メゾン 道の果て

8月29日

 自転車は購入から4年半が経ち、これまでに6,350km以上を走ってきました。地道に日本縦断往復できる距離を超えていることになります。
 7月初め、後輪がパンクしたのを機会に、改めてパンク修理に挑戦してみました。
 かつてある知り合いから、自転車のパンク修理ぐらい自分でできるようになる、と言われたのが長く心に引っかかっていて、実家にいた頃にも自力でパンク修理に挑戦したことがありましたが、タイヤレバーの使い方がよく分からず断念していました。ただ、いつかは自力で修理できるようにと、買っておいたパンク修理キットは現在の自宅に持ち込んでスタンバイしていました。
 ネットでパンク修理のやり方を記載しているページを探し、これの見まねでタイヤレバーをセットし、中のチューブを引っぱり出します。チューブの空気を抜いてしまえば、タイヤレバーをいくつも使わなくても簡単にチューブが抜き出せ、実は意外と簡単なことにようやく気が付きました。あとは水を入れたバケツを使ってパンク場所を特定、ゴムのりを塗ってパッチを貼り、チューブを戻し空気を入れる。初めて自力で修理できたことを喜ぶとともに、数百円かかる修理代金が浮きました。

 ところが1ヶ月半ほど乗った8月になって、再び後輪の空気が抜けているのが発覚。場所を調べると、やはり前回自力で修理した場所から空気が漏れていました。接着剤の付け方が甘かったのか。チューブ交換は避けられず、後輪のタイヤ取り外しともなると自力での修理は難易度が非常に高く、自転車屋にお世話になるしかありませんでした。ちょうど後輪のタイヤも摩耗しかかっていて、新しいタイヤに取り替えたいと思っていたので、持ち込みついでにタイヤの交換も依頼しました。走行距離6,339kmにして初めてとなる一大修理です。
 オリジナルのタイヤはマウンテンバイク用でしたが実際には悪路を走ることはほとんどない(一部の砂利道程度)ので、店員さんはシティ車用のタイヤをすすめてきました。駆動輪でない前輪はあまりすり減っていないので今回は交換せず、結果前輪と後輪で種類の違うタイヤが付くことになりました。
 実際に走らせると多少のガタガタ感がある前輪と、安定した乗り心地の後輪との差を体感します。また前後でタイヤのカラーもちぐはぐになっていますが、どちらにしても実用上は差し支えなく、これからも末永く乗り続けていくつもりです。


8月24日

 今年もまた、蝉や蟻の観察を続けています。
 8月初めの休日、自転車で市民公園の辺りを走らせていたら、道路の真ん中に小さな蝉が落ちているのを発見しました。近寄ってみると、偶然にも人前になかなか姿を現さないニイニイゼミでした。
 既に息絶えていましたが、時間がまだ経っていないようで柔らかさが残っていました。鳥や蟻の餌食にならないうちに持ち帰ります。
 手元にあるアブラゼミやミンミンゼミの標本と並べると、一回り小さいのがよく分かります。また独特の羽模様も特徴的です。写真左からニイニイゼミ,アブラゼミ,ミンミンゼミ,ゴマダラカミキリです。(ゴマダラカミキリは7月下旬に自宅ベランダで死んでいるのを拾った)これでツクツクボウシが揃えば、近辺の4大勢力制覇です。

 一方でアブラゼミやミンミンゼミは道路上で息絶えている個体が多く、これを蟻の観察のネタとしても使っています。
 死んで間もないアブラゼミを蟻の巣の近くに持っていくと、程なくして小蟻が集まり始め、やがて大群衆に包まれます。
 そして巣の近くにある土の粒を次々積み上げていき、まる1日で蝉の亡骸が隠れて見えなくなります。
 その後も小蟻達はしばらく出入りしていますが、汁を吸い尽くしたのかやがて数が少なくなっていき、1週間でいなくなってしまいました。
 どうやら死体の固形部分ではなく、体液が彼らの目的のようです。
 参考までに死後相当時間が経過した蝉で試してみると、全く見向きもせずスルーして行きます。
 蟻は小動物の死骸を巣までえっちら運んでいくイメージがありますが、彼らが欲しがっているのはあくまでエキスの部分ですね。2年前3年前の疑問がようやく解けたような気がしました。

