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週観 道の果てから

2月28日

 GPSロガーを買ってみました。

 まず、GPSロガーって何だろう?どんな目的で使うのだろう?
 要するに、「自分が何時何分何秒に、どの場所にいたか」という位置情報を、衛星からの電波に基づいて記録する機器です。以前は何万もしたであろう位置情報機器も、最近では外国メーカーの製品で5000円程度の値段で手に入るようになり、山歩きのお供としてだけでなくちょっとした旅行やドライブ、外出にも気軽に使えるようになりました。外出時にGPSロガーを持ち歩いていけば、後でこの時間にどこどこのお店にいたかとか、写真情報と組み合わせてこの写真はどこで撮影したか、ドライブでどのルートをたどったか、などといった思い出を記録から振り返ることができます。
 この2月に、国内パソコン周辺機器メーカーのI・OデータからもGPSロガーが発売されました。大手カメラ量販店価格で7,980円と少しお高めですが、単3乾電池1本で使える(他のメーカーは充電式か単4×2本)点や、国内メーカーの製品という安心感から、この製品の発売を心待ちにしていました。
 ちなみに秋葉原の大形カメラ店で購入したのですが、GPSロガーというジャンルがどこにあるのか分からず、広い店内をパソコン周辺機器売場、カーナビ売場、時計コーナー、アウトドア、健康と考えつくあらゆる所を2〜3回巡って血眼で探しても見かけませんでした。でもネット販売では売っていたはず..パソコンフロアのサービスカウンターにたずねたら、店員さんがすぐ真後ろの棚からGPSロガーを持ってきてくれました。問い合わせがあったときだけ見せる種類の商品なのかも。

 商品名は「旅レコ」。旅行のお供として気軽に使ってもらおう、という意気込みがネーミングから感じられます。
 大きさも手のひらに収まるくらいで全くかさばりません。
 電源スイッチを入れると、まず衛星電波の探索を行ないます。電波の状態により探索に時間がかかることがあるようですが、屋外ではおおむね1分ほどで捕捉し、記録が始まります。
 記録は低速(徒歩や自転車)で約30秒おき、自動車で移動するなど高速になると記録間隔が短くなり、時速50kmでは約5秒おき、80kmで3秒おきに記録されていました。
 電車の中にも持ち込んでテストしてみましたが、鉄道車輌の場合窓際近くでないと電波が届きにくいようで、記録が途切れ途切れになっています。地下鉄のトンネル区間に入ってしまうともちろん記録されません。そのとき本体表示は「電波探索中」のままになり、懸命に衛星電波を探しています。地下鉄の駅を降り、地上に出てしばらくするとまた記録が始まります。
 また電波探索中のときが電池を使うようです。電池切れの近い電池でも、起動時に電波の捕捉に成功さえすればその後2時間程度は位置情報の記録を続けてくれます。
 記録中に本体のボタンを1度押すと記録が一時停止し、もう1度押すと(電波を捕捉して)再開します。
 同じ場所に一定時間以上(初期値では60分)いた場合、行動記録はこれを境に2分割されますが、それ未満では1本の連続した記録として残されます。例えば自転車で移動の途中コンビニに立ち寄った、とかの場合では連続した記録として軌跡がつくられますが、ドライブの途中で1時間以上食事したりすると別々の記録となる訳です。電池が切れて交換したときでも、地下鉄でトンネルに入ったときでも、記録の途切れが1時間以内(初期値)であれば連続した記録になります。

 「旅レコ」に刻々と記録された情報は本体では表示することができませんが、パソコンと接続して情報を読み出すことにより、地図上に軌跡として展開させることができます。前述の「何秒おきに記録」というのも地図上の軌跡から割り出すことができたものです。長文になったので、続きはまた次回にでも。


2月23日

 旧世代メディアが入手困難になっている話。

 妻が持っている携帯電話はもう5年も使っている年季物ですが、故障もなく順調に動いています。
 先週亡くなった愛犬の写真の多くがこの携帯のメモリーに入っており、このうちの1枚を遺影に使いたいといいます。
 携帯とパソコンをケーブルで接続する方法もありますが、自分の携帯も含めてパソコンとの相性が良くなく、メモリーカードにコピーして読み出しすることにしました。
 ところが5年前の機種だけにスペックは古く、メモリースロットはミニSDカード、しかも最大512MBまで。1GBのマイクロSDカードをミニ変換アダプターを介して差し込んでも認識しません。
 家電量販店をいくつも回ってみましたが、どこも置いてあるのは2GB以上のSDカードかマイクロSDカード。1GBですら見かけない状況です。 中古の店にならあるかも、と思い、休日に自転車を飛ばしていくつも回ってみましたが、ミニSDは1枚として発見できず。中古の機器があれだけたくさんあふれているのに、対応した中古のメモリーカードが置いていないなんて。メモリーカードは消耗品くらいにしか見られていないのでしょうか。
 秋葉原の店にも何軒と回り、その中の1軒でようやく目的のカードを発見しました。
 値段は590円。1GBマイクロSDカード399円よりも高いです。しかもフルサイズへの変換アダプターは別売。
 しかしもうここにしか置いていないので、この店で買うことにしました。
 変換アダプターがないと肝心のパソコンへの取り込みもできないので、すぐ脇のカメラ量販店に入ってまた捜索。こちらは程なく見つかりましたが、480円、両方合わせて1070円もの出費になりました。8倍の容量の4GBが買える値段とは。
 かくして散々苦心した末ミニSDカードを手に入れることができましたが、今度は端末でフォーマットするのに4桁暗証番号が分からず、翌日本人がドコモショップに持っていって初期化してもらい、さらに1日遅れでようやくメモリーカード、そしてパソコンへのコピーができました。

