メゾン 道の果て

「目指せ、道の果て」 Vol.2 中国山地のローカル線ツアー'06

 前編に戻る
 関連コラム 8月5日分

平成18年12月3日更新

(3日目:7月30日(土) 後編)

 厄神12:55 131レ 普通 ミキ300-104
 厄神から分かれる三木鉄道に乗車する。加古川線の電車の接続を取って、1時間おきに小型気動車で運行されている。混雑していた加古川線から乗り継いできた乗客は何と、自分を含めてたった3人だった。残る2人は地元の小学生女子のようで、関西弁でにぎやかにしゃべっている。
 その3人の乗客で、列車は出発する。北へ向かう加古川線と離れ、三木鉄道線は東へと歩を進める。終点の三木までは6.6km、所要13分で着く。沿線は田園地帯ながら、住宅も時折見かける。三木鉄道は国鉄末期の昭和60年4月に第3セクター経営に移管された。しかし大都市神戸を控える環境にありながら、神戸方面に出るには加古川を大回りしなければならず、さらに別会社化で通算運賃が高くなったことによって利用客は減少していったという。報道ではあと1年半後には廃止する計画とのことで、路線の存続が危機的状況となっている。
 終点の1つ手前、(三木)高木で小学生が降り、わずかな区間、貸切状態になった。三木には13:08着。
 三木駅構内は広く、味わい深い古き木造駅舎や貨物ホーム、倉庫がある。昔ここが地域の貨物拠点だったことを物語る。

 ここから神鉄三木までは徒歩所要15分余り。真夏の日射しが照りつける中、駅前通りをまっすぐ進んで川を渡ると、やがて神戸電鉄粟生線の踏切が見えてくる。右折して通りを進むと、目指す神鉄三木駅にたどり着く。駅は思ったほど大きくなく、コンパクトにまとめられている。

 神鉄三木13:32 普通 デ5020
 神鉄粟生線に乗車した。昼間は4両編成の電車が15分間隔で運転され、しかも神戸市内まで直通するだけに大変便利で、実際に乗客も多い。神鉄の象徴は何といっても急勾配の上り下りだろう。最大50‰(パーミル、=5%)のアップダウンがこの粟生線にも随所にあるが、神鉄の電車は持ち前のパワーで丘や谷をあっけなくクリアする。乗り換え拠点である鈴蘭台までは約30分ほどで到着する。ここから神戸市中心部へは50‰連続下りという最大の見所が待っているが、今日は有馬線方面に乗り換える。

鈴蘭台にて。神鉄の最新型車両5000系。

 鈴蘭台14:10 普通 デ3109
 新開地から山を登ってきた電車に乗る。有馬線は沿線の住宅開発も進み、緑の中をアップダウンしながら東に進む。
 途中の谷上で一旦下車する。谷上駅は神鉄線と北神急行線が昼間は同一ホーム面でそのまま乗り換えることができる。階段の上り下りも中間改札もなく、バリアフリーが実現されている。神鉄側は下りと上りの両方が同じ1本の線路・ホームを使うことになるので、反対方向の電車に間違って乗ってしまう危険性が増えたが..。北神急行はこの谷上が終端駅で、路線は神戸市営地下鉄線に直通している。駅の自動アナウンスは終日、3号車が女性専用車であることを伝えている。神戸市営地下鉄と、これに相互乗り入れしている北神急行は、全国でただ2つ365日24時間女性専用車を設定している事業者である。平日朝夕の混雑時間帯ならともかく、痴漢の被害が通常発生しない昼間や土曜休日まで含めて毎日終日女性専用車を設定するのは男性差別であり、極めて不快である。それともそうしなければならないほど治安が悪い路線とでもいうのか。