 では汁を吸われた後の亡骸はどうなってしまうのか。
 会社への通勤途中、道路にスズメが降りて何かくわえているのを発見。よく見ると、小さな昆虫の死骸をついばんでいました。
 またスズメが公園のツツジの群落に潜ったり、群落から飛び出してくるのを見かけます。これはツツジの木の下に落ちている昆虫を目当てにやってくるのでしょうか。こんな狭い空間に自在に潜り込めるとは、スズメって器用な一面があるのですね。


8月14日

 お盆の時期を迎える今日この頃、勤務先である東京都心部でも、地域住民による祭りが開かれています。
 先週金曜日は、虎ノ門駅近くで町会による夏祭りがありました。夏祭りといえば盆踊りとかを連想される向きも多いと思いますが、ここでは盆踊りをするだけの土地の余裕がないのか、盆踊りの代わりに道路で太鼓の演奏が披露されていました。大人子供合わせて10数人のチームによる勇壮な太鼓の響きにしばし魅了されます。
 続いて大小2つの御神輿担ぎ。大通りを1車線規制して2体の御神輿がわっしょい、わっしょいの掛け声と共に進みます。担ぎ手は周辺の企業の社員達でしょうか、若い人達が多いです。

 今週火曜日は神谷町駅周辺で縁日が開かれていました。こちらは路地1本を封鎖してその両脇に屋台を並べ、一方の端には大型トラックを横付けし荷台でバンド演奏、その前でややお年を召した女性達中心のグループがハワイアン・フラを踊っていました。
 縁日は会社帰りの人達と周辺の住民が入り交じり、写真のように大にぎわいでした。暑さも手伝って、フランクフルトと生ビールが欲しくなります。
 この他にも神谷町の別の町会でも週末に夏祭りがあったようです。休日出勤した訳ではないので内容は見ていませんが。

 東京の都心部というと、地域に根ざしたお祭りとかにはあまり縁がなさそうに思えますが、実は意外に自治会活動が活発なようです。
 ただ地域の古くからの住民が決して多くない中で、企業に支援を求めたり、近年建てられたマンションなど新しい住民に協力を願ったりという場面が見えてくるようです。神谷町の縁日でもちょうちんに企業や店舗の名前がたくさん記されていました。
 お祭りに少しかかわるだけでも、地域の本当の姿、というか真心に触れることができ、自分の心の収穫になった気分になれます。次の機会には会社の仲間と見に行って、少しでも地域の振興に貢献できたら、と思う夏の日でした。


8月7日

 自宅玄関前の白樺の木は、植樹されてから4年目となります。
 成長が早いといわれる白樺ですが、実際には思っていたほどには大きくなっていません。
 両脇に地植えされたランタナ(七変化)の方が大きくなってしまい、花も鈴なりに付けられてシンボルツリーの座を完全に奪われています。
 足元も草花の植木鉢でいっぱい。主役どころか脇役としても影が薄くなっています。

 そして最近、これに追い打ちをかけるような出来事が。
 少しばかり目を離していたうちに、葉の大部分を虫食いされてしまいました。
 食害に遭った葉は葉脈を残して茶色く枯れ、見るも無残な惨状に。
 犯人はどうやら「カナブン」のようです。
 夏になるとどこからともなく現れ、夜の電灯に向かって激突する、緑色に輝くあの昆虫です。
 この小さな白樺の木に、何と7匹もたかっていました。
 7匹もの群れに攻められたら、小さな若木はひとたまりもありません。
 とにかくまずは捕まえ、袋に放り込んで自宅から数百メートル離れた神社の森や河原の草むらに捨てに行きます。数百メートル離れれば、わざわざ自宅の白樺を狙ってくることはもうできないでしょう。
 それから毎晩毎朝、家を出るとき帰るときは必ず虫がいないか点検するようにしました。
 1週間監視を続けていますが、カナブンの寄りつきは今のところ見られなくなったようです。
 しかしこれから本格的に暑くなりそうで、安心はできません。引き続き監視体制を強化継続してゆきます。

 自宅の庭に植物の種類はたくさんありますが、不思議なことにカナブンの食害を受けているのは白樺と紫蘇の葉ぐらいです。
 他の植物には興味がないのか、それともこの2種類だけがうまいのを知っているのか。人間には分からない知恵が昆虫にはあるようで。

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