 記録メディアの容量は5年間で100倍にも拡大しています。5年前は512MBが最大級だったのが、今や64GBのSDXCメモリーカードがほぼ同じ値段で買える時代。10年前はデジカメに8MBのスマートメディアを代わりばんこに差していたのを考えるとまさに隔世の感があります。
 しかしそれだけに機器の陳腐化のスピードもすさまじく、例え故障していなくても5年で時代遅れとなり、市場からの退場を余儀なくされるようです。旧世代メディアが発売されなくなるのも、陳腐化の一翼を担っているのではないでしょうか。
 中にはその機器に愛着を持って、何年も使い続ける人も少なくないでしょう。中古ハード専門店もかなりの市民権を得ていますし。なのに対応するメディアが手に入らないせいで使えなくなった、というならば悲しいです。スマートメディアやマルチメディアカード、ミニSDメモリーなど、市場から姿を消した規格、そして小容量のメモリーカードは数多いです。採算がとれないから、時代に合わないからと生産を中止するのではなく、使い続ける人がいる限り多少価格が上がっても供給を続けるのが企業としての責任ではないか、と今回の大捕物を通して強く感じました。


2月13日

 今日はこの場で悲しい報告を1つしておかなければなりません。
 我が家の一員、愛犬のチャッピーが、今朝、天に召されました。

 最近は歩き方が少しよたよたしてきたり、目が白内障気味になったり、おもらしが多くなったりと老化を隠せなくなっていましたが、食欲は旺盛で、まさかこんな急に亡くなるとは思ってもいませんでした。
 昨日も夜までは普段通りでしたが、夜遅くになって突然
 ワウーン、ワウーン
 と遠吠えに似た鳴き声を何度も繰り返し始めました。
 今までこんな鳴き方をすることはなかったので、家族一同驚きました。これはただごとではないと。
 明日の朝動物病院に連れていこうと思い、その晩は何とか寝かしつけました。
 その後も少しの間は鳴き続けていましたが、夜が明ける頃には息を引き取ったようで、冷たくなっていました。

 義母の話によると、チャッピーが家にやって来たのは平成6年9月、16年も前のことでした。
 当時は他に柴犬親子が3匹もいて、家の中は犬だらけでにぎやかだったそうです。
 3匹の柴犬も寿命が来たり、あるものは行方不明になったりして姿を消し、最後に残ったのがポメラニアンであるチャッピーでした。そのチャッピーも16歳を過ぎ、後期高齢犬どころか長寿犬の年齢になっていました。10年ほど前に亡くなった義父の、忘れ形見でもありました。

 午後、ペットの葬儀屋を呼び、妻の姉夫婦も揃ってしめやかに葬儀を行ないました。
 葬儀といっても、亡骸を車に積んだ棺桶に納め、手を合わせるといった簡単なものです。
 天国でも餌に困らないよう、ドッグフードといくつかの花も一緒に納めました。
 火葬は一体ずつ個別に行なわれ、小型犬で23,000円かかるそうです。
 そして明日の朝にはお骨になって届けられるとのこと。

 今夜から、チャッピーのいない生活が始まります。
 16年余りを共に過ごしてきた妻や義母にとっては最愛の家族を失ったも同然で、やや放心状態です。
 この悲しみから早く立ち直ることを祈りつつ。


2月9日

 4ヶ月ほど前、ヒラマキガイを飼い始めたことを書きましたが、
 残念なことに、28匹いた仲間の大半は死に、今や1桁になってしまいました。
 どうやら12月から1月の寒さに耐えられなかったのが原因のようです。
 ヒラマキガイは多少汚い環境でも繁殖できる生命力の強い貝類と聞きましたが、
 サーモスタット付き水槽で温室育ちされていたせいか、10℃を下回る冷たい水は経験したことがなかったようで。
 1月に入って週に5匹ずつ墜ちる事態に直面して、初めて貝が寒さに弱いことを知り、ここでようやく対策を講じることにしました。

 まず貝を飼っているプリン容器の置き場所を、自分の部屋からリビングに移しました。北側にある自室は朝でも暖房を付けないため昼過ぎまでは室温があまり上がらないのに対し、リビングは朝から食事をとったり、犬の居場所となるので暖房を付けている時間が長くある程度の寒さ対策になります。
 それでも真冬の朝はリビングの室温が6℃まで下がることがあるので、就寝時間中の冷え込みへの対応を考えました。
 手元にある小さな段ボール箱に、貝を飼っているプリン容器と、約40℃のぬるま湯が入ったペットボトル2本を入れて箱を閉めます。箱が薄いので上からさらに毛布で包み熱をなるべく逃がさないようにしました。翌朝までには熱が逃げて室温と大して変わらなくなりますが、1分でも暖かい時間を延ばすのには効果があったようで、以来貝が立て続けに死ぬようなことはなくなりました。
 翌週、実家からお土産の野沢菜が入っていた発泡スチロールの容器を持ってきました。薄手の段ボールと比べて保温効果は段違いで、お湯の量がジャムの小瓶1個(この大きさまでしか入りませんが)でも、翌朝まである程度の暖かさが残っています。

 こうした対策のおかげで、残った貝は元気を取り戻しつつあります。
 あとどれくらい長く生きることができるか、子孫は誕生するか、これからが本当の観察どころになります。

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