メゾン 道の果て

週観 道の果てから

3月30日

 解体・地鎮祭から2ヶ月が過ぎましたが、その後新居建設計画がどのようになっているか心配されている?方もいらっしゃるかもしれないので、ここで近況報告をしておきましょう。

 地鎮祭が終わればすぐに地盤改良工事に入る算段だったのですが、ここで思わぬ横槍が。
 隣地所有者から、工事用車両の出入りに関して苦情が出た、というのです。
 実は妻実家と隣地所有者との間で境界問題が一部確定していない部分があり、これを含めて住宅会社がすぐにこの調整に入りましたが、お互い長い間のわだかまりがあってか調整にかなり難航し、1ヶ月もの時間を費やしてしまいました。住宅会社の営業担当さんにはかなり大変な思いをさせてしまいましたが、おかげでこの後の工程はすべて1ヶ月遅れになります。

 結局地盤改良工事に入ったのは2月下旬になってのこと。
 地盤改良工事とは、建設地周辺が低湿地だったところで地盤が比較的軟弱なため、コンクリートの杭を地中数メートル、堅い地盤の層まで打ち込んで地震等への対策を強化するという内容です。この工期が約2〜3週間。
 これが終わると基礎工事です。ベタ基礎といって、建物の建つ部分全体の地盤をコンクリートで固めて覆い、その上に基礎を建てます。基礎のコンクリートが一通り固まるまで1週間余り。地盤改良と合わせてちょうど1ヶ月かかりました。

 以前に書いた隣のアパートのように、基礎の型枠が外され建物本体建築に移ると進捗が手に取るように分かるので、基礎が完成した先週末からは、会社からの帰りにはできるだけ建設現場に寄っていくようにしました。
 月曜日の段階ではまだ動きはなかったのですが、
 火曜日の夜に行くと、早くも足場が組まれていました。
 足場は基礎を取り囲んで、建物の完成予定の高さまで、すなわち1階建て部分は1階の高さまで、2階の部分、そして最も高くなる切妻部分はそれぞれその高さまで組まれていて、これから建てていく建物のスケール感が手に取るように分かります。率直な感想、こんなに大きな建物を作るのか、と。
 水曜日に行くと今度は1階部分の床が張られ始め、木曜日には建物全体に張り終わりました。
 金曜日は行かなかったのですが、妻の話では1階部分の壁が立ち始めた、ということ。
 壁が立つ、というのはツーバイフォー工法ならではの組み方で、木造在来軸組工法は柱を建てて次に屋根、その次に床や壁という順で組むのですが、ツーバイフォーでは床→四方の壁→天井・屋根の順で箱型を作ってしまうそうで、在来工法を見慣れた目にはやや特異に映ります。
 土曜日に工事中の現場をのぞいて見ると、盛んに柱を建てては強化壁を張っていて、たった1日で建物全体に広がる勢い。
 そして工事が休みとなる日曜日、改めて現場を見に行くと..
 1階部分の外壁が一通り組み上がり、内部の仕切も、強化壁こそ打ち付けていませんが、必要な柱は入っていて、各部屋が立方体として機能できるところまで来ていました。
 早い。1日で建物ユニットを運び込んで完成させるあのセキスイハイムほどではないにしても、1階部分の構造が4日で出来上がるとは。
 この調子で2階部分も組んで、早く屋根まで作ってほしいところです。屋根さえ出来れば、雨の日も工事が中断することがなくなるので。

 かくして家は順調に建ちつつありますが、一方でやたらと増えてきたのが業者のダイレクトメールです。
 それも届けられるようになったのがここ1週間のこと。カーテン屋や家具屋,庭園工事など住宅設備絡みの業者による郵便物です。送信元住所も埼玉,東京,千葉と各所に渡ります。
 多分住宅会社の出入り業者から住所の情報が流れて、この手のダイレクトメールが多く届くようになったのだと思いますが、それにしてもここ1週間、建物本体工事になって初めて、急にたくさんの業者から郵便物が届くとは。何だか少々不気味です。まあ内装も外構工事も、どのように作っていくか方針はほぼ決めていますので..。


