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旅行記 「目指せ、道の果て」

Vol.1 道東ツアー'05

 今回のツアーは3連休+1日を使った4日間。いつもと同じく、昼間できる限りの時間を列車から景色を見るのに使う、ということで時刻表とにらめっこして悩んで生み出された、最も効率よい行程が、千歳→帯広→北見→旭川→帯広→釧路(根室へ往復)→網走→旭川と、北海道の東西方向を2周もする行程になってしまいました。でもそれだけ景色も楽しめるわけですし。それではまいりましょう。

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平成17年10月10日更新

(1日目:9月16日(金))

 東北線の上り朝1番の電車に乗り、上野,品川で乗り継ぎ京急空港線から羽田空港に7:32到着。
 空港到着後すぐにチェックインし、朝食(マグロカツサンド)を買って飛行機に乗りこむ。

 羽田空港8:00 JAL1007便 B747-400 JA8905
 8:00の予定を数分遅れてウイングを離れた。実際の離陸は8:17頃。高度10,000mの上空は気持ちよいくらいの快晴。窓の外はまぶしすぎるほど陽射しが降り注いでいる。

 1時間ほどすると、北海道の陸地が眼下に見えてきた。機体下カメラの映像がスクリーンに映し出されている。一面に広がる田んぼ、細い川が流れ、道路と鉄道が、そして1両編成と思われる列車が見えた。やがて左に大きく旋回し住宅地の上空を飛んだかと思うと、カメラが前方のに切り替わった。さらに5分ほどしてようやく滑走路が見え始める。そして新千歳空港に9:36頃無事着陸した。
 後でロードマップで調べたら、どうやら苫小牧から室蘭本線上空をまっすぐ由仁(ゆに)辺りまで進み、そこから北広島を通過して新千歳空港に入ったらしい。南千歳で降りて、北東方面から次々飛行機が着陸しているのを見て、さらに確信した。

 新千歳空港10:04 3863M 快速<エアポート101号> クハ721-5201(旧2001)
 新千歳空港から地下区間を1駅、2分ほどで南千歳に着く。札幌方面には15分おきに<エアポート>が走っていて便利であるが、今回は札幌方面には立ち寄らずに、南千歳で下車。
 空港以外に何もない、単なる乗り換え拠点だったが、最近になって駅東側(旧千歳空港の反対側)にショッピングモールができていたので、ここで少し時間をつぶす。平日朝ということもあり、客は少ない。
 南千歳10:38 2633D 普通 キハ40 1701(旧239)
 本来ならば次の<とかち>またはその後の<スーパーおおぞら>でも、目的のちほく高原鉄道に乗り継げるのだが、できるだけ多くの車両に乗っておくこと、普通列車の雰囲気を味わうことで、まずは1区間を普通列車に乗ってみた。インテリアは国鉄時代のままの青い座席で、少し感激した。南千歳〜追分は1区間だが、駅間は17.6kmもあり、途中に行き違い用の信号場が2つもあった。2つ目の信号場で特急の行き違い待ち。3分後、轟音を立てて通過していった。

キハ40の車内は、国鉄時代そのままだった。

 追分 11:08 33D 特急<とかち3号> キハ183-501
 追分で後続の<とかち>に乗り換える。石勝線は昭和56年に開通した比較的新しい路線だが、追分から新夕張にかけては夕張線の線路を強化して組み込んでいる。旧夕張線区間はカーブが続く。新夕張からは再び新線区間。この付近は普通列車が1本もなく、乗車券だけで特急に乗れるような特例がある。途中に占冠(しむかっぷ)、トマムの2駅があるが、これ以外に新得までに信号場が12ヶ所もあった。特急や貨物列車との交換も多く、それだけ重要な路線であることがいえる。トマムの少し先のトンネル内にある信号場で根室本線に合流し、大カーブで山を下ると新得。ここからは平地となり、沿線の人家も少し多くなる。とはいえ北海道、牧場が多い。

 帯広 13:54 2551D〜701D 快速<銀河> キハ40 1741(旧166) / CR70-6
 帯広を出るときは3両編成(キハ40 1774(旧235)+キハ40 1741(旧166)+CR70-6)だったが、池田で折り返す際に2両を切り落とし、CR70形1両のみで北海道ちほく高原鉄道に入る。

ちほく高原鉄道 CR70形。
池田にて

 北海道ちほく高原鉄道は平成元年に池北線を引き継いだ第3セクター鉄道だが、経営環境が悪化し来年春に廃止されることになっている。この日も平日というのに、ファンが多数乗りこんでいた。運転室脇のスペースで前面展望をしたり、録音したり。もっとも僕もその後ろから展望風景をビデオで撮り続けていたので他人のことは言えまい。
 沿線風景は最初は北海道らしく丘をアップダウンする区間が続くが、やがて森の中を分け入るように進む。人家もほとんど見られなくなる。鉄道が今まで存続できていたのが信じられないほど。山をトンネルを1つも使わずに越え、平地に戻ると置戸(おけと)。既に池田から100km以上も走っている。残りの約30kmは広大な畑の中を進む。玉ねぎが掘り返され、青いコンテナーに詰められて発送を待っている。
 終点の北見駅手前で重大な発見。線路際に、廃車になった国鉄の除雪機関車や郵便車の姿が見えるではないか。北見で1時間余裕があったので、早速現場に向かった。個人宅の敷地にあるようだが、線路のすぐ脇なので否応無しに目に付く。内容は除雪機関車DD14 312、除雪貨車キ754,キ229、急行形気動車キハ27 36、郵便客車スユ15 2033、車掌貨車ヨ8083,ヨ4674,ワフ29570。特に郵便車は新製から4年ほどしか使われずに廃車になった薄幸の車両で、現役時代よりも保存期間の方がはるかに長い。他にターンテーブルなどが置いてあった。

 北見 18:08 18D 特急<オホーツク8号> キハ183-5
 すっかり日が落ち、夜になった。駅前の東急ストアで食糧を買い込んで乗り込む。乗車したキハ183-5はインテリアが国鉄末期仕様のままだった。途中遠軽で方向変換するが、乗客が協力しあって座席を回転していたのが印象深かった。旭川には20:59着。
 今日の宿泊は旭川の東横イン。旭川といえばラーメン、ということで、今日は地元有名店の「一蔵(いちくら)」に行ってみた。ぽくぽくした食感の麺は、やはり旭川ならではか。

 2日目に続く

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