メゾン 道の果て

10月31日

 地元のイトーヨーカドーが、1年8ヶ月ぶりに帰ってきました。

 昨年2月、建物の老朽化に伴い閉店となったことを書きましたが、その後解体して更地の状態がしばらく続き、建設に着手されたのは今年の春になってからだったと思います。
 それからおよそ半年かけて、1階のみの平屋建てで新しい建物が完工しました。旧建物が2階建てだったので売り場面積も相当小さくなります。旧建物時代は2階で衣料品や文具を扱い、ドラッグストアや100円ショップなども入居する地域の綜合ストアーのような役割でしたが、食品売り場以外は今一つ活気がないように見受けられました。建て替え後は規模を縮小しても、食品に特化して新たに挑もうとする戦略がうかがえます。
 10月に入って什器類、続いて商品らしきものが搬入され、開店が間近な様子でしたが、「*月*日オープン」の掲示が一向に現れず、近くを自転車で通り過ぎるたびに、いつ開店するのかが気になっていました。今思うとどうやら採用したパートさんの研修に時間をかけていたようです。

 そして今週、待望のオープン初日がやってきました。
 昼間に行ってみると、入口に100人ほどの長い列ができていました。密にならないよう、感染症予防で入場制限をかけていたようです。5分ほど待って、手をアルコール消毒の上入場します。
 店内は予想していた通り、食品に徹底して特化した作りになりました。食品フロアは建て替え前1階の約2倍に増え、取り扱いアイテムも同様に増えて充実しています。特に菓子パン類は3倍くらいになり、地域限定品も扱うなど一層充実した印象です。レンジで温めてすぐに食べられる、容器付きの冷凍品も取りそろっていました。
 レーンのうち1本はアウトレットコーナーになっていて、在庫が余った商品を値引きして販売しています。期間限定のカルピス500mlペットボトルが1本60円台、同じく亀田の柿の種が通常190円台のところを140円台など。近隣の激安地場スーパーほどのインパクトはありませんが、時々チェックすると思わぬ商品が安く買えるかもしれません。
 一角にはインストアベーカリーが設けられました。長年地元に住んでいる妻によると、旧建物時代も10数年前まで店内ベーカリーがあったものの撤退したそうで、今回復活ということになります。ただしアイテム数は周辺に何軒かあるパン屋さんより少なく、ちょっぴり物足りなさを感じます。建て替え前にはあった軽食コーナーは設けられませんでしたが、飲食用のテーブル,椅子がベーカリー横に設置され、お買い上げのときレジで店内飲食を申し出る(消費税10%)と利用することができます。
 その他、地元を応援するコーナーとして、地元メーカーが作られたあられを常時アウトレット価格で販売しています。このメーカーは月1回工場直売を開いていますが、わざわざ工場直売に出かけなくても同じ値段で買えるのはありがたいです。
 一方で食品以外の取り扱いは日用必需品や一部の文具などに限り、食料のついでに必需品を、というニーズに応える販売方針になっているようです。
 開店記念の値引きはこれといってありませんでしたが、記念の弁当や揚げ物福袋が並び、注目を浴びています。
 レジは8レーンありますが、うち3レーンはnanacoカードなどキャッシュレス決済専用で、現金購入のレーンに並んだら店員さんの不手際もあってか10分以上待たされる事態でした。開店景気が収まれば長時間並ぶこともなくなるとは思いますが。
 食品スーパーとして再出発したイトーヨーカドー。近隣に競合する食品スーパーやドラッグストアが20軒以上もひしめく中、どのような販売戦略を展開していくのか、自転車で回りながら観察を続けたいと思います。


10月25日

 JR東日本から、来年春のダイヤ改正で終電の繰り上げをすることが発表されました。
 深夜帯の保守工事は鉄道の安全な運行に欠かせない一方で、必要とされる人手も多く、かつ初電の何十分か前には確実に終わらさなければなりません。作業の機械化は進められてきましたが、働き方改革の中で深夜帯の重労働が敬遠される傾向にある。そこで、コロナウイルス対策で夜間の人の動きが大きく変わったこの機会に終電繰り上げを断行し、作業時間に余裕を持たせよう、とする内容です。

