メゾン 道の果て

1月31日

 子供が通っている小学校が、同じ敷地にある中学校共々開校40周年を迎え、その記念誌が発行されて手元に届いています。

 「開校四十周年記念誌」と大書された60ページ余りの冊子。
 表紙には、小中学校の生徒全員で表現した人文字が映し出されています。
 最後のページはその人文字が見える校庭を手前に、周辺一帯の全景が映った航空写真となっていて、自宅はどこだ、駅は、スーパーは、と子供と一緒に探して楽しんでいます。

 内容は、両校のPTA会長,校長や各歴任者のあいさつ文に始まり、40年の沿革,歴代教職員名簿,年中行事の紹介と続きますが、子供達にとって最も興味あるのは、やはり自分達の出るクラス紹介のページに他なりません。
 各クラス1ページずつ、集合写真と、「将来の夢」で一人一言がつづられています。
 小学1年生の夢から見てゆくと、
  「ぼくは、さっかあせんしゅになりたいです。」
  「わたしは、けいきやさんになりたいです。」
 などと、なりたい職業を定型文で書いています。
 とはいうものの、1年生には自分の将来がまだおぼろげで、あまり伝わってこないような気がします。
 小2のページでは自由形式になり、書くことが少し具体的になります。例えば、
  「ゴールがいっぱいとれるサッカーせん手」
  「シュートをいっぱいとれるゴールキーパー」
  「おいしいおいしいケーキやさん」
 少し面白みが出てきました。アイドルやけいさつかん、先生などよくある職業に混じって1人だけ、
  「人気ユーチューバーになりたいです」
 と書いてきた子が目立っていました。

 以降学年が上がるにつれ、より具体性が増してきます。小3ではクラス40人中12人もが「ユーチューバー」と答えていました(笑)。ネット動画の影響力の強さを感じずにいられません。
 4年生になると大工や看護師、獣医など、専門系やガテン系の職業も登場してきます。年を重ねるごとに現実の仕事をより理解して受け止めてくるのでしょう。
 一方中学生になると、真面目に将来の夢を記している人も多い中で、夢追いに疲れたのか、現実逃避に走ったのか、思い切った答えも見受けられて笑いを誘います。
  「アラブの石油王と結婚する」
  「クイズプレイヤーになって優勝する」
  「ベーリング海の蟹漁師」
 他の生徒でも思いつかない、かっこいい答え方をしている生徒さんもいれば、
  「普通のサラリーマン」
  「どんな仕事もすぐこなすサラリーマン」
 が2連発で続いたり。

 振り返って、自分が子供時代の夢は何だったのか。
  「歌手になりたい」
  「テレビのアナウンサーになりたい」
 思い起こせば、こんなことを友達のサイン帳に書いていた覚えがあります。
 現実には憧れの職業に就くのは難しく、ほとんどの場合高校,大学を出て「普通のサラリーマン」に落ち着いてしまいます。そして僕ももれなくその1人でした。でもこの記念誌に書かれている夢や希望を見て、もう一度、自分の日常生活の中に、憧れていることやかなえたい小さな望みを組み入れていこう、と思います。


1月25日

 50歳の誕生日を迎えました。
 人生の折り返し点をとうに過ぎ、自分の体力と相談しつつもひたすらがむしゃらに後半生を走り続けているのですが、50歳のチェックポイントは自身の過去・現在・未来について振り返る良い機会でもあります。
 そこで過去の節目はどうだったか。20年前、30歳を迎えたときに書いた内容を読み返してみました。

 30歳の当時はまだ独身で、実家から会社に通っていました。そして強い結婚願望があったことも書いています。
 その後、ある結婚相談所に入会してお見合いを重ね、37歳のときにようやく結婚して現在に至るのですが、実際に夫婦で生活してみると山あり谷あり、そして子供ができてからは子供に尽くすような生活スタイルにどうしても変わってきます。高校時代の仲間の約半数は50を過ぎても未だに独身で、旅行に出かけたり模型を集めたりプライベートで自由を満喫していますが、そんな独身貴族が少しだけうらやましくなったりもします。
 文末で、仕事に追われる毎日が続くのでしょうが、そんな中でも自分らしさを見失いたくはない、と書いています。20年経った今でもこの基本スタンスに変わりありませんが、結婚してからは1人で遠くに出かけるということが少なくなり、子供が生まれてから行動範囲はほぼ地元近辺、自転車で行ける距離までとなっています。それでもランニングで体を動かしたり、安い買い物をしたりと、ささやかでも充実した時間を作るようにしています。

