メゾン 道の果て

7月31日

 1学期の終わりに理科の6時間連続授業があった話をしましたが、この中で、
  「乾電池の直列つなぎと並列つなぎ」
の学習がありました。
 自分が子供だった頃にも乾電池を使った実験があり、記憶では乾電池を直列つなぎにすると電圧が個数分倍増する、並列つなぎでは電圧は変わらず電流の量が増える、と教わったと思っていましたが、実際には違うようです。
 改めて現行の教科書を見直すと、
・乾電池を2個つなげると(直列つなぎ)、電流の量が2倍になる。
  →従って、回路に豆電球1個を入れた場合、2倍の明るさになる。
・乾電池を並列に1個ずつつなげても、電流の量は1個のときと変わらない。
  →この場合、回路に豆電球1個を入れての明るさも変化しない。

 小4レベルでは電流については教えますが、電圧という言葉は現れません。ご存知のように実際には直列つなぎでは電圧も乾電池の個数分倍増するのですが、これは中学2年になって、電球側の直列並列つなぎと同時に学習するようです。
 話を戻して、直列つなぎでは電流量が増えて電球が明るくなる、並列つなぎでは変化がない、ということは分かりましたが、それではなぜ、小4の段階で乾電池の並列つなぎを教えるのでしょうか。
 現実に乾電池を複数個使っている電気製品は、そのほとんどすべてで直列つなぎ、乾電池を連続して収納する構造になっており、電圧表示も使用する乾電池の個数に応じて倍増となっています。並列つなぎの商品がもしあるとするならば、乾電池を2個以上収納できる場所に1個入れただけで動作するはずですが、そんな商品など聞いたことがありません。並列つなぎをするとその個数分だけ1個当たりの乾電池の消耗が遅くなって長持ち、ということにはなりますが、それならばもっと容量の大きな、単2や単1の乾電池1本で済ませられます。実生活ではほとんど使われることのない乾電池の並列つなぎを、小4の段階で教えることには疑問を感じます。

 授業では、電流を測定するテスターを用いて、電流の流量を見せたそうです。各学校に1台はあるようで、授業のときに先生がテスターを操作し、それを各生徒が見て回ったとのことです。そしてテストの答案用紙にも、テスターの写真が印刷されていました。
 電流測定のテスターも、実生活ではなかなか使わない代物です。似たようなものとして乾電池チェッカーがあり、我が家では針式の簡単な構造のものを愛用していますが、これも電流というより電圧を確認するものであって、学校教育と実生活とで物事の考え方が少しずれているような気がしてなりません。


7月23日

 梅雨に逆戻りしたかのような、一息ついた1週間を経て再び真夏がやってきましたが、庭の花達も最盛期が戻ってきたり、元気がなくなったり、それぞれが天候に振り回されて大変な思いをしているようです。コロナの新株による感染拡大が過去最悪を更新する中迎える今年の夏休み。庭の植物の名前を覚えることが親子の自由研究になりそうです。

    
クレオメ(西洋風蝶草)
 和名の通り蝶が飛んできそうな可憐さを誇ります。プランターいっぱいに種をまいたらたくさんの芽が出て競争しあい、鉢の中はちょっとした森のようになっています。株ごとに微妙に違う花色も見て楽しいです。
カリブラコア
 「サンバ ローズキッス」という、濃いピンク色の花が付く商品名です。7月になって花期を迎え、茎を左右に伸ばして存在をアピールしています。
ゴールドコイン
 北アフリカ地方原産のキク科植物です。7月初に見頃を迎えましたが、花期は短いようです。
ニチニチソウの競演。左の鉢は新入りで、7月初から開花が始まり、今や3色の花で埋め尽くされるまでになりました。
右は6月14日に登場した鉢のその後です。メカルドニアを含めて最盛期を迎えています。
6月30日に登場したイベリスのその後。最近になってようやく花が開きました。
寄せ植えしているメカルドニアは気候によって花が開いたり閉じたり。まさにお天気屋です。

7月14日

 小学4年生の1学期が、終わりに近づいています。
 国語では、新しい漢字をたくさん習ってきます。毎日のように漢字書き取りが宿題のメニューとなり、去年までとは宿題にかける時間が倍増しています。宿題処理で夕食がずれ込むこともしばしば。子供も大きくなると大変な思いをしています。
 その新しい漢字では今、全国の都道府県名に使われる漢字を一通り学習しています。
 北は北海道から南は沖縄まで、全国47都道府県名を読み書きできるようになることで社会科、日本の地理の理解に直結するという狙いがあると思いますが、都道府県名漢字の中には、その県名以外の目的でほとんど使われないのではないか、というのもあります。
 その最たる代表といえるのが我が県、埼玉の「埼」。
 日常生活では県名の「埼玉」以外、まず使うことがありません。
 1つだけ、佐賀県の吉野ヶ里遺跡最寄りの町名、駅名の「神埼(かんざき)」が思い当たりますが、とにかく地名以外の用途で「埼」が使われているのを見たことがありません。
 気になって子供から漢字辞書を借り、「埼」に他に用例がないか調べてみました。「山の端が平地に突き出たところ。または陸が海に突き出たところ」という意味で、用例は「犬吠埼」「日ノ御埼(MS−IMEでは日御碕と変換した)」。いずれも地名でした。
 岐阜の「阜」、愛媛の「媛」も同様です。辞書では「阜」は丘、豊かな様子という意味ですが県名以外で用例なし。「媛」はしとやかな女性を指し、こちらは「才媛」という用例がありました。
 また上記3例ほどではありませんが用途が限られるものとして、茨城の「茨」、栃木の「栃」、新潟の「潟」、滋賀の「滋」などが上がってきます。いずれも日常生活ではなかなか使わない文字。覚えさせ読めるようにするのはともかく、県名以外でまず使わない漢字を小4レベルで書き取りまでさせるのは多少無理があるように思います。
 振り返って自分が小学生のときはどうだったか。これらの漢字を小学校で習った記憶がありません。何となく中学校前後になって習ったような..もう40年も昔のことなので忘れてしまいました。

 終業式が近くなると授業の科目も消化試合の様相で、今日は2〜6時間目まですべて理科でした。明日も1時間目は理科。同一科目を6時限連続ぶっ通しとは聞いたことがありません。同じ理科でも夏の生き物、電流のはたらき、星座、と内容が少しずつ違い、子供にとっては楽しい様子でしたが。

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