メゾン 道の果て

えんぷつ 週観 道の果てから

3月26日

 つい先ほど、箱根一泊旅行から帰ってきました。
 というのは、合唱団の50周年記念誌編集委員会の打ち上げを「箱根一泊」で行なうことになり、これにお供した訳です。
 箱根一泊はつい2年前に会社の部内旅行で行ってきたばかりですが..。ともあれ、ついて行きました。

 行きの小田急ロマンスカーは2年前と同じ7000系LSEでした。自宅の冷蔵庫で冷やしてきた缶ビール1ダースを持ち込み、車内で乾杯。昼間から(お約束の)宴会状態です。他の参加者は60代前後の方々ばかりで、自分だけ30代という、少し変わったグループ構成ですが、順調に行程は進んでいます。ただ60代グループにしては飲みのペースが速く、小田原に着かぬうちに1ダースを空けてしまうとは。
 登山鉄道〜ケーブルカーと乗り継ぎ、中強羅駅脇のリゾートホテルで一泊。夕食がたくさん出され、酒も一通り飲むと動けなくなったようで、割合早々にしてお開き、となりました。

 翌日、というか今日ですが、朝はゆっくり起きて9:30に送迎バスで早雲山、ロープウェイで大沸谷へ。玉子専用ロープウェイがまた見られるのを期待しましたが、寒さと強風により早々に退散。桃源台に降ります。海賊船で箱根町、杉並木を歩いて元箱根へ。
 元箱根では2つの美術館を回りました。1つは「箱根芦ノ湖美術館」。西洋絵画専門の美術館で、世界の名画が2〜5階のフロアーに多数展示してあります。その絵画が描かれた背景の解説が細かく、これを読んでいるうちに思わず時間を喰ってしまいます。
 もう1つは「成川美術館」。こちらは日本画を展示しています。西洋画と同じ絵でありながら、西洋画にない独特の主張をしている日本画に、また改めて魅力を感じました。ラウンジに展示してある万華鏡の数々もまた美しいこと。しかし箱根の観光地にこれだけ絵画を展示しているとは思いもよりませんでした。

 元箱根からは箱根新道経由の路線バスで箱根湯本へ。帰りのロマンスカーは....またしても7000系でした。2年前の箱根の時から連続4回目です。
 今回の旅行は反省会を兼ねて、という話にはなってはいましたが、ちっとも反省会はなかったようで。それでも今後も引き続き、合唱団のOB会が結束を続けてゆく、1つのきっかけになったことは間違いないでしょう。

 最後に、2年前に撮れなかったカットを。

箱根ロープウェイの大沸谷〜桃源台間。
旧型ゴンドラによる運行はこの春で最後だそうです。惜別記念。
箱根海賊船「ロワイヤル」(左)と「ビクトリア」。
今回は「ロワイヤル」に乗りました。
そういえば2年前も「ロワイヤル」だったなあ....。

3月21日

 5日の本欄で、猪苗代の日帰りスキーの件を書いたら、高校時代の鉄研仲間から早速、
>行くなら、一声掛けてくれれば一緒に行くのに・・
 というメールが送られてきました。俺はまだ行く気満々、とか書いてあるし。
 それならばという訳で、この友人と今シーズン2回目のスキーツアーに出かけることになりました。
 1シーズンに2回もスキーに出かけるのは、実は初めてのことで。

 目的地は3年前にも行った湯沢中里スキー場。
 「青春18きっぷ1回分2,300円で行ける」
 「駅から0分」
 「旧型客車の休憩所付き」
 この3点セットが鉄にとって十分殺し文句になったか?一二もなく決まりました。

 大宮で8:50に待ち合わせ、高崎線の普通列車のグリーン車に乗り込みます。18きっぷでも別料金を払えばゆったりとグリーン車の旅を味わえます。行きから早速ビールとおつまみが出てきたり。
 高崎で1度乗り換えます。遠かった山が近くなり、やがて川に沿って坂を少しずつ上って行きます。水上駅が近づくと地面に雪が積もり、ついには空から雪がちらちらと舞い始めました。水上で再び乗り換え、トンネルを抜けて越後中里に到着。所要約3時間です。

 時々雪が舞う天気。最初はのんきに構えていましたが、やがて風が強くなり、ついには地吹雪状態に。
 周りは真っ白になって数メートル先が見えなくなるほど。これがホワイトアウトっていうのか。
 それでもリフトは動いているので乗り込みますが、滑っているとおでこの熱がどんどん下がっていく。凍傷になりそうなので、適度に休みながらゆっくり滑ります。今回のツアーはそうした意味で、少し恐怖感を覚えました。髪の毛は見事なまでに凍り付き、食事をするのに暖房の効いた部屋に入ると一斉に溶けだして収拾がつかなくなる。

 越後中里といえば旧型客車の休憩所。今回はお座敷タイプと近代化改造車を紹介します。

1号車と12号車にあたる車両は、座席を取り払って板張りの座敷スペースに改造しています。
 スハフ42 2069
近代化改造車。
昭和40年代以降、急行列車に使用する車両は延命工事とともに内装を木からピンク色の金属化粧板張りに、座席の枠をグレーのペンキ塗りにするなどして面目を一新しました。
 オハ47 2029

