナーは旧形テレビの世代交代が進めば中古市場で多く出回るだろう、と見越して買い控えていましたが、どうしたものかなかなか出回らない。ようやくこの9月になって複数台が店頭に並ぶようになり購入。1年2ヶ月ぶりに、アナログテレビに生命が吹き込まれました。テレビを見るのに他の部屋にいちいち移動することもなくなって助かっています。


9月23日

 キュウリの苗、その後。
 驚異的な成長を遂げた3株の苗は、8月下旬から次々に実を付け、これまでに10本の実を収穫しました。1株当たり3本余り付けた計算です。
 しかしここにきて急成長にも陰りが見えてきたようです。
 先端の新芽が育っていく一方で、9月に入って下の方から葉が枯れ始めました。
 どこからやって来たのか、アブラムシが葉に付き始めたのもこの頃から。
 アブラムシは急速に数を増やし、それを利用する蟻達が茎を上り下りするのが目に付きます。
 一時テントウムシの幼虫が現れてアブラムシを食べていましたが、強風で吹き飛ばされたのかいなくなってしまいました。
 農薬とか使えばアブラムシを駆除することはできるのですが、あくまで自然のまま、という方針で駆除せず放置し、太陽の光を浴びさせて推移を見守っていくことにします。秋を迎えて葉は元気がなくなってきた様子ですが、茎の途中から新芽が出ていたりもするので、もう少しはがんばれると思っています。

 一方実家では新たにゴーヤを育て始めました。
 こちらも成長が早く、8月ではまだ丈が小さかったのに、この週末に実家に行ったときは大きな実が5〜6本もなっていました。
 そのうちの4本をもらい(押しつけられ)ました。ゴーヤといっても思いつくのはチャンプルーぐらいのもので、こんなにたくさんもらっても正直食べきれない..何かとっておきの料理ネタがあったらご教示を。
 他にカボチャを1個もらっています。こちらは去年育てていた実から種がこぼれ、そのうちの1個が芽を吹いて成長していたもので、2個の実をつけていました。そのままふかしても素朴においしいし、スイーツの素材として応用も自在。実はカボチャがこんなに素晴らしい食材だと見直したのはつい最近のことで。実家にいたときは見向きもしていませんでした。カボチャ様申し訳ございません。


9月17日

 備後落合にて

 (第2編からの続き)
 木次線もキハ120形の1両編成でした。山陰・三江線用、芸備線用とはまた別のカラーをまとい、同じ形式でも違った表情を見せます。
 備後落合から北に方角を変え、30km/hのトロッコスピードで森を進みます。この区間は1日わずか3往復!乗客もわずか5名!周辺道路も整備され、鉄道の存在意義はほとんどないに等しい状態です。
 小さなスキー場がいくつか広がる三井野原から再び島根県に入り、すぐに右に大きくターンして車窓左側に国道の「おろちループ橋」が展開します。線路はループ橋に一旦背を向け、遠くから眺めつつ大きく迂回しながら峠を下ります。やがて左側から線路が合流して森の中の何もない場所に停車。すぐに運転士が反対側の運転席に向かい、折り返して合流してきた麓側の線路を下ります。その行き着く先が出雲坂根駅。数少ない三段式スイッチバック構造の駅です。
 駅構内で再度折り返し、さらに山を下ります。途中の亀嵩で2人が降りて残り3人に。降りた2人は駅の名物出雲そばでも食べに行ったのでしょうか。出雲三成でトロッコ風イベント列車<奥出雲おろち号>と行き違います。2両の客車を機関車が後ろから押し上げるスタイルで、たくさんの乗客が涼を楽しんでいました。次の出雲八代でようやく新たな乗客が2人乗り込んできました。うち1人は先ほどすれ違った<奥出雲おろち号>の車内販売と思わしき人で、ワゴンを持ち込み一仕事後の休憩。2つ隣の日登で下車して行きました。

 木次11:20着。ここでも50分の接続待ちです。駅構内は小規模な車両基地があり、何台かのキハ120が休息中。
 駅前は大型スーパーが1軒と、古くからある商店街が軒を連ねています。スーパーのフードコートで遅い朝食。売り出し中の新ご当地グルメ?唐辛子練り込み麺「しまねスーパー大使 吉田くん」入りとんこつラーメンをいただきます。オレンジ色に染められた麺は辛さはほとんど感じませんが、食べ終わった後体の芯が暖かくなる感覚が。寒い時期におすすめしたい一品でした。

 宍道行きはさっきまで乗っていた同じ車輌でした。乗客は10数人に増え、車内はにわかに活気づいてきました。宍道まで34分。小さな峠を越えつつ、集落の乗客を少しずつ拾います。
 宍道で山陰線に乗り換え、湖を臨みながら再び松江に出ます。
 松江からはバスで境港へ。「ゲゲゲの鬼太郎」ラッピングの施された路線バスがお出迎えです。所要約40分。途中、中海を突っ切る道を走り島を2つ渡ります。右も左も水の上という光景を体験します。最後に中浦水門橋を越えると島根県とお別れし、鳥取県に入ります。