3月25日

 今まで書くことのなかった、会社の社内事情をたまには書いてみることにしましょう。

 現在、僕が所属している部門には、部長以下10名の社員が所属しています。
 部門自体はさかのぼれば9年前から存在していて、部長と、チームリーダーの1人とはその時からの長い付き合いになっています。
 それ以外のメンバーは、主にここ3年くらいで転入してきた人達です。
 その全員が男性、しかも大多数が50歳以上の老年集団です。
 単に老年集団だけなら良いのですが、彼らは正直、仕事しないか、できないかのどちらかです。
 比較的若い(とはいっても39歳から、結構高齢化しています)主力メンバーが一生懸命働いているのを横目に、他部門の同僚に私用電話をかけまくったり(それも大きな声で)、
 新しい仕事をお願いしようとすると、やりたくねぇとか云って反発したり、
 またある人は仕事を覚えられず、マニュアルに書いてあることを何度も聞き返してきたり、
 表計算ソフトの基本も分からず、保存してあった元データを消去してしまったり、
 画面に向かって何もせずに固まっていたり、1時間以上の席外しを1日何回も繰り返したり。
 それが1人ではなく部門の半数に及んでいるから、困ったものです。
 注意をすると主力メンバーと一切口を聞かない。いい歳して小学生並みの行動です。
 部長ですら彼らの扱いに手を焼いて、さじを半分投げているような状態です。

 そもそもどうして彼らが来たかというと、
 3年くらい前までは、当部門にも若い女性の事務派遣が2〜3人来ていて、資料作成などの事務作業をこなしていました。
 しかし派遣社員を雇うのにはそれなりにコストもかかる。
 企業がより多くの利益を上げられるよう、コストダウンの要請で、事務派遣は期間満了とともに順次引退させられ、その代わりとして正社員の彼らが連れて来られた、という訳です。彼らに比較的単純な作業をさせれば、コストは下がるとでも考えたのでしょうか。
 ところが彼らが数人次々やってきても、引き継ごうとしている仕事をなかなか覚えない。
 派遣社員用に分かりやすく作った、通称猿マニュアルでも通用しないのですから。
 覚えさせるのに散々苦労した挙げ句、結局一部しか引き継げていない作業も多いです。
 実質彼ら数名分の仕事は、派遣1人いれば十分にできるくらいです。
 主力メンバーは引き続きコア業務に加えて彼らの引き継ぎ内容のチェック、教育に時間を割くことになり、かえって主力メンバーに負担をかけるような状況に陥っています。

 今週、当部門に新人の女性が配属されてきました。
 他の新人とともに最初は営業事務集中部門で働いていましたが、耳が聞こえづらいという障害があり、電話対応が少なくて済む当部門に転入することになったものです。とはいえ優秀な人材で、表計算ソフトの使い方さえマスターできれば大変な戦力になるでしょう。
 僕を含め主力メンバー一同、唯一の20代、それも前半が来た、と騒いでいます。
 彼女の新しい座席は、老年集団が良く見える位置にあります。彼らのぐうたらな仕事ぶりを見て悪影響を与えないか、ほんの少し気にかけてます。彼らには部会で、新人が来るのだからビジネスマナーや仕事の基本くらいしっかりできるように、と釘刺しておきました。これが自分より年上の人達に向かって言う言葉かと思うと、かなり情けなく思う次第。


3月14日

 やはりこの「祭り」だけは、見逃さずにはいられなかった。

 昨夜、寝台特急<富士・はやぶさ>の最終列車が、東京駅を出発しました。
 発車時刻は18:03ですが、これは会社を定時に退社すればちょうど間に合う時刻です。
 計画通り仕事を終わらせ、東京駅の東海道線ホームに向かうと、

 ホームは別れを惜しむ鉄道ファンなどでびっしり埋め尽くされ、すでに身動きも取れない状態。
 通勤時間のラッシュアワーでもここまですし詰めになることは、何か事故でも起こらない限りありません。
 写真では群衆がバンザイしている格好で写っていますが、こんなすし詰め状態でも何とか列車を被写体に入れようと、カメラや携帯を天高くかかげて必死になっている訳でして。
 反対側の新幹線ホームも、撮影しようとするファンがぎっしり鈴なりです。
 3年前の113系東海道線撤退のときもそうでしたが、あまりにもただならぬ熱気に、今日が特別な日であることを強く感じます。
 ともかくこの状態で出発する列車を見送ります。
 間もなく発車時刻になりました。発車メロディが鳴り始めると、詰めかけた人々の間から
  「富士・はやぶさありがとうー!!
  「さようなら!!
 などといった掛け声が連発。
 そして長い汽笛が鳴り、客車が動き出すと、ファン達は時に雄叫びを交えながら、旅立つ列車を見送っていました。