 では実際にどうなるか。21日発表のニュースリリースによると、おおよそ東京駅を0:30以降に出発する列車が削減対象になるようです。山手線など1時台まで動いていることに改めて驚きますが、考え直すと、他線に接続しない1時台の最終を利用する需要はかなり限られているのでは、とも思います。そうでなくとも働き方改革で残業も減っていますし。深夜営業の店も30分繰り上げて店じまいすれば何ら支障ないと考えます。
 むしろ自分が最も気になっていたのが、実家のある東北線や高崎線沿線で繰り上げがあるのか、という点でした。結論から言うと現状維持、とのことでほっとしましたが、東京駅から30km余りのエリアで最も終電が早い部類に属し、5年前の上野東京ライン系統開通までは東京駅を23:20に出ないと帰宅できず、終電を気にしながら深夜残業を続けていた時期もありました。終電が早いことで鉄旅行のスケジュールを立てるのも大きく制限され、東海道新幹線の上り最終<のぞみ>から溯って1時間前の列車を指定しないと帰れず、あと30分でいいから終電を繰り下げてほしいと何度思ったことか。
 東北,高崎線は深夜帯に貨物列車も多く走っているので、貨物列車を運休させない限り夜間保守の効率化という理由付けは難しいです。途中の久喜とか鴻巣辺りまででも、逆に終電繰り下げの気持ちは今も変わりません。

 というふうに書いてきたのですが、バブル期,ポストバブル期と深夜残業が当たり前だった時代から働き方が大きく変わってきています。加えてウイルス対策で夜間の人出が減ると、利用客も路線バス1〜2台分で足りるようになるでしょう。最近夜遅く、高架線路沿いにランニングに出かけますが、通りすがりに見る平日深夜の下り電車も乗客が明らかに減ってきています。
 であれば、深夜バスを充実させることで解決という考えもあります。
 改正後、終電が途中駅で打ち切りになる場合は、その駅から深夜バスを出発させる。1本まるごとなくなる場合はその全区間をトレースする。路線バス業界からみれば結構なビジネスチャンスと思いますがいかがでしょう。


10月17日

 完全在宅勤務に切り替わってから半年が経過しました。毎日のように着用していたスーツやワイシャツ,ネクタイ,革靴などは全く出番がなくなり、クローゼットや靴箱の中で休眠状態です。定期券も5月の期限切れを最後に更新せず、6月に1回だけ事務所出勤したときには切符代を個別精算しています。

 自宅の一室で仕事をしていると、会社では聞くことのできない外の音が聞こえてきます。
 静かな環境ですが、かなり遠くを走っている電車の通過音が時折風に乗って入ってきます。
 隣の畑からは、たまにトラクターがにぎやかに土を耕している音。農家のおじさんが聴いているラジオの音声。
 15:00少し前になると、子供たちの声も聞こえてきます。まずは幼稚園帰り。後ろに子供を乗せた自転車が何台も、颯爽と通り過ぎます。子供と親の、そして子供同士も楽しく会話しているようです。
 次は小学校。5時間目で終わる1〜2年生がまず通過します。ランドセルに黄色い交通安全のカバーをかけた1年生は先生付き添いのもと、10人ほどで1列になって歩くのが見えます。その前後を2年生が、時々追いかけっこをしながら通り過ぎます。うちの子供も、同級生の男の子たちに混じって元気に走り回っています。
 それからさらに時間を置いて、今度は6時間目で終わる上級生たちが通過します。小学校も高学年になると走り回ったりするのは少ないようです。夕方の定時前後になると、部活帰りの中学生が集団で下ってきます。
 また週に1回、移動販売の軽トラックがテーマソングをかけながらゆっくりとやってきます。これも生活音の一部です。

 家のすぐ外で、今まで気づくことのなかった毎日のルーティンが繰り返され、これがちょっとした息抜きになっています。在宅勤務をどう感じとらえているかは人それぞれですが、恵まれた環境で仕事ができることのありがたみを感じました。


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