メゾン 道の果て

2月28日

 2月も下旬になってくると気温が上がり、
 日によっては春の暖かさがやってきて、冬眠していた虫達が這い出てきます。
 まだ蟻が出てくるのには少し早いですが、ごく小さな羽虫の類が窓に止まっているのを見かけたりします。

 そのような中、自宅の3階小屋裏部屋では、寒さに弱い種類の植物を毎年冬越しさせています。
 いずれも植木鉢で育っていて、暖かい時期は外に置いていますが、12月になると義母が小屋裏部屋の南窓際に運んで春までを過ごさせます。
 単に植物を冬越しさせるだけなら何の問題もなさそうなものですが、
 植木鉢の中には秋までに入り込んだ団子虫やわらじ虫が冬眠していて、暖かくなると植木鉢から脱走を試みます。
 それも数匹レベルの話ではなく、1シーズンで100匹くらい這い出てきます。
 よくこんな小さな植木鉢の中にたくさん入り込めるなあ、とあきれ返るくらいです。
 ある年、1ヶ月ほど見に行っていなかったら、13畳の小屋裏部屋いっぱいに多数の団子虫やわらじ虫の死骸が多数転がっていて大変驚いたことがありました。
 以来、冬になると毎日のように冬越し植木鉢の周囲を確認するのが日課になっています。
 彼らは植木鉢から脱走すると、暖かい窓辺には行かずになぜか北へ向かって進みます。
 そして途中で力尽きるのか、動かなくなって息絶えるようです。
 北側の階段までたどり着いたものの、踊り場で死んでいるのも見かけます。
 このところは暖かい日が続いていて、脱走しようとする輩も増えてきました。
 植木鉢の下に敷く水受け皿を確認し、見かけ次第捕まえて、庭先の植木のたもとに放します。
 枯れ葉や土の中が彼らの本当の居場所ですし、何より家の中に生きた虫を入れたくないので。

 団子虫は小さい頃から長く付き合っている虫の種類ですが、それにしても謎が多い生き物です。
 身の危険を感じると、くるっと丸くなるのも謎の1つです。
 そしてどこへ向かって、何を目的として歩いているのかよく分からないのも。
 会社近くの公園にも、春から秋の好天の日には団子虫が歩いて回っていますが、その道筋には彼らの死骸が時々転がっていました。
 どうやら植木を囲っている縁石の回りをぐるぐる回っているうちに力尽きたのでしょうか。
 本来は植木の下で生まれ育ったようですが、ある時縁石から外に出て歩道に降りたものの、縁石を上るだけの力がなく、元の場所に帰れないまま、飢えと乾きとコンクリートの暑さにやられたのかもしれません。
 毎日のように見かけるはずなのに、観察すればするほどに謎が深まるのが、小さな虫の世界です。 


2月21日

 先日、亡父の十三回忌の法要がありました。
 いつものように実家近くの寺で開いた法要に、集まった親戚は10人に満たない数。
 お世話になったおじさん、おばさん達も既に何人も亡くなり、
 いとこも子供が大学生、中学生、小学生となって、世代交代が進んでいます。

 早いもので、あれからもう干支が一巡しているのですね。
 月日の流れの速さを感じます。
 この12年の間に、僕は結婚して実家を離れ、家を新築し、子供が生まれ、そして2歳を迎えています。
 毎日つつがない生活を送りつつも、着実に変化しています。
 最初は父のいない生活に落ち着かず、戸惑いましたが、
 やがてはそれにも慣れ、仏壇に普通に手を合わせている自分がいました。
 今こうして独立して、新しい家での生活を普通に送れるのも、12年前の出来事を乗り越えられたからと思っています。

 もし父が今も生きていれば、80代後半になっていたはず。
 天国から、結婚相手を、孫の顔を、どんなふうに見つめているのでしょう。


2月14日

 バレンタインが近づくと、なぜか無性にチョコレートが食べたくなります。
 そんな折、100円ショップのダイソーに行くと、見かけない種類のチロルチョコが袋入りで置いてあって、思わず買い込んでしまいます。