 列車が出発した後もしばらくの間は、ホームに掲げられた<富士・はやぶさ>用の乗車位置目標や時刻表、イベントのポスターなどゆかりのあるものを撮影しようと多くのファンでごった返していました。
 コンコースでは記念グッズの販売が行なわれていましたが、ここも地下に続く階段まで達するおびただしい行列で1時間待ち。ブルートレイン人気が高かったことが改めてうかがえました。1時間も並んで買うような価値のあるものが見当たらなかったので、あっさりパスします。

 「ブルートレイン」と呼ばれる客車寝台特急の撤退。
 僕が小学生の頃はブルートレインブームで、親からブルートレインの缶ペンケースや文房具を買ってもらったりしました。
 当時愛読していた「コロタン文庫」や「全(オール)百科」などのジュニア向け入門書では、東京発の夜行寝台は10本もある、と解説されていたのを覚えています。<さくら><はやぶさ><みずほ><富士><あさかぜ1号><あさかぜ3号><瀬戸><出雲><いなば・紀伊>、そして急行<銀河>。これらが九州や山陽,山陰方面に向け次々発車するという黄金時代で、僕にとっても憧れでありました。僕が住んでいた東北線沿線にも寝台列車はありましたが、当時の東北方面寝台になかったヘッドマークや食堂車が付いているので、一歩格上の列車という思いがありました。
 その割に実際に乗ったことは少なく、高校時代の鉄道研究会の旅行、大学最後の一人旅に使ったくらいで、これといって印象深い思い出はなかったです。外見のイメージに比べて、インテリアがあまりにも殺風景だったからなのでしょうか。
 そのブルートレインも民営化前後で内装のグレードが少し上がったり、B個室寝台が改造で付けられたりといった設備の充実はあったものの、最近は大きなテコ入れもなく、「乗客が新幹線や航空機に流れて減った」「車両が老朽化した」と言っては列車を削減し、そして昨日のラストランでとうとう最後の砦が崩れてしまった訳です。
 一方で北海道へ向かう<カシオペア>や去年乗車した<北斗星>は、新幹線や航空機では決して味わえない設備の豪華さを売りにして現在でも予約が取りにくい列車になっています。
 北海道方面行きと同じように、九州にも百万都市があり、北海道に負けない魅力的な観光地がたくさん控えています。北海道向け寝台列車にしてきた豪華な設備や営業努力を、なぜ九州方面の列車にできないのかと思うと、本当に悔しくてなりません。

 同じ日に快速<ムーンライトながら>は臨時列車化され、結果、東京駅発の定期夜行は新世代の電車寝台特急<サンライズ瀬戸・出雲>1本だけになってしまいました。かつての黄金時代はもはや見る影もありません。
 <サンライズ瀬戸・出雲>には今後も長い活躍を祈るとともに、できることならば新型豪華電車寝台車両を開発して、東京と九州方面を結ぶ寝台特急を復活してほしいと思うのは、きっと鉄道ファンのみならず多くの人々が願っていることでしょう。


3月10日

 先週、大学時代の合唱団の卒業生に、一斉アンケート調査を行ないました。
 合唱団は例年12月に定期演奏会を開催していますが、今年は45回目の、きりの良い年となります。これを記念して、5年ぶりに現役生と卒業生の合同ステージを実施することが決まっています。
 質問内容は、その合同ステージで歌う曲を何にするか、ということ。
 演奏曲は通常現役生と音楽監督の先生との話し合いで決められるのですが、今回は卒業生の意見を少しでも取り入れたいからか、アンケート調査の依頼が現役の渉外窓口から僕のところに回ってきました。
 現役生から送られてきた依頼メールでは、候補は既に2つにまで絞られていて、
  ・ラテン語の宗教曲
  ・日本語の組曲
 のどちらにするかを、アンケート調査で決めたいという内容でした。

 依頼を受け、まずはこちらでも質問の仕方を考えます。
 単に曲名を記しただけでは、日本語の曲でも難しいものもあるし、外国語でも易しいのがあったりと判断がつきにくいです。
 実際にラテン語の候補曲は比較的易しい、日本語は難しい曲です。そのような難易度の解説を付け加えます。
 また、両候補曲とも過去の定演で歌われたことがあるので、いつ演奏されたかの情報も提供します。ラテン語曲は過去に2回演奏されたことがあり、より幅広い年代の卒業生が参加できる、とも書き添えておきました。
 次に質問対象の範囲。どこまでの人に、どのような手段で調査したらよいか少し悩みました。
 最初は5年前の40回定演の合同ステージに立った人など、出場が見込める人に絞って個別に調べようと思いましたが、最終的には方針を変えて、メールアドレスのある人にできる限り幅広く送って、より多くの意見を集めることにしました。E-mailは郵送のように金をかけることもなく、電話のように手間をかけることもなく、正に時代の利器です。ただ、僕が知っているアドレスは僕の年代の近くが中心で、卒業間もない若い世代のアドレスはあまり知らないので、後輩の1人にお願いすることにしました。ご年配の世代にもまた、OB会組織を通じて別途調査をお願いします。一口にアンケート調査といっても、実行にあたってはこんなに悩んだり、相談を持ちかけたりと隠れた苦労もあるものです。

