メゾン 道の果て

10月25日

 この週末、実家に用事があったついでで、久しぶりに実家近くのドン・キホーテに寄りました。
 軽く食事をとろうとフードコートに行ってみると、まず目に飛び込んできたのは、ピザハットの赤い看板。
 そしてその横には、何と、バーガーキングも進出しているではありませんか!
 ピザハットは今月初めにオープンしたばかりで、オープン記念の割引チラシがあちこちに貼ってありました。バーガーキングも今年6月開店とのことです。1人前サイズのピザ500円、バーガーキングの期間限定メニュー、どちらも魅力的で迷いましたが、この日は待ち時間のあまりかからないバーガーキングを選びました。

 コロナ禍で外食産業は厳しい状況に追い込まれていますが、正直なところにぎわいの少ない、小さな街のフードコートに果敢に進出してくるのには驚きを隠せません。
 特にバーガーキングは一時期日本から撤退した時代があり、米軍基地の店が一般公開イベントの日に行列ができていたというニュースを見た記憶があります。6年ほど前に霞が関ビルの1階に出店してきたときにはビッグサイズのワッパーを、ありがたみをかみしめながら味わい、バーキンのファンになっていました。会社事務所の移転でバーキンに行くことがなくなり、いつしか霞ヶ関からも退店したようですが、後で調べたところ埼玉県内だけで23店舗もあることを知りました。いつの間にか急成長していたのですね。数年前まで東京都心部などでしか味わえなかったのが、今や人口6万余りの小さな街でもいただけるのですから!
 ピザハットも、宅配ピザ屋がこれまで市の中心部になく(郊外にはありますが)、今回の進出で選択肢が1つ増えたのは喜ばしいです。

  そういえば今までここに何が入っていたか。ピザハットの場所にはかすうどんの店とラーメン屋、バーガーキングのところは確かカレー屋だったような。かすうどんの店は大阪南部を中心に展開するチェーン店で、関東地方に2店舗しかないうちの1つがここにあり、なぜこんなところに出店するのかとも思っていましたが、ちょっとした自慢話の種にはなりました。コロナ前も含めて、今まではさほどにぎわっている風には見えなかったのですが、今回のピザハット,バーキン進出効果なのか、かつてないほど多く人が集まっていたような印象です。


10月8日

(前編からの続き)

 大多喜に戻り、タクシーを呼んで「いすみポッポの丘」に向かいます。最寄り駅は上総中川ですが徒歩で30分以上かかり、今日のような強い雨が時々降ってくる天候では不都合なので、営業所のある大多喜からタクシーのお世話になります。所要約10分、片道料金1,800円ほどです。
 「いすみポッポの丘」は、山を切り開いた土地に、首都圏を中心に各地で使われていた鉄道車輌を多数保存しています。多くは車内に入ることが可能ですが、中では写真や展示物などが飾られてしまい、現役時代を懐かしみたい向きにはかなり残念な状態です。それでも24系寝台はA寝台,B寝台ともに余分な展示物がなく、車内の電灯が付いていないので暗かったですが現役当時の寝台特急気分を味わうことができました。また車掌貨車ヨ5000も車内は当時のままで、適度な広さの車輌まるごと1両独り占めできるのはちょっとした贅沢です。この貨車をコテージ代わりにして一泊したい..。

 再びタクシーを呼んで大多喜に戻ります。次の列車まで時間があるので町巡りをしたいところですが、シャワーのような驟雨が時折降り注ぐ天候では外出もままなりません。駅近くに鉄道模型レイアウトを設置した資料館があるのですがこの日はお休みでした。最近は日曜日しか開いていないようです(訪問日は土曜日)。
 駅前の観光案内所でお土産を買い求めます。いすみ鉄道関連グッズがたくさん販売されています。帰りの電車内でおつまみになるかと、いすみ鉄道の揚げぬれせんべいや柿の種、さらに地酒や地元ドリンク類も買い込みます。地域に金を落として活性化の手伝い、とはいいますが、やはり地方でいい景色を見るとついつい財布のひもが緩んでしまいます。

 大多喜15:47発で東に進みます。午前中に乗ったいすみ301が再び担当。乗客数は少なくいつもの姿に戻った様相です。途中の国吉ではキハ30といすみ200形の2両が保存されているのが見えます。この日晴れればビアガーデンイベントが開催されたはず。保存車を眺めながらのビールも乙なもの、でしたが..。
 大原16:20着。11分の接続で外房線の上り普通電車に乗り継ぎます。新型車輌E131系の2連でした。車内はロングシート主体で、ボックスシートが各車に2ヶ所ずつしかない準通勤仕様。運良くボックスを1つ確保することができました。
 のんびり走っていたいすみ鉄道から一転、時速100kmのスピードで豪快に飛ばします。軌道のせいか最新型なのに横揺れが大きく、長い直線区間でも右に左に揺さぶられます。やはり線路の保守の大切さを体感します。


 上総一ノ宮で普通電車を乗り継ぎ千葉へ。京浜東北線時代にお世話になった209系の8連です。各先頭車はボックスシート付きの近郊形となり、京浜東北線当時とは雰囲気が違いますが長距離移動にも配慮された車内改造がありがたいです。
 夕方日没の頃でも、千葉市内に向かう乗客は多いです。各メンバーとも少しお疲れ気味なのか、今回はボックスシートで小宴会もなく、総武線沿線で打ち上げするまで飲み食いなしで通してきました。

 今回の旅を通しての感想。今やネットさえつながれば世界どこへでも旅行の疑似体験ができる時代ですが、やはり実際に現地に行ってみることにはかなわないと強く感じました。地方路線に乗った時の独特の振動と揺れ、気動車の煤煙の匂い、現地で気ままなお土産選び、良き仲間とのたわいもない語らい、これらはネットでは決して成しえない体験です。また次の機会、時間を作って小旅行をしよう、と約束して帰途に就きました。

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