 地吹雪が吹いたり止んだりする中、時間いっぱいまで滑りました。友人いわく、とにかくすいている、と。つい2週間前に新幹線でガーラに行ってきたそうですが、今時珍しくリフトが数分待ちとのことで。僕は最近ガーラに行っていないのですが、関東に住む人々はJR東日本の宣伝工作で「スキー=ガーラ」の公式が刷り込まれてしまったのでしょうか。
 帰りも普通列車3本を乗り継ぎ、高崎からは2階建てグリーン車に乗って大宮まで戻ります。これがあと1週間早ければ、特急形車両を使った臨時快速<シーハイル上越>で乗り換え無し、というところでしたが、乗り換える旅、ボックスシートで楽しむ酒も良いものです(少々負け惜しみ)。でもとても楽しかった。来シーズンも青春18きっぷで、スキーツアーに出かけようなー。


3月15日

 また1つ、見慣れた光景が姿を消します。
 東海道線の113系です。

 113系の前身、111系が東海道線に最初に登場したのは昭和37年、実に43年も前のことです。
 まだ僕が生まれる前から走り始めていたのです。
 そういうことを考えると、東海道線の113系の活躍は本当に長いものでした。
 幼稚園児の頃には、上の写真のタイプの冷房付き113系が新車として運転し始めていました。
 絵本に載った東海道線の113系の写真を見て、
 「東北線と同じ形の電車だ、でも東北線にはない車(グリーン車)が付いているから違う」
 と言っていたこともありました。当時から目が肥えていたのかもしれん(笑)。
 それでも2年前に引退した東北線の115系と色形が同じで、すごく親しみやすい電車だったのは間違いありません。
 青春18きっぷで旅行するときには、よくお世話になりました。
 最近は更新修繕でインテリアの種類が様々に増え、オリジナルの緑色の壁に青いシート、座席の布地を青紫の柄入りに張り替えた車両、壁をクリーム色に取り替えたり、さらに座席自体まで新型に取り替えた車両、通勤専用としてボックスシートを全て取り払った車両、これらが混結されて編成を組んでいました。乗り比べてさらに楽しさが3倍4倍となりました。電車のインテリアを本格的に調べるきっかけを作ったのも、この113系と東北線の115系だったかもしれません。
 そういえばグリーン車だけには長くお世話になっていませんでした。昨年秋、18きっぷで首都圏の普通列車グリーン車に乗れるようになって、初めて113系オリジナルのグリーン車に乗り込みました。ワインレッドのリクライニングシートに座ってくつろぐと、名士のような気分を味わうことができました。新しい2階建てグリーン車とはまた違った、独特の味わいが何とも言えないです。

 そんな東海道線の113系でしたが、後継の新型車、E231系が大量に進出し、気が付いたらあとわずかになってしまいました。
 そして18日の改正前日に、ついに全車が引退することになりました。最後の4編成には、それぞれ違った惜別マークが付いています。
 上写真は会社最寄りの新橋駅で、出勤がてらに撮影。
 ネット情報ではあちこちの駅でファンが詰めかけてヒートアップしているようですが、朝の新橋はいつもと大して変わらず、気ままにスナップ写真を楽しむことができます。普段着の電車だからこそ、普段通りに付き合い、写して記録にしてゆきたいですね..。


3月5日

 今年も日帰りで、スキーに行ってきました。
 今回は猪苗代へ。4年連続の上越から離れ(去年は湯沢パークに行きました。がこのページには書いていない)、新たな気持ちで滑りに出かけます。

 青春18きっぷを使い、行きは全席指定快速<フェアーウェイ>に乗ります。(実はこの列車に乗ることが最大の目的との噂)特急形車両でゆったりと車窓を眺めて時間を過ごします。しかし黒磯から先はロングシートの通勤形車両。旅行気分が少し飛んでしまいます。
 さらに郡山では3両編成の電車が結構な混雑。最後部のデッキに立って外を眺めます。中山宿を過ぎ、峠を越えるとそこは一面の雪景色です。
 猪苗代駅では2〜30人の人が降り立ちます。皆明らかにスキー客のようで、タクシーや友人の車に乗り込んで出てゆきました。駅前はとにかく何もない。寂れたバスターミナルと、昔懐かしい駅前食堂が3軒もあるのが目立つ他は、商店らしい商店もありません。30年前にタイムスリップしたような感じです。
 猪苗代といえば国設の猪苗代スキー場が有名ですが、今回は隣の「猪苗代リゾートスキー場」にしました。コース数が多くない分、短い滞在時間でも全コースを回れるからです。
 無料の送迎マイクロバスに乗り込んだのは僕1人。貸し切り状態を楽しむこと10分余りでスキー場に到着です。

 いやあ、天気にも恵まれ、とにかく景色が素晴らしいです。
 上を見上げれば、会津磐梯山が最も美しい形でそびえています。
 雪をかぶった樹の1本1本が繊細で、感動的なほどに美しいです。
 下を見下ろせば猪苗代湖を広がり、実に満点のパノラマ。
 右に目を向ければ、さらに麓にある会津若松の町並みが遠く見えます。
 会津若松は雪が積もっていないようで、屋根瓦がきらきらしています。
 滑るのを忘れて、ぼーっと景色に見とれてしまいそう。

 場内は混雑もなく、ゴンドラやリフトもほとんど待たずにすぐに乗れます。
 4時間余りの短い実滑走時間を有効に使い、存分に滑りを堪能してきました。
 夕方には雲も取れ、青い空をバックに白い会津磐梯山が一層美しい姿に変わりました。今回も写真を撮りまくりましたが、最後のこの1枚がベストショットでしょう。

 帰りの送迎バスは10人くらい乗っていました。駅で買った地酒の濁り酒カップが甘く、まさしくアルコール入りの甘酒といった感じです。暮れゆく景色を肴に飲んでいると、疲れとともに程なく眠りに入ります。

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