 質問を文章にまとめ、アンケートメールを一斉に流しました。回答期日まで1週間おきましたが、送信した約50通のうち、1週間で返事があったのはそのうち約2割に満たない8通。
 あまりに有効回答数が少ないので、回答期日を迎えたところで未回答者に再度依頼のメールを送りました。この督促は効果的な手法で、今回も再依頼メールを送った後に6通の回答が返ってきました。
 さて結果ですが..大方予想していた通り、

  ・ラテン語の宗教曲

 の圧勝に終わりました。
 簡単な理由も書いていただいたのですが、自由な時間の少ない社会人にとっては難しい曲を練習する暇がない、とか、幅広い卒業生が参加できる曲を、といった意見が体勢を占めました。これまた予想していた通り。別途依頼していた若手世代、年配世代は全員がラテン語曲希望という結果が返ってきて、人気ぶりがうかがえました。現役渉外窓口には回答結果を速報で伝えておきました。
 今は改めて年代別などといった切り口で回答結果を分析し、表計算ソフトを使ってまとめているところです。
 回答協力者への結果フィードバックも、調査では大切な作業です。調査に自分の回答がどのように反映されているかは知りたいでしょうし、それに応えるのが調査実施者の義務だと思っています。結果は近々合唱団の卒団生ホームページに公開する予定です。


3月2日

 買い物をするたびにお店が付けてくれる、レジ袋。
 ゴミ袋として再利用したり、また何かの用にたたんでしまったりするのですが、
 何分にもゴミをあまり出さない生活をしているので再利用することが少なく、使わずに保管しているレジ袋が増えてしまって少々困っているくらいです。

 レジ袋削減が、環境問題を語る上でよく話題となっています。
 行きつけのスーパーが何軒もありますが、その多くで、買い物の際にレジ袋を受け取らないと、スタンプカードを発行してスタンプを1個押してくれます。1個で5円分、20個たまって100円相当の金券として使えます。
 というわけで、最近ではこれらのスタンプカードのある店で買い物をするよう心がけています。
 買い物1回で5円相当の節約、これを20回やって100円の節約、同時に袋を20枚使わなくて済むわけですから。お金と結びつけることで、環境への意識付けとしてとても有効だと思っています。
 そして買い物のときに持って歩くのが、以前登場したバッグ。大きな物が放り込めるので、重宝しています。
 セカンドバッグや通勤用バッグ,リュックサックを含めてあらゆるバッグには予備のレジ袋を準備してあって、突発で買い物を思い出したときにも対処できるようにしています。

 しかし、そのスーパーの1軒で、時代にやや逆行する動きが!?
 自宅アパートから自転車で数分のところにあるチェーン店、○エツで、スタンプカードを廃止するというのです。
 先週の平日、帰宅途中にお酒を買いに○エツに行って、いつものように「お買い物袋いりません。」カードをかごに入れ、スタンプカードにハンコを押してもらおうとしたら、
 「スタンプカードは終了しました。スタンプ1個につき5円引かせていただきます」
 と回収されてしまいました。
 出口に張ってある告知ポスターには2月19日を持ってのスタンプカード終了と、さらにスタンプカードの引き換えは2月28日までとも書かれていました。
 それにしても何とも突然の終了劇。○エツに買い物をする回数も多くはなく、たまたま行って気付いたから良かったものの、告知期間のうちに行くことがなかったらあやうく満タンのスタンプカードを引き換えし損ねるところでした。
 3月からは1000円以上お買い上げで「お買い物袋いりません。」カードを提示したときに2円引き、というルールに変更するらしいです。
 つまり、お買い上げが1000円未満ではレジ袋があってもなくても値段は変わらない、ということか。これでは消費者のモチベーションが相当下がることにならないでしょうか。値引き額も1回5円から2円になるし、ずいぶんケチになりましたなあ、○エツどの。

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