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「目指せ、道の果て」 Vol.2 中国山地のローカル線ツアー'06

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平成18年10月9日更新

(1日目:7月28日(金) 後編)

 上郡13:09 73D 特急<スーパーいなば3号> キハ187-1503

鳥取にて

 上郡では5分の接続で<スーパーいなば3号>に乗り継ぐ。青春18きっぷで乗れない列車なので乗車券・特急券を別途購入する必要があったが、1つしかない窓口が混んでおり、車内で求めることにした。
 列車は岡山方面から上郡駅に進入し、ここで進行方向を変えて智頭(ちず)急行線に入る。2両編成の列車は夏休みの金曜日ということもあって行楽客でデッキまで混雑していた。それでも平日だけに、スーツ姿の客も見受けられる。
 最後部のデッキに立ち、後方展望を楽しむことにした。智頭急行線は国鉄末期に建設が止まっていた新線を地元自治体が引き受け第3セクターで会社を設立、平成6年12月に開業した。途中に踏切がなく高架と築堤と長いトンネルで瀬戸内と山陰を直結し、最高速度130km/h運転が可能な高規格在来線。京阪神と鳥取の間では最短ルートとなり、大阪と鳥取の間を特急<スーパーはくと>が2時間半で結んでいる。
 一方、乗車中の<スーパーいなば>は岡山対鳥取での輸送を担い、従来の津山・因美線ルートに代わって新たに設定された。キハ187系は130km/h運転対応車両で、エンジン音を辺りに響かせながら、ぶっちぎるように疾走する。小さな駅が吹き飛んでいくようにに遠ざかる。
 佐用で姫新線に接続後、再び北を目指す。途中に「宮本武蔵」などゆかりの駅名もあったりするが、車窓からの風景はどこにでもあるような日本の山里そのもの。それでも新線区間の豪快な高速運転は気分が良い。
 智頭急行線は智頭が終点で、ここからは因美線に入る。因美線に入った途端にスピードが落ち、鳥取への残り区間をゆったりと流してゆく。ここも軌道を強化すれば、あと数分はスピードアップを期待できるのだが..。
 郡家(こおげ)を過ぎると、進行方向左側の山の頂上に、大きな風車が3基建って羽根を回していた。風力発電をしているのだろうか。この区間最大のランドマークである。
 12:54鳥取着。ここまでついに座ることができなかった。県庁所在地でもあり、大勢の乗客がここで下車した。
 次の列車まで1時間弱の待ち時間がある。砂丘に出るにはバスで30分もかかるし、中途半端な待ち時間だ。せいぜい駅前を歩いて回るくらい。駅構内は高架化されているが、架線が1本もない高架駅は空をさえぎるものがなく想像以上に広さを感じる。北口は官公庁や商店が建ち並ぶ街の中心だが、南口は駅を降りると即住宅地である。駅前すぐのところに親水公園があり、心を和ませてくれる。

鳥取駅南口にある親水公園。周辺はマンションが多い。

 鳥取13:48 1337D 普通 WT-3001
 鳥取から若桜(わかさ)鉄道直通の列車に乗る。若桜鉄道の車両が受け持つ。車内は高校生達が多く立席がでる状況。
 列車は今来た因美線を少し戻る。若桜鉄道線は郡家から分岐する。1つ目の八頭高校前(やずこうこうまえ)で生徒がさらに乗ってきた。先ほどの大きな風車は、若桜鉄道線に入っても進行方向左側後方にしばらくその姿を確認することができる。沿線は果樹園が多く目に付く。丘を上り下りしながら、約50分で若桜に到着した(下写真左)。
 折り返し列車までの時間、駅周辺を少し歩いてみた。駅周辺は古くからの民家が建ち並び、路地裏には土蔵の白壁が続いている(下写真右)。観光地化、俗化されることもなく、地元住民の手で町の歴史が守られているのが印象的だった。

 若桜15:16 1340D 普通 WT-3001
 折り返しの列車は、前方にWT-3003を連結した2両編成で運転した。乗客数は少なく、ボックスで足を伸ばして車窓を楽しむ。30分で郡家に着く。

 郡家15:54 659D 普通 キハ47 41
 因美線をさらに智頭へ戻る。車両は「タラコ色」と呼ばれる赤1色のキハ47形2連。国鉄末期には全国中でみられたこの色も、JRになってから各地のオリジナルカラー化で姿を消し、イベント用を別にすると今や鳥取県地方の車両でしか見られなくなった。前方に連結しているキハ47 80は最近の更新修繕で側窓の窓枠を交換しており、新しい窓枠と国鉄カラーとの組み合わせが奇妙だ。

左がキハ47。右がここから乗車するキハ120。
智頭にて

 智頭16:29 683D 普通 キハ120-358
 智頭から山越え区間に入る。車両は西日本の新型気動車キハ120の単行だった。乗客数も多くない。
 先ほど乗ってきた智頭急行線と別れ、山をさらに分け入る。智頭急行線経由の特急<スーパーいなば>が設定されるまではこちらのルートに急行列車が走っていたが、現在は廃止されてしまった。輸送量の少ないローカル線のせいか、線路の保守も手抜かれるようになったようで、ところどころで制限速度20km/hの標識が建ち、止まる寸前までスピードを落とす。2つ目の那岐(なぎ)を出て間もなく長いトンネルで峠を越え、岡山県側に入る。加茂川の流れに沿い、転がるように坂を下ってゆく。美作滝尾(みまさかたきお)付近から盆地に入り、建物の数が増えてきた。津山都市圏に入ったようだ。東津山で姫新線に合流し、次が終点の津山だ。

 津山17:50 3941D 快速<ことぶき> キハ47 18
 10分の接続で津山線の快速に乗り換えるが、2両編成のこの列車は座席がほぼ埋まり、立ち客も見られる状況。乗客はスーツ姿も多く見られ、岡山と津山を結ぶ都市間利用が多いことがうかがえる。
 津山を出ると2駅通過で次は亀甲(かめのこう)。亀の首が突き出しているユニークな駅舎を持つ。
 以下、弓削(ゆげ)、福渡(ふくわたり)、金川(かながわ)と停車する。沿線は右に左に山の中だが、長いトンネルを抜けることなく、川の流れに沿って岡山まで向かう。その皿川は、途中でいくつもの支流を集め、誕生寺川、旭川と名前を変えて川幅が広くなる。
 列車は駅に止まるごとに乗客の数が増え、金川ではドア付近が立ち客でいっぱいになった。終点の1つ手前、法界院でもさらに乗客が乗り込み、ついに身動きが取れなくなった。これだけの利用客がいるのだから、岡山周辺地区での列車の増発・増結も考えてほしかった。またこの列車は快速だったが、グレードの高い車両を入れてライナー料金を取れば多少の儲けにもなると思うが。

津山にて

 岡山19:18 1332M 普通 クモハ115-1546(旧番モハ115-1117)
 幸い岡山から出る列車は6両編成。転換シートの豪華仕様に改造された115系で、座席はまだいくつも空いていた。今日はこれで安心して宿泊地の姫路まで戻れそうだ。岡山を出てほどなくして日が沈む。乗客も各駅に停車するごとに減ってゆく。
 気が付いたら電車は兵庫県内に入っていた。バスで寝付けなかった分、一気に睡魔が来たようだ。
 終点の姫路に20:45着。今夜は駅前すぐの「サンルート姫路」に宿泊する。

 2日目に続く

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