谷上にて。アルミ車体の3000系は昭和48年から製作された。

 谷上14:36 普通 デ3103
 有馬口14:50 普通 デ1106
 再び神鉄有馬線で東に移動する。幹線道路と住宅団地が点在する緑の丘を上り下りすること11分で有馬口に着く。有馬温泉へは有馬口で区間運転列車に乗り換える。有馬口を出ると電車は人家のほとんどない森の中へ突っ込んでゆく。カーブを何回か曲がり、トンネルを抜けると有馬温泉に到着する。
 駅前はたくさんの観光客でごった返していた。有馬温泉は20年も前に高校の鉄道研究会旅行で宿泊したことがあるが、坂が多いことと、お湯が鉄分で真っ茶色だったこと、タオルを浸けたら茶色く染まったことくらいしか記憶がない。この訪問で20年前の記憶を呼び覚ました。そうか駅前に川が流れていたっけ。ただ最近になって改修された部分も多いようで、駅がリニューアルされたり、川に親水公園?ができたり..。

 有馬温泉15:10 普通 デ1106
 有馬口15:18 普通 デ5002
 有馬口に戻って乗り換え、三田線と変わったメインラインを北へ進む。線名こそ変わるが、電車は起点の新開地から三田までを通して運転している。この辺りまでくると開発があまり進んでいないようで、田畑も数多く目に付く。そのような中、岡場付近だけがニュータウン然としており一層際立つ。有馬口から(神鉄)横山までの所要時間は17分。

 (神鉄)横山15:39 普通 デ1503
 (神鉄)横山から新しい支線が分岐している。この新しい路線が公園都市線で、平成3年にフラワータウンまで、平成8年にウッディタウン中央までが開業している。電車は三田からの直通運転、昼間は三田線と同じ15分おきに電車がやってくる。(神鉄)横山を出てすぐにトンネルに入り、抜けるとフラワータウン。この先は整然と並んだ一戸建て団地群と幹線道路に挟まれながら南ウッディタウン、ウッディタウン中央と進む。

古い車両に見えるが、これでも平成3年生まれの若手。ウッディタウン中央にて

 ウッディタウン中央16:00 普通 デ1503
 三田16:34 1188B 普通 クハ206-1051
 折り返しの電車で三田に向かう。(神鉄)横山で三田線に合流し、三田本町、三田の順に停車する。これにて神鉄三田線は制覇完了。
 三田からは福知山線に戻る。2日前の朝通った渓谷を貫く長いトンネルを、住宅地を、そしてあの事故現場を通り大阪への道をたどる。事故現場の黒い地蔵が見えたとき、再びそっと手をあわせた。

 大阪18:00 3286M 新快速 サハ223-1033
 大阪で下車し、軽く食事と買い物をしていたらあっという間に夕方になってしまった。18きっぷの利用区間を伸ばし、新幹線代を少しでも安く上げようと、米原までは在来線を利用する。
 新快速は買い物帰りの乗客で大混雑。京都で入れ替わりがあったものの座席にありつけず、大阪から1時間近く走った野洲(やす)の辺りでようやく座れた。ここまで来ると沿線風景は一面の水田地帯へと変わる。日の入りの刻、西に日は落ち、空は少しずつ黒味を増してゆく。19:22米原着。

 米原20:06 552A <こだま552号> 323-42
 名古屋20:44 6190A <のぞみ190号> 323-53
 不覚にも、米原19:29発の<ひかり384号>を逃がしてしまった。ホームに切符を持って入ってしまった以上、今さら抜け出す訳にもいくまい。弁当と酒を買って30分以上、次の列車を待ちわびる。米原からの<こだま>、名古屋で乗り継いだ<のぞみ>ともに東海の300系だった。<のぞみ>用として華々しく登場した300系新幹線も、今や<のぞみ>に運用されるのは臨時列車に限られる。新幹線の世代交代の早さを感じつつ、東京までの時間を過ごした。
 さて、明日はまた新幹線で大阪まで1往復。資料を取りに一度会社に出社するので、再度東京と大阪を往復しなければならないが、数少ない西日本の700系運用に乗るスケジュールなのでまた楽しみだ。

道の果てから バックナンバーへ
トップへ戻る