 境港駅前でバスを降りてびっくり!!広大な駅前広場にはおびただしい数ののぼりと、それに負けない数の観光客。駅前に建つ新しいビルからは「ゲゲゲの鬼太郎」のテーマソングがエンドレスでかかり、水木しげるロードを東に向けて歩けば目に飛び込んでくる店はほとんど土産物店といったような様相。看板の多くは鬼太郎他のキャラクターが描かれ、街灯は目玉おやじに化け、タクシー営業所にも目玉おやじが吊るされ、防犯カメラには「目玉おやじも見ているよ」。この一種熱狂的といえるキャラクターによる街作りは、水木しげる記念館の辺りまで続いていますが、そこを過ぎるとぱったりなくなり、どこにでもある普通の商店街に。観光客も見かけなくなってしまいます。

 滞在時間が短く名残惜しいですが、境港からは境線に乗ります。キハ40とキハ47の2両編成ですがこのうちキハ40の方は全部で4両が存在する「ゲゲゲの鬼太郎」ラッピング車の1つ「目玉おやじ列車(キハ40 2095)」。内装の壁や天井、座席モケットにまで鬼太郎や目玉おやじが描かれ、「次は、馬場崎町」などといった車内アナウンスも声優さんの吹き込みという徹底ぶり。車内も観光客が多く、まさに水木しげる様々といったところ。各駅の駅間が短く、コンスタントに止まっては乗客を少しずつ拾います。途中に米子空港駅があり、この付近では滑走路を避けて大きく迂回します。

 米子からは伯備線で来た道を戻ります。帰りは381系特急<やくも24号>に乗車。ここの381系は昭和57年の伯備線電化に合わせて新製されたもので、デビューから30年経ちますが、内装の改良工事を繰り返しながらもうしばらくは現役で活躍しそうです。国鉄流の振り子式を久々に体験したくてこの381系列車を選んだのですが、カーブに差しかかったときの振り子動作も自然で、良く聞く「振り子の振り遅れ」といった感覚はありませんでした。それよりどんな急カーブもスピードをあまり落とさずに駆け抜けられる技を体感して、昭和40年代国鉄技術陣の志の高さに改めて感服しました。

 岡山からは新幹線でその日のうちに東京に帰ります(というか翌日は朝から休日出勤の用事が入ったので)。少しひねくれて岡山から新大阪までは<みずほ604号>に乗り、九州新幹線気分を少し体験してみました。東海道の「N700」とは全く違った内装の雰囲気です。
 新大阪の乗り換えで酒と弁当とつまみを積み込み、ささやかな宴でツアーを締めくくりました。


9月13日

 (第1編からの続き)
 出雲大社前から一畑電車で川跡に戻り、乗り換えて電鉄出雲市へ。ここで一畑電車は全区間制覇となります。電鉄出雲市駅と、そのすぐ脇にある出雲市駅は近代的な高架駅となっています。乗り換えに少し時間があったので、三枚の器に盛られた出雲そばで食事に。
 出雲市14:02発の快速<アクアライナー>に乗車し、山陰線を西に向かいます。新型車輌キハ126は加速性能が素晴らしく、線路設備の強化も相まって日本海を臨むこの区間を高速ですっ飛ばします。15年前に乗ったときのキハ58系急行はもっとのんびり走っていた印象がありましたが、新型車輌&スピードアップ&急行料金不要のトリプルプレーでサービスが格段に向上しています。あとこれで本数も増えれば文句なしなのですが。

 江津にて

 江津で三江線に乗り換えます。三江線は広島県の三次と島根県の江津を結ぶ路線で、地図を見ても路線周辺に県庁所在地級の大きな都市がなく、なぜそんなところに鉄道を引いたのか理解に苦しむ部分もありますが、ともあれ乗ってみます。
 運転本数は区間により1日わずか4〜5往復。乗車する江津15:08発は、昼間時間帯を効率的に走破できる唯一の列車で、今回のツアーもまずこの列車ありきで全体スケジュールを建てたようなものです。
 キハ120形1両編成の乗客は、予想していたより意外に多い10名余り。しかし、このうちの9名までが、僕のように三江線全区間走破を目的に乗車していた「旅鉄」だったことが後で分かりました。途中駅からの乗降は全区間通して5人ほど。いかに利用されていないかがうかがえます。
 江津を出てすぐに江の川の右岸に沿って走り始めます。沿線の防災対策工事もまともにできていないせいか、30km/h制限がかかる区間が非常に多く、トロッコ並みの歩みの遅さ。ジャングルのような森の光景。日本にこんなすごい路線があるとは。途中の石見川本や浜原で少し大きな町が見えてきますが、これだけ列車のスピードが遅くては乗客がほとんどいないのも仕方ない状態です。

 浜原にて

 浜原から口羽にかけては昭和50年に開通した比較的新しい区間で、ここだけは80km/hまで加速しますが、口羽からは30〜40km/hのトロッコスピードに戻り、全体で100km余りの距離を4時間近くかけて走ります。同じ距離を、東京発東海道線の特急では1時間20分で行ってしまうのにですね。