 その後、35歳のときも40歳のときも、大したお祝いもなく過ぎてゆきましたが、43歳のときは直前に子供が生まれ、転院や各種手続きなど大騒ぎしたことを書いています。以降、毎年子供の誕生日は家族で盛大に祝いますが、自分の誕生日は子供と2日しか違わないので子供誕生日のついでにされ、単独では祝ってももらえません。というかこんな年をくってから祝われてもというのはありますが..。
 これから10年、20年先の未来も少し考えなければなりません。あと10年経てば定年を迎えます。定年の時に子供はまだ高校生、という事情を考えるとこのまま退職してリタイア、という訳にはいかないと思います。今の会社で継続雇用されるのがよいのか、別の働き口を探すのか。現在の職場には60歳前後の人たちが多いので、その勤務状況を見ながら参考にしてゆきます。他にも親世代への介護とか、万が一のときの相続とか、50代で考えなければならない事項は多いものです。


1月15日

 3学期が始まり、子供も学校通いがとうに始まっていますが、冬休みの宿題を振り返ります。

 ・国語,算数のプリント(2枚ずつ)
 ・書き初め
 ・計算カード読み上げ(7日間以上)
 ・読書(絵本や児童書5冊以上)
 ・なわとび
 ・こま回し(むかしあそび)
 ・おてつだいチャレンジカード

 夏休みのときと同様、分量的には難なく取り組める内容でした。
 書き初めは毛筆を使って墨付けて書くのかと思いきや、硬筆でお手本通りに「お正月」と書けばよいというもので、書道セットの準備や筆洗いなどの面倒な作業がなく気楽に進められました。
 読書は学校や自治体の図書館から絵本を借りるか、親に買ってもらった本を読んで、感想を一言簡単に記して提出というものです。「おてつだいチャレンジカード」は、家庭の手伝いを2つ3つやってそれを報告します。うちの子供は「おそうじ」「ゴミ出し」で提出しました。

 一方で親が難儀したのが、体を動かす系の宿題です。
 1つはこま回し。(むかしあそび)ということでこま回しが選ばれたようなのですが、大きなコマの底にひもをぐるぐる巻きつけて一気に引っ張って回す、という遊び方をマスターしておくのが課題でした。
 ところが両親はこんなこま回しをした経験がほとんどありません。小さなベーゴマを手でひねって回すのはよくやってましたが、ひもで引っ張るのは非常に難しく、何回やってもうまく回らずあきらめたのが自分の小さい頃の思い出です。
 よく来る親戚のおじさんはこれを心得ていて、子供はこれを見よう見まねで体得して、何回かは回すことができました。しかし自分は未だに1度も回せずじまい。子供に先を越されています。
 なわとびもまた親達にとってハードルが高いです。学校で配布された「なわとびカード」に書かれた、1年生の目標は、

  前まわし10,かけ足とび10,グーパーとび10,前ふりとび10,後ろまわし3,あやとび2,こうさとび1

 まず用語がわからない、というか用語が行動と結びつかないです。「グーパーとび」って何だっけ、と親が子供に聞いているような始末です。1回ずつ両足を開いて、次は閉じてというような飛び方です。そういえばこういう飛び方もあったなあ。
 前ふりとびに至っては親も子供も飛び方を把握してなく、何のことかさっぱりわかりません。こんな時、今の時代に生きてよかったと思うのが「ネットで検索」。前ふりとび、と入力すると、すぐに動画がヒットしました。これを見ながら、まずなわを使わずに飛んでみます。あやとびとこうさとびの違いも、動画で改めて知ることとなりました(妻はあやとびのことを交差飛びと思っていたよう)。
 で、自分が実際飛んでみると、単純な前まわしであれば50回くらいは飛べるのですが、前ふりとびで足元がおぼつかなくなり、あやとびは3回も続かず。2年生の目標は1年生の4倍できるようになるとか、6年生は前回し120回二重飛び20回とか..体の重くなった親達にとって子供と一緒になわとびをするのはかなり困難な挑戦です。

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