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月替わりコラム

道の果てから

Vol.3('99.12) 続 OB,OG

 テーマは前回の続きですが、今回は自分の人生にいろいろ影響を与えてくれた、世代の近い先輩方について記したいと思います。
 僕が混声合唱団「さわらびコール」に入った年は、ちょうど定期演奏会が25回目を迎えるということでOB,OGとの合同ステージが行なわれることになり、たくさんの卒団生の方がお見えになりました。上級生の顔と名前を覚えるだけで苦労していたのに、それに輪をかけて卒団生が大挙してきたので大いに困っていた記憶があります。
 それでも団の活動に少しずつ慣れていくにしたがって、いろいろな卒団生とお付き合いするようになり、主なメンバーの方々の顔と名前くらいは覚えるようになりました。一緒に飲んで、先輩達に可愛がってもらうこともしばしばでした(後輩の特権)。飲み代もかなりおごってもらったし(笑)。
 その中で、とりわけ僕に影響を与えた先輩を1人挙げておきます。このページはプライベートな環境に近いとはいえ、オープンなネットワーク上なので、仮にH先輩としておきましょう。
 H先輩は僕より10歳ほど年上で、当然僕が入部した時点ではすでに卒団数年目、という人でしたが、それだけ年の差が離れていたにもかかわらず、他のOB,OGより親しみがありました。それはどうしてでしょう。
 その先輩は毎年のように新歓コンパに来られ、そして新入生の名前を1人ずつメモして、少しでも後輩と接しようと努力されていました。飲み会には他の卒団生も数多く見えていましたが、他のメンバーが同じ世代で集まって飲んでいるのと比べて、とても積極的な印象を持ちました。
 そして普段も同期生や仲間内だけでなく、我々の世代1人1人と付き合いを深めようとする、その心意気にはいつも感動していました。
 民研・さわらび総会の第40回記念大会で、昭和50年代を代表してH先輩が述べられた言葉です。
 「先輩方にはいろいろお世話になったが、何もお返しができなかったので、代わりに後輩を同じように世話することで恩返ししている。」
 この言葉には大いに共感しています。そしてこの言葉で、僕も同じように、できればそれ以上にでも、現役生を支援し続けていこうと心に決めたのでした。

 ということで現在も合宿や定演にビデオカメラを持って出かけたりなんぞしています。現役の活動にお付き合いしているときは、会社の仕事のことなど忘れます。気分がリフレッシュします。不思議ですね。
 若手卒団生の皆様、時間が空けられたらぜひ後輩達を応援してあげてください。そのときはすぐ下の後輩だけでなく、卒業後に入ってきた新メンバーに対しても接してあげてください。ただし先輩だからといってあまり大きな態度をとったり、自分達の世代は、などと昔話をしたりしないように。後輩受けのする芸を1つしておくと、好感度が上がると思います(笑)。
 現役生の皆様、OB,OGと接する機会も多くなり、ちょっとうっとうしいと思うかもしれませんが、一応みんな元学生です。本当は学生に戻りたいと思っているようです。飲み代とかは簡単に出してくれるでしょうから、遠慮なくどんどんこき使ってください(笑)。
 最近はH先輩を団の活動でお見かけすることがあまりなくなりました。どうやら仕事の方がお忙しいのでしょう。少し残念ではありますが、最近ではむしろ僕がH先輩の代わりみたいなことをしていますから。

 ところで第25回、30回と節目ごとにOB,OGとの合同ステージが行なわれ、多くの卒団生と交流することができましたが、そのときに多くお見えになった、昭和60年代卒業の方々は今、どこにいらっしゃるのでしょうか。できることなら、またお会いしてみたいものです。先日の民研・さわらび総会のときもほとんどいらっしゃらなかったのが残念です。返信はがきが数通ちらほらとは届いているのですが..。

  平成11年12月31日

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