メゾン 道の果て

11月30日

 自宅の庭で作業をしていると、上空を時たま飛行機が通過してゆきます。
 遠くからジェット音が聞こえてくるのに気づき空を見上げると東から飛行機が近づいてきます。間もなく自宅のほぼ真上を、銀色のおなかを見せながら通り過ぎます。南北に少しずれて飛行すると、航空会社のマークが見えることもあります。そして西に向かってまっすぐ飛び去ります。機体はだんだん小さい白い点となり、5分もすると見えなくなります。一体どこに飛んで行ったのでしょう。
 西に向かう飛行機を見送ると、また東の方からジェット音が聞こえてきました。今度は東の空を、北に向かって飛んでいく飛行機です。こちらもやがて白い点となり遠くに消えてゆきました。旋回なしでまっすぐ飛んで行ったのを見ると北海道方面に向かっているのでしょうか。こんな光景が、時には数分ごとに繰り返されています。
 23:00を過ぎた夜遅くでも飛行機がジェット音とともに現れ、機体のライトを点灯点滅しながら通過します。こんな夜遅くにどこを目指しているのか。行き先が気になりました。

 航空機が今どこを飛んでいるのかリアルタイムに表示するサイトがあるのを思い出し、ネットで調べてみました。
 「フライトレーダー24」というサイトです。世界中で飛んでいる機体の現在位置や方向を地図上で示し、その飛行機のアイコンをクリックすると航空会社や便名,機種,出発到着時刻が分かるという、航空ファンにはたまらないサイトです。
 自宅上空を東から西に向けて飛行しているのは、成田空港を飛び立ち西に向かう便らしいです。国内線も、中国やヨーロッパ諸国に向かう国際線もこのルートを使うようです。夜遅く自宅上空を通過するのはドバイ行きのエミレーツ航空や中国に向かう全日空の貨物便などなど、国際色豊かです。東の空を北に向かう飛行機は予想していた通り、羽田空港発の北海道や東北方面行きでした。
 一方その逆方向を飛んでいる機体を自宅上空では見かけません。中国やヨーロッパ方面からの便が成田空港にどのようにしてやってくるのか。このサイトを眺めていれば一目瞭然で、日本列島の太平洋側を、海の上を渡って成田にたどり着きます。北海道から羽田に戻ってくる機体も自宅から見えませんが、こちらは東側の、茨城県から千葉県上空を南下するルートになっています。行きと帰りのルートを全く別にすることで空中衝突やニアミスが起こらないように工夫されているのが分かりました。なるほど。
 毎日何気なく、上空を西に北に進んでいる飛行機達を見送っていましたが、このサイトに接することで、世界に広がる壮大なロマンと、飛行機を安全に運航させる知恵に触れた気がしました。


11月23日

 完全在宅勤務化から約1年半、電車は通勤目的で乗ることもなくなり、見るだけの存在になりつつありますが、先日用事を作っておよそ2ヶ月ぶりに乗ってきました。

 東京メトロ半蔵門線の新型車18000系です。この8月から営業運転が始まり、既に3編成が運用に入っています。今回のお出かけで運用調査サイトを調べたら、ちょうどよい時間に来ることが分かったので実乗してみました。乗ってみた率直な感想は、車内が18年先輩の08系と大きく変わらないなあ、に尽きました。紫色の座席に薄紫色の床の落ち着いたインテリアは08系で見慣れていて、これが踏襲された格好です。乗り心地も08系と同じように静かで、裏返せば08系がそれだけ先進的に素晴らしい車輌だったということになります。18000系は2025年度=令和8年春までに19編成を導入し、8000系をすべて置き換える計画です。

 18000系の運用開始と引き換えに、8000系の廃車も始まっています。既に3編成が亡く、残る16編成も今後4年間で順次引退することになっています。
 昭和56年に第1編成がデビューしてから40年。思えば息の長い活躍を続けてきましたが、世代交代の波は迫っています。元気な姿が見られるのも今のうちになりそうです。

 

 東急8500系も、2020系の増備で数を大きく減らし、いつしかあと4編成を残すのみとなっていました。田園都市線,半蔵門線の主力車輌として40年以上の長きに渡って活躍し、伊勢崎線でも圧倒的多数勢力と豪快なモーター音で存在感を見せつけていましたが、2020系を見かける機会が増えたなあと思っている裏で8500系の廃車が進行していました。あれだけたくさんいた仲間達も、数が少なくなってしまうとさみしさを感じます。伊勢崎線沿線からも、最後の活躍を見届けたいと思います。


11月11日

 穂を付ける秋の野草は探すほどにまだたくさんあります。前回に続き、近所の道端で見かけた穂付き野草の紹介です。

キンエノコロ(金狗児)
 俗に猫じゃらしと呼ばれる植物の一種てすが、一般的なエノコログサは毛が緑色なのに対し、この種類は赤茶色で芯が黒く見え、ひときわ目を引きます。背丈も他のエノコログサよりひょろりと高くなります。
シマスズメノヒエ(島雀の稗)
 前回のオヒシバやイヌビエに似ていますが、穂の生え方がどちらとも違い、茎の途中から1本ずつ、穂の付いた茎が分岐します。穂は熟すると表面がねっとりして服に付着することがあるのでご注意を。なめると甘いです。
 道端でよく群落を作っていますが、その特徴ある穂を写真に収めるのは意外に難しく、バックが草むらだと同化して目立たなくなってしまいます。
カゼクサ
 以前紹介したスズメノカタビラを大きくしたような種類だそうですが、高さが1m近くにもなり存在感があります。
チカラシバ
 猫じゃらし系の穂を持ちますがサイズが大きく毛が黒いのが特徴で、動物のしっぽみたいです。一緒に写っているエノコログサと比較するとよく分かります。
セイバンモロコシ
 河原や用水路沿いに多く生えていた、ススキでも葦でもない背の高い植物。一体何者かと思って調べてもなかなか名前にたどりつけませんでした。小さな赤い穂を、枝分かれした形で生やします。

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