 上から熊本名物いきなり団子、いちごがいっぱい、さくらもち(本品のみ別の100円ショップで購入)、ダイソー限定復刻ブルーチーズ、同ショコラタルト&ナッツクランチです。
 いずれも8個入り108円。いきなり団子は紫いもとさつまいもの2種類が4個ずつ、いちごは3種類が3−3−2個。内容もバラエティに富んでいて、餅をイメージした求肥が入っていたり、タルトをイメージしてビスケットやクッキーを入れたり、2種のチョコレートを2層にしたり、工夫を凝らしています。人気No.1をうたっているブルーチーズ味は、ホワイトチョコにチーズと青かびフレーバーが入っていて、正直なところこれが本当に人気No.1なのか??とたずねてみたくなる味でしたが、種類ごとに個性豊かで、1個当たり10円ちょっとの安さもあって魅力にどんどんはまってゆきます。

 僕にとってのチロルチョコといえば昭和50年代後半、近所の駄菓子屋に置いてあったコーヒーヌガー味が原点でした。当時の値段で1個10円。子供の小遣いで気軽に買えるのがポイントで、毎週のように1個買って帰った記憶があります。
 やがて大人になりチロルチョコなどに振り向きもしない時期を過ごしましたが、その間に着実に商品バリエーションや出店チャネルを増やし、気が付いたときには数百種類の商品が世に出ては消えていったようです。
 今でもコンビニでは期間限定の新作が次々店頭に現れています。値段も1個32円となり子供時代のような気軽さは少し薄れましたが、チョコレートマスターへの道を目指すにはまずチロルチョコから、と思い直し、これから付き合っていくようにします。


2月8日

 家の中では今日もいろんなアイテムで乾電池が使われています。
 思い付くだけで時計にリモコンに、電子体重計に、ひげ剃りの動力に、そして子供のおもちゃに。
 最近では充電池で動作する機器も多いですが、電池切れになったときでもすぐに店で手に入るのが乾電池の大きなメリットであり、それを考えて僕が物を購入するときはできる限り乾電池で動作するタイプにするよう心がけています。

 乾電池もアイテムによって、大出力が必要なもの、電池切れになりやすいものから長持ちするものまで様々です。例えばある時計は単3が1本で動作するものの電池切れのタイミングが早いです。別の時計は単3が2本必要ですが、何年も使ってかなり低電圧になっても動いています。前者で電池切れとなった電池でも、2本組み合わせることで後者であと何年か使えます。そのまま廃棄してしまうのは実にもったいないです。家の中のアイテムが、それぞれどのレベルの電圧まで動作するか傾向を調べて、各機器間で電池の使い回しを実践し、どのアイテムでも動作しなくなるほど低電圧にならなければ廃棄しないようにしています。
 使い回し実践に欠かせないのが乾電池チェッカーです。秋葉原の路地裏の店で315円(当時)で売っていた針式のタイプです。LEDランプ式のチェッカーが多い中、針の微妙な動きから残量が判断できるようにあえてアナログな針式のチェッカーを使っています。
 会社の乾電池廃棄箱をたまにのぞくと、ある程度残っているのに捨てられてしまっている単3や単4電池があり、これらを拾っては持ち帰ったりしています。入れ替わりに自宅で完全に使用済みとなった電池を捨てています。みみっちいと笑われるかもしれませんが、これももったいない精神での実践。

 先日購入したプラレールは単2電池を使いますが、100円ショップで購入した単3→単2変換アダプターをかませることで単2を買うことなく単3で動かしています。動作検証結果では、スピードはゆっくりになりますがかなりの低電圧でも動くことが確認されたので、使い込んで電圧の低くなっている電池から優先的に使うようにし、休みの日ごとにエンドレスをゆったり、ぐるぐる回っています。プラレールは将来的に車輌数を増やしてゆく計画なので、動力車が増えれば電池の有効活用にもなります。
 また単4電池でも単3への変換アダプター(こちらはあまり売られていないので、アルミ箔を丸めた物を−極に詰め込んで代用することも可能)を使ったり、残量のある他の電池やニッカド充電池と組み合わせて(正しい使い方ではありませんが)使い切るようにしています。
 電池も資源の一つ。上手な使い回しで有効活用してゆきます。

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