 三次は芸備線広島方面からの列車が多く発着する拠点駅であり、2両とか4両編成を組んだ黄色いキハ47達が構内を明るい雰囲気にしてくれます。
 この日の宿泊地は芸備線を少し東に行った備後庄原。キハ120形単行で着いた備後庄原駅は無人駅で、駅前は昭和40年代で時間が止まっているかのような寂しさ。駅から徒歩10分以上離れた郊外のビジネスホテルに宿泊します。ホテル周辺は大型スーパーがあったりして、街の中心部よりずっと栄えているようです。

 翌朝、7:31発の列車で芸備線をさらに東へ進みます。芸備線も備後西城の近辺まで来ると30km/h制限がかかり、併走する路線バスにあっさり抜かれてしまう始末。備後西城から備後落合までは、6年前にも旅行でここを通過しようとしたものの土砂崩れで不通となり代行バスで迂回した区間。今回のツアーでようやくリベンジを果たすことができました。
 備後落合では次の木次線列車まで72分待ち。芸備線と木次線が分かれ、かつては夜行急行列車も通過していた拠点駅は今や見る影もなく寂れ、駅前には商店の一軒すらなし。駅周辺を少し歩いてみても山林とわずかな田畑が広がるのみで、ここまで何もない乗換駅は全国他を探しても見当たらないでしょう。無の境地に入れる72分待ちです。

 (第3編へ続く)


9月9日

 先週末、8/30夜行出発で、島根県方面を旅行してきました。 

 行きは今や数少ない存在の寝台特急<サンライズ出雲>に乗ります(上写真右)。
 21世紀の時代にふさわしい寝台列車として登場した285系「サンライズエクスプレス」も、早いものでデビューから14年が経過しますが、今でも人気は上々で、個室は9割が埋まっているように見えました。
 夜行バスと比べて圧倒的に静かで揺れの少ない車内、完全個室、寝返りを打てる。バスより多少高くても利用する価値は非常に大きいです。これがサンライズエクスプレスの人気につながっているのかなと思います。
 1つだけ注文を付けるとすれば、車内販売がないことの不満。特に朝を迎える岡山から先では停車駅も停車時間も少なく、前日の出発前に食料を確保しておかないと朝9時過ぎまで食事にありつけない事態になります。岡山〜出雲市間だけで良いので弁当の車内販売を望みます。

 翌朝9:30、松江に到着。市営バスで松江城に向かいます。県庁前バス停で降りてすぐ近くです。江戸初期に築城された松江城は、明治時代に天守閣のみを残し全ての建物が撤去されましたが、その天守閣は400年の歴史を今に伝える貴重な存在です。城内には松江神社ほか3つの神社、明治天皇をお迎えするべく建てられた洋館建築である興雲閣など見どころがあります。
 城の周囲は堀や運河で囲まれ、遊覧船が行き交って独特の風情を醸し出しています。

 ここから松江しんじ湖温泉駅まで徒歩約15分。宍道湖の湖畔から少し入ったところに突然駅前広場が現れます。ここが一畑電車の起点駅。最近では映画で全国的に有名になったローカル私鉄です。
 乗車したのは下写真右側の5000系。大学時代、通学で大変お世話になった元京王5000系の座席を3列式のロマンスシートに改造した観光用の車輌でした。左側は元南海21000系(一畑形式3000系)。1編成が最近ファン向けイベントで南海時代の淡緑色に戻されました。この他に元京王5000系も1本が京王時代のアイボリーに戻されたそうですが、車庫に入ってしまったのか見られずじまいに。

 電車はしばらくの間宍道湖を左に眺めながら走ります。時々湖岸線を離れるところがありますが、数駅間に渡ってこの光景が展開されます。併走する軽自動車に追い抜かれるスピードで、あまり速いとは言えませんが。

 途中の一畑口で進行方向を変え(大昔はこの先一畑薬師まで路線が伸びていたが戦争末期に廃止され、スイッチバックはその名残らしい)、さらに西に進みます。車庫のある雲州平田を過ぎ、50分近く乗った川跡(かわと)で路線は二手に分かれます。
 川跡からは出雲大社行きの区間運転に乗り換えます。車内には電鉄の観光ガイドさんが乗り合わせ、線路際の幼稚園に保存されている旧形電車、出雲ドームなど沿線の車窓を案内していました。約10分で出雲大社前に着きます。
 出雲大社には15年前にも寄ったことがあるので、今回は門前町を少しお邪魔する程度にしました。15年前の記憶と比べ、門前町は新しい土産物屋がいくつもできて大分きれいになった印象です。この地方の名物である鯖寿司を、半額の470円で購入できたのも幸運。

 出雲大社前駅も映画撮影を機に改装され、往年の輝きを取り戻しています。構内には撮影で使用された旧型車が展示され、車内に入ることができます。

(第2編